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ドリトル先生と奈良の三山

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第二幕その二

「平仮名とか片仮名とか」
「そう、それも出て来たんだよ」
「それで日本独自の文化もなんだ」
「出て来たんだ」
「そうなんだね」
「文字は漢字だったけれど」
 奈良時代はです。
「その前にも文字があったという人がいるよ」
「あっ、そうなんだ」
「神代文字ってね」
「何、その文字」
「韓国のハングルに似た形の文字で」
「ああ、あれだね」
「古代の日本で使われていたという説があるんだ」
「それは本当なの?」
 王子の先生への今の問いはかなり疑わし気でした。
「漢字から平仮名、片仮名が出来て」
「それが通説だね」
「日本の文字が形成されたっていうけれど」
「僕もそう考えているけれどね」
「そうした文字があるともだね」
「言われていてね」
 そしてというのです。
「僕も今調べているんだ」
「調べてるんだ」
「僕は平仮名、片仮名がはじまりとは思っているけれど」
「神代文字が本当にあったのか」
「それも調べているんだ」
「そんな文字が本当にあったら」
 王子はかなり興味深そうに述べました。
「日本の歴史が変わるね」
「うん、文字は極めて重要だからね」 
 その存在自体がです、文字から記録が残りそして文学等も書かれるからです。このことはどの文字も同じです。
「それでね」
「若し神代文字が本当にあったら」
「これは凄いことだよ」
「そんなこともあるんだね」
「日本にはね」
「何か色々と謎のある国なんだね」
「歴史があるだけにね」
 その歴史が古いだけにです。
「そしてその歴史はね」
「奈良からだね」
「はじまっているんだ」
「そうなんだね、じゃあその奈良に」
「今から行って来るからね」
「帰ったらお話聞かせてね」
「お土産も買って来るよ」
 先生は王子にこのことを約束しました。
「絶対にね」
「先生絶対にお土産買って来てくれるよね」
「これは礼儀だからね」
「だからなんだ」
「絶対にね」
 買って来るというのです。
「そうするからね」
「今回もだね」
「うん、王子にトミーにね」
「日笠さんにもだよ」
 王子はすかさず言いました。
「忘れないでね」
「そうだね、日笠さんも大切なお友達だからね」
「いや、お友達っていうか」
「何かな」
「いや、何かじゃなくてね」
 王子はここでは難しいお顔で言うのでした、先生がこうしたことには本当に鈍感なので困ってです。
「何というか」
「言いたいことがわからないけれど」
「つまりあれだよ」
「あれ?」
「そう、日笠さんには一番いいお土産をだよ」
「買わないとなんだ」
「駄目だよ」
 こう言うのでした。
「いいね」
「一番なんだ」
「そう、一番いいお土産をだよ」
 まさにというのです。
「あげるんだ」
「それじゃあ」
「そのことは守ってね」
「そうさせてもらうよ」
 こう答えた先生でした、そしてです。 
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