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オズのトト

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第二幕その三

「あの娘達もね」
「そうですか」
「うん、そしてね」
「そして、ですか」
「今残ってるのは私達に木の馬にチクタクとね」
「私よ」
 ここでガラスの猫が登場です。
「宜しくね」
「あっ、貴女も冒険に行きたいのね」
「猫はいつも好奇心旺盛でしょ」
 左の前足を出して言うのでした。
「そうでしょ」
「ええ、だからなのね」
「冒険ならね」
 まさにというのです。
「行かせてもらうわ」
「わかったわ、じゃあね」
「その時は宜しくね」
「私はーー今はこの国にーーいますーーが」
 チクタクも言ってきました。
「あと少しーーしたらーー出発ーーです」
「何処になの?」
「ファイター大尉のーーところにーーです」
 そこにというのです。
「行ってーーきます」
「そうなの」
「はいーーそうーーです」
 こう恵梨香に言うのでした。
「ですからーー冒険はーーです」
「今回はなのね」
「残念ーーながら」 
 そうだというのです。
「またーー今度」
「わかったわ、魔法使いさんもオジョのところに行ったし」
 ドロシーはこれまた古いお友達のことを思い出しました。
「このメンバーで行くことになるかも」
「冒険に出るとしたらね」
「ええ、まあね」
 こうも言ったドロシーでした。
「まだわからないけれど」
「出た時は」
「大抵こうしたお話が出たら行くことになるけれど」
「その時はだね」
「このメンバーね」
「ひよっとしたら」
 笑ってこうも言ったカエルマンでした。
「ボタンと一緒になるかもね」
「ボタン=ブライトですね」
「そう、あの子ともね」
「あの子はわからないですね」
「そう、何時何処で会えるかね」
「本当にわからないですよね」
「いつも急に会うからね」
 カエルマンにしてもそうです、笑って彼のことをお話するのでした。
「いや、この前なんかね」
「どういった出会いでした?」
「朝起きてお池の中のおい家から出たら」
「そこにですか」
「いたんだよ」
 そうだったというのです。
「お池の傍で寝ていたんだよ」
「それはまた」
「凄いというかね」
「あの子ならではですね」
「それで起こしてどうしてここにいるかって聞いたら」
「いつも通りですね」
「わからない、だったよ」
 本当に彼にとってはいつも通りだったというのです。
「何というかね」
「よくわからない子ですよね」
「寝ている間にだからね」
 何処かに移動してしまうのです。
「本当にわからないよ、ただね」
「それはオズの国の中のことで」
「出てもすぐ傍だからね」
 そのオズの国の、です。
「安心出来るだよね」
「そうですよね」
「そうした意味で彼もまたオズの国の住人なんだ」
 オズの国から離れることがないからです、だからボタンもオズの国の住人だというのです。 
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