| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百三十六話 鍛錬をしてその八

「そう考えています」
「そうか」
「はい、二段になりまして」
 円香さんがしているのは合気道だ、そちらではというのだ。
「ですから」
「そのことは嬉しいか」
「はい」
 そうだというのだ。
「ですがそれでもですか」
「私は特にだ」
 段はというのだ。
「別にいいと思っている」
「そうなのですね」
「そこは人それぞれだな」
「段はそれだけ努力して精進した証と思っています」
 円香さんの場合はこう考えていた。
「そうだと」
「そこはそれぞれだな」
「そうですね、段についての考え方は」
「全くだな」
 留美さんは円香さんのその言葉に頷いていた、円香さんの考えもあると肯定している頷きだった。
「人それぞれだ」
「はい、ただ段が高くても」
 円香さんは眉を顰めさせてこうも言った。
「心が伴っていない人もいますね」
「合気道でもそうか」
「はい、合気道の心が備わっていない人が」
 その眉を顰めさせた顔での言葉だ。
「どうも」
「剣道でもそうだ」
「そうした方がおられて」
「反面教師にしている」
「心が伴っていない武道は何か」
「暴力だ」
 留美さんは一言で否定した。
「ただ単なるな」
「そうですよね」
「合気道でもそうした輩がいるとはな」
「います、生徒や後輩を平然と殴る人が」
 正真正銘の暴力を振るう人がというのだ。
「います」
「剣道ではそれが竹刀になる」
「竹刀を持っているから余計に酷そうですね」
「防具をしている為滅多に怪我もしないしな」 
 このこともあってというのだ。
「振う暴力も酷くなる」
「そうなのですか」
「そうした輩は剣道をするものではない」 
 到底というのだ。
「絶対にな」
「剣道をすべきでない方は」
「そうだ、しかもそうした輩はそこそのの確率でいる」
「迷惑なことですね」
「災害だ」
 こう言っていいものだというのだ。
「もっと言えば人災だ」
「それになりますね」
「そうした輩に逢うことはな」
「そして二度とですね」
「そうした輩にならないことだ」
 このことは絶対という口調だった。
「まことにな」
「そうですね、本当に」
「剣道は暴力と違う」
「合気道もです」
「心身を鍛えるものだ」
 身体だけでなくというのだ。
「心も鍛えていないとだ」
「もう暴力でしかないですね」
「そうした輩になるものだ」
 目を怒らせてだ、留美さんはこうも言った。
「絶対に」
「そうした人にお会いしてですね」
「今もそう思っている」
「まさに反面教師ですか」
「そう思っている」
「私もです」
 留美さんもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧