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ジョジョの奇みょんな幻想郷

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第一部 ケイオスクルセイダーズ
第二章 春雪異変~神浄刀矢さんとコラボ企画~
  25.いつまでも忘れない童心って素晴らしい?

「え!?犯人じゃないの!?」
「じゃないに決まってんでしょうが」
 和真が戦いを終え、丞一たちはレティの手当をしていた。何故今回に限って手当してるかというと、攻撃がクリーンヒットしたからだ。そもそも、何故弾幕ごっこなのに普通に攻撃したのだろうか。ルールを守って楽しく弾幕ごっこ。
 それにしても、霊夢は本当にレティが犯人だと思ってたようだ。こんなのが博麗の巫女で大丈夫なのか?幻想郷。














「さて、振り出しに戻ったわけだけど」
「はてさて、どうしたもんか」
 またもや、姉弟が頭を悩ませていた。
 ちなみに、和真のあれについては触れていない。人には聞かれたくないことの一つや二つもあるものだろう。
「行き先は決まってるわ」
 と、霊夢が口を開いた。またか、とそれぞれが口に出さなくとも心の中で呟いたのは間違いない。
「マヨイガよ」
「「マヨイガ?」」
「あ、聞いたことあるぜ。妖怪の山のどっかにあって。そこから何でもいいから持ち帰ると幸運が上がるとか」
 魔理沙の説明を聞き二人は丞一と咲夜は、ああ、確かにそんなこもを聞いたことあるなぁ、と姉弟揃って呟いていた。ほんと仲いいですね。
「付け加えるなら、紫の仮住まいって噂もあるわ」
「え?紫さんの?」
 そう、あの紫さんである。霊夢の突然のカミングアウトに幻想郷民は目を見開く。蚊帳の外だった和真はこの機を逃さず口を開いた。
「紫?誰それ?」
「八雲紫。幻想郷最古参の妖怪の一人であり、最強の妖怪の一人であり、賢者と称えられる妖怪の一人よ。ここ(幻想郷)もあいつが考案し、博麗大結界を提案したのよ」
 うわー。と言う顔をしていた。
「つまり、霊夢はマヨイガに行って紫を探そうと」
「あわよくば、あいつ自身にあって前例があったかとかも聞ければ幸いね。何なら連れてってもら‥‥おう、かし、ら」
 霊夢は後半へなるに連れて声が小さくなってた。 
 丞一も顎へ手をつけ、咲夜や魔理沙も何か考えるように唸っていた。
 何かが引っかかっていた。ていうか答えがほぼ出ていた。
 八雲紫。通称スキマ妖怪。その名の由来は『境界を操る程度の能力』を使い空間の境界を操り裂け目を作ることで、離れた場所同士をつなげて神出鬼没なところからきている。そして『境界を操る程度の能力』とは、「境界」と名の付くものならほぼ何でも支配下に置く事が出来る能力。そしてそれは物理的なものだけでなく、概念等も可能である。例えば夢と現実、そして、季節。そう、冬と春なども。
『あんのスキマババアがぁぁぁぁぁぁ!!』 
 幻想郷民が絶叫した。もうこれほどかと言うほどに。
「あいつ、ついにやりやがったな」
「ええ、冬になったら見かけないのはいつものことだけど。こんな季節になっても起きてこないのが気になってはいたのよ」
「まさか、働きたくないがために?」
「やりかねないな」
 魔理沙、霊夢、咲夜、丞一がそれぞれ好き放題に言うがこれも日頃の行いと言うものだろう。常日頃、人に対してしっかりと節度を持った接し方をすれば自然と評判はついてくるものだ。
「なあ、盛り上がってるところ悪いんだが、その紫とやらがマヨイガにいなかったらどうすんの?」
 怖ず怖ずと和真は質問をした。だが、至極もっともな質問だ。もともと、ただの噂なのだ。ただの噂だからこそ紫のすんでる場所を誰も知らないのだ。
「いや、収穫くらいはあるだろう」
 その和真の質問に答えたのは以外にも丞一だった。
「さっきの話で思い出したんだが、確かマヨイガは野良猫たちの集会所になってるはずだ。そして、妖怪の山っつーかこの幻想郷の猫の頭と言えば『橙』だ」
「つまり、何か知ってるかも、と」
「ザッツライト」
 橙、猫が妖怪化した二又という妖怪だ。
 橙は紫の式神、八雲藍の式神だ。つまり式神の式神。藍とは親子のように仲がよく何か知っている、もしくは何か手伝っている可能性が極めて高い。
「ていうわけだから、ひとっ飛びつきあいなさい!」
「霊夢ちょっといいか?」
 今にも飛び出しそうな霊夢に魔理沙が制止をかけた。
「何よ?」
「マヨイガって字面だとカタカナだけどひらがなと漢字で書くと確か」
「『迷い家』。迷う家と書くわ」
「ていうことわだぜ、普通に見つかんないから『迷い家』っていうんじゃないのか?」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥そうかそうか。ならそうなんでしょうね。あんたの中では」
「真理だわアホ」
 そして再び振り出しに、
「そうだ。なら降りて迷えばいいのよ!」
 そのとき不思議なことが起きた。
 霊夢のとち狂った発言に、霊夢以外のみんなと地の文の言葉が重なった!




 ‥‥‥‥‥何を行っているんだこいつは。




 というわけで、
「迷ったわ!」
「迷ったな」
「迷っちまったな」
「迷ったわね」
「いや、迷うなよ!」
 絶賛遭難中だ。うん、和真のツッコミごもっともである。
「どうするんだぜ?」
「魔理沙、出番よ!」
「いやいや、いくら魔法使いでもこんな境地を脱するマジックアイテムは」
「お宝センサー全開よ!」
「ねぇよ!」
「今こそ覚醒の時よ魔理沙!普段使われそうにないこそドロ設定を使いなさい!」
「ないもんはねえ!いくら霊夢でも魔理沙ちゃん怒るぞ!丞一、咲夜!お前等からも何か言ってくれ!」
「あながち間違ってはねーだろ?」
「それなら、パチュリー様の本を返してから言いなさい。盗みに来るのやめなさい」
「おい!誤解を招く言い方はよしてほしいんだぜ!私はただ死ぬまで借りてるだけだぜ!」
「魔理沙、自首するなら今のうちだぞ」
「お前にだけは言われたくないんだぜ」
 確かにペドフェ、和真が言うなと言いたい。既に証拠は挙がってるのだ。何かと寺子屋に足を運んでいるという事実を丞一が知らないようで知っているのを魔理沙は知っている。
 まあ、一悶着あり渋々魔理沙が先頭になり歩くこと十数分後、見事に見つかった。
「何でだぜ!?」
「さすがはお宝センサーね」
「やめてくれそんな呼び名!」
「最早、盗人なんておこがましいな。怪盗に改めるか?」
「どっちもお断りだぜ!?」
「Marisa The third♪」
「霊夢戻ってこい!お前がそっちに行くと手に負えない!」
 魔理沙が哀れに思えてきたため、一行は早速館へ突入することにした。
 丞一と霊夢によって蹴破られた館の扉は、バァン!とけたたましい音を立て開いた。
「紫!いるなら出て来なさい!」
「紫さーん、藍さーん、橙ー、いるかねー?」
 霊夢は予想通りだが、意外!丞一は扉の開け方とはいえ相反しいつものように呼びかけた。
 そんな二人を和真は苦笑いを浮かべ、残りの二人は当たり前だと言わんばかりに普通に入った。
 そして全員入ると、突然扉が閉まった。そしてご親切に鍵まで外から掛けられた。
「ちょ!鍵閉められた!?」
「ちっ。和真、そこどけ!『ダークワン』!!」
「『ルナ・ダイヤル』」
『オラァ!!』
『無駄ァ!!』
 ズゴォン!とニャル子と咲夜のスタンド『ルナ・ダイヤル』の拳が和真の顔面スレスレを通過する。もし、丞一の言うとおり扉から離れてなければ顔面が凄惨なことになっていただろう。
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラァ!!』
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄、無駄ァ!!』
 二人のスタンドは、互いにカタログスペックは原作のスタンドを含めてもパワーは屈指だと自負している。しかし、その二人のラッシュでも扉は傷一つつかなかった。
「ちょ、危なぁ!?」
「む!こいつ、これだけなぐったのに。結構堅い奴ね」
「こいつぁ、紫さんの四重結界か。だったら、」
「『ルナ・ダイヤル』」
「『ダークワン』」
「「『ザ・ワールド』っ!!」」
 ドォォーーーーン!カチコチ……。
 丞一と咲夜は時を止めた。静止した世界の中でスタンドを出す。
「かったるいことは嫌いなんで」
「この静止した世界で」
『ぶち壊させてもらいますよ!』






『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!』
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!』
 二人が最後の一撃を放ち、時止めが終わった。しかし、結果は、
「っ!!バカな!?」
「私たちの超キョウリョクラッシュでも────」
『ビクともしないなんてっ!?』
 和真は「えっ!ちょ!え!?」と慌てふてめいていたが四人は驚愕ものだった。二人のラッシュでもどうしようも無いのは思わなかった。だが、収穫がないわけでもなかった。
 ニャン!?
 ───────ん?
 という心の声が重なった。全員が音のなった方へ顔を向けた。そこはちょうど二回へ繋ぐ階段だった。そこには壁に隠れて見えないが誰かがいる。そして、二つの猫の尻尾が見えていた。そして、それはものすごくくねくねと動いていた。ニャル子風に言えば『メガッサ動いていた』
「あ、藍さんだ」
「藍しゃま!───あ」
 もんすごい早さで出てきた。そう橙である。
「‥‥‥」
「‥‥‥」
 すごくいたたまれない空気になってしまった。しかし、その空気を壊すのも橙だった。
「よ、よくじょ、ここを見ちゅけたにゃ!えっと、お前たちはマヨイガからは、あ、間違った。ここから脱出しゅることは、かか、かなわにゃいのにゃ!」
「‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
 噛みっ噛みである。カンペ持って間違えてるし。そういうのはあらかじめ練習するのではないだろうか。
 皆はどうしたのかというと、
「霊符『夢想ぉ」
「恋符『マスターぁ」
『Joker!』
「俺──変し」
「ストップだにゃぁぁぁぁ!待ってほしいのにゃ!」
「「「チッ!」」」
 見ての通り『がんがんいこうぜ』の奴らが暴走していた。
「おい、橙。紫を出しな」
「‥‥‥‥‥えっと、どうするつもりで?」
「犯人かじゃないのか聞く。殴るかはそれからだ」
「ゆ、紫しゃまは犯人じゃないのにゃ!」
「‥‥‥‥‥‥何故言える?」
「紫しゃまの冬眠を長引かせるためにやったんじゃないかという疑いをかけられるのは藍しゃまが計算していたのにゃ。でも、それはあり得ないのにゃ。何故なら、それすらもめんどくさくてはやらない人だからにゃ」
「「「「た、確かに!」」」」 
「どちらにしろひどい理由だな!?」
 そもそも、式神にすら更生を諦められてていいのだろうか。それでいいのか主人として。
「で、この結界は何の真似なんだ?」
「‥‥‥‥‥‥‥最近紫しゃまが脱出ゲームにはまってまして」
「おい!スキマBAA出てきやがれ!!やっぱりぶん殴る!」
「落ち着けぇ!?」
 殺気をダダ漏れにしていた丞一を和真が羽交い締めにして止めた。このままではみんな死んでしまう。
「そ、それでにゃ。この屋敷にいる猫の尻尾に結界を破錠させるお札を巻いるにゃ。その猫を探してお札を取るにゃ」
「‥‥‥‥‥確かに。結界を破壊できない以上、何とかするしかねーな。てか、とれてるとかねーよな」
「それは大丈夫なのにゃ。そうなんないようにきつく縛ってあるのにゃ。そりじゃあ、ゲームを始めるわけだけどにゃ、ある言葉を聞くよう伝言を預かってるにゃ」
「「俺の(私の)魂を賭けよう!」」
「「盟約に誓って(アッシェンテ)!」」
 ジョジョラー姉弟と早苗に原作を押し付けられていた、二人はここぞとばかりに叫んだ。
 その言葉を聞くと、橙はある録音を再生した。
『グッド!Open The Game!ゲームをはじめよう』
 と紫の声で再生されてきた。





「なに?これ?」
 そう、和真の反応が普通なのである。だがまあ、本人が普通かどうかは他人が決めるものだ。少なくとも丞一に咲夜、霊夢、魔理沙は普通じゃない。








 と言うわけでGAME START!したわけで、
「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ!」
「で、具体的にどう探すの?」
 魔理沙の宣言をよそに咲夜が手早く攻略を始めた。
 しかし、丞一は思っていたことを暴露した。
「なあ、お札って尻尾にきつく結び付けてあるんだよな?だったらさ、普通にその猫暴れてるんじゃあないか?」










 そして無事、一階の小部屋でのたうち回っていた猫からお札をとってあげた。
 そんなこんなで、速攻クリアされてしまった。



 そして、紫からのありがたみもくそもない言葉は無く、橙から渡されたのは一文の手紙のみだった。
 その内容は、







『白玉楼へ向かいなさい』 






 こんな伏線回収もうやだなぁ、というのは丞一心の中にとどめた。 
 

 
後書き
 皆さん。この作品では初めまして!作者のかりーぱんです!一応このシリーズの投稿はこれで最後です。ですが『やはり俺がネイバーと戦うのは間違っているのだろうか』で大晦日用番外編を上げたので是非そちらも見てくださると幸いです!こんな不定期投稿の作品ですがこれからもご贔屓のほどを。
 それでは、よいお年を! 
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