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レーヴァティン

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第三十二話 六人目の手掛かりその八

「まさにです」
「いざとなればか」
「はい、そうした決断も必要です」
「政治って奴はそうした決断、覚悟も必要か」
「私はそうだと思います」
「まあそうだろうな、政治は現実だからな」
「何でも出来たらいいけれど」 
 源三は少し残念そうに彼にしてはいささか珍しい笑顔で話した。
「現実はね」
「そうもいかないからな」
「そう、だからね」
「優先順位を決めてな」
「絶対にしないといけないことを優先させて」
「それが幾つかあったらな」
「その中からだよ」
 さらに優先順位を決めてというのだ。
「やっていかないと駄目ってことだね」
「シビアなものだな」
「こうも言うでござるな」
 進太は厳しい顔になって述べた。
「助けられる命と助けられない命がある」
「特撮の言葉だったか」
 久志は進太のその言葉を彼が昔見た特撮番組の台詞に似ていると思ってそのうえで彼に言葉を返した。
「確か」
「そうだったと思うでござる」
「助けられる命もあってか」
「出来ない命もあるでござる」
「やることもだな」
「時としてでござる」
「出来なくて諦めないこともあるか、しかしな」
 ここでまた言った久志だった。
「それはな」
「出来る限りはね」
「そうした決断はしたくないしな」
「そうした状況にもね」
「出来るだけなりたくないな」
 こう淳二に述べた。
「やっぱり」
「そうだよね。おいらもだよ」
「そうならない様に事前に読める限り読んでか」
「やっていくべきだろうね」
「それでもなることもあるけれどな」
 幾ら先に読んで動いて用意してもだ、人間の能力は所詮限られている。だからどうしてもそうした辛い状況になり辛い決断と選択をしないといけない状況も生じるのだ。
 そのこともわかったうえでだ、久志は言った。
「出来る限りはな」
「先読みもしてね」
「用意して動いて」
「そうした事態にならない様にしようね」
「そして今はです」
 順一がまた言ってきた。
「まずは残る七人、そして各国と島全体の状況を」
「調べていくか」
「そうしていきましょう」
「それじゃあな」
 久志は順一のその言葉に頷いた、そしてだった。
 道中に出てもだ、仲間達にこうも言った。
「じゃあまずはな」
「六人目だね」
「ああ、六人目を探すか」
「じゃあ情報収集だね」
 それこそとだ、淳二は久志に応えた。
「まずは」
「そうしような」
「心当たりあるよ、おいら」
「その六人目のか」
「いや、その六人目を知っていそうなね」
 それこそというのだ。
「その人を知ってるよ」
「まさかって思うけれどな」
「わかった?」
「前に話したガンダルフって人だろ」
「そうそう、あの人なら博識で情報もね」
「よく知ってるんだな」
「実は水晶玉で各地を見ているからね」
「ああ、それでか」
「よく見ているから」
 だからだというのだ。 
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