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SAO二次創作の練習

作者:詠人
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感想で「こうしたほうがいい」と教えてくれると嬉しいです。
多分続きます。 

 
鋼鉄の城『アインクラッド』第一層の深い森の中、焦った表情の少年は植物のようなモンスター『リトル・ネペント』を相手にソードスキル『スラント』を発動した。彼の周りにはまだたくさんの『リトル・ネペント』が居り、彼が先程のソードスキルでそのうち1体を倒してもまだ少なくない数の『リトル・ネペント』が居る。
「何故少年がこのような状況に陥ったか」と言うことに関しては「運が悪かった」の一言に尽きるのだが、「少年はどのような状況に置かれているのか」について説明するには、彼がこの世界に来る前まで遡る必要がある。

2023年 秋のある休日 神奈川県 横浜市

最近、巷を騒がせているゲーム『ソードアート・オンライン』、通称『SAO』。このゲームはVRゲーム機『ナーヴギア』でプレイするMMOで、その舞台である鋼鉄の城『アインクラッド』にダイブしてプレイヤーが直接剣を振るうという斬新なものだ。『ナーヴギア』によって創り出された仮想世界は現実と遜色ないもので、実際プレイしたにベータテスターは最初そこが仮想世界だとは思えなかったという。

先程の少年――現実での名は有明 聡来という――が、いかにも高性能そうなデスクトップパソコンの3枚のモニターの内、1枚に映った記事を見ていた。記事の内容はだいたい上のものと同じで、彼が今まで見てきたものと特に変わりのないものだったので、彼はため息をついてページを閉じた。彼も他のたくさんの人々のようにベータテストに応募しようとしたのだが、不幸なことに彼はその日に学校があったので応募出来なかった。

彼の学校の学力は国内でもそこそこ高く、幾人もの天才を生み出した『重村研究室』のある大学と交流授業をしている。その日が応募日と同じだったのだが、実際に登校してみると一部の人が欠席していた――応募のために休んだ人がほとんどらしい――、彼は休んでも良かったのではと少しだけ後悔したが、もう受付は終了しているので後の祭りだ。

ベータテスターにはナーヴギアとSAOがセットで貰えるのだが、彼はテスターでは無いので店頭に並んで買わなければならない。おそらく発売日の前日からたくさんの人々が並ぶだろう。彼はそのうち来るだろう次のロットで買おうと考え、思考を打ち切った。

彼はとある高層マンションの最上階の3階下に住んでいる。彼の家は最上階程ではないが、その階層においてはベストポジションである階層の端に位置していて、少し遠くに東京湾が見える。彼も1階まで降りるのに時間がかかることを除けば、そこを気に入っていた。
この家に住んでいる人は彼だけだが、彼の家族はまだ全員生きており、彼とは別の所に住んでいる。『人』は彼だけなのだが、彼以外には彼の飼い猫である「ルナ」という黒猫がいる。この猫は彼の妹が拾ってきた雌の猫で、毛色は黒くて脚の先が白く、お腹側に三日月形の模様があるからこのような名前がついた。

それはともかく。
彼がそこでふと外を見ると、既に日が傾き出していた。彼は今日の夕食を考えようと冷蔵庫の扉を開けたが、冷蔵庫の中は空っぽだったので、また一つため息をついた彼は、「仕方が無い」と呟き、買出しに出かけて行った。
それから40分後、いつもの3倍くらい繁盛しているショッピングモールで買い出しを済ませた彼は、パスタを茹でながら、レジでもらったくじ引き券について考えていた。一定金額、買い物をすると貰えるタイプのものだ。来週の日曜に開催と書かれた券は二枚あり、せっかくだから行ってみようかと彼は考えた。

くじ引きの当日、彼はなぜ一週間前に異常なほど繁盛していたのかを知った。そのくじ引きの2等賞が、ナーヴギアとSAOのセットだったのだ。人がまだたくさん並んでいるところを見ると、2等はまだ残っているらしく、彼は僅かな期待とともに列に並んだ。
結果だけ言うと、1枚目は7等賞のポケットティッシュで2枚目が2等のナーヴギアだった。3つある2等賞の最後の1つだったようで列の人数が一気に減り、それを見たスタッフの人が少しだけ寂しそうな顔をしながら次の人の接客をしていた。

11月6日、SAO正式サービス開始の1分前、彼はベットに寝転がり、カウントダウンを開始した。カウントがゼロになると同時に、彼はのちに「悪魔の呪文」と呼ばれる言葉を呟いた。

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