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ヘタリア大帝国

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78部分:TURN8 レーティア=アドルフその二


TURN8 レーティア=アドルフその二

 そのうえでだ。彼は落ち着いて言ったのだった。
「じゃあそろそろか」
「オーストリアにハンガリーにだ」
「妹達も来るな」
「そうなる。そしてだ」
「あの方と一緒に国民の前に出るんだな」
「軍人達に囲まれてな」
「中々いいものだよな」
 プロイセンはここでは笑顔になりドイツに述べた。
「ずっと。あの敗戦からな」
「こんな気持ちにはなれなかったな」
「だよな。絶望とかしかなくてな」
「碌に食うこともできなかった」
 ドイツは瞑目してだ。敗戦から今までのことを思い出した。
 そしてそのうえでだ。こう言ったのだった。
「国民は餓え、金は紙くずになり」
「碌でもない犯罪者ばかり出て来てな」
「ハールマンだな」
 ドイツは苦々しげにこの殺人鬼の名前を出した。
「あの食人鬼もいたな」
「他にも色々と出て来たよな」
「世相は混乱し国民の目は死んでいた」
「ワイマール政府もどうしようもなかったからな」
「しかしそれが一気に変わった」
 まだだ。世界恐慌の余波が残っていてもだ。
「そこが変わったな」
「そうだな。本当に一変したぜ」
「全てはあの方のお陰だ」
 ドイツは心から感謝を感じながらだ。プロイセンに話した。
「あの方が来られてからだ」
「だよな。ドクツは、俺達は立ち直るんだ」
 プロイセンのその顔にも希望があった。そしてだ。
 その希望と共にだ。彼はドイツにまた言った。
「じゃあこれからあの方についていってな」
「また雄飛するか」
「かつての。あの第二帝国の時みたいにな」
「いや、あの時以上にだ」
 ドクツとプロイセンが一つになっただ。第二帝国よりもだというのだ。
「羽ばたくか」
「俺達は立ち上がったんだ。それならな」
「また羽ばたく。これまで以上にだ」
「あの方が与えてくれた翼でな」
 プロイセンはその顔を上気させて右手を拳にしてだ。ドイツに威勢よく話していた。そして二人がいるその控え室にだ。ドクツの軍服を着ているドイツ妹にプロイセン妹が来た。
 二人はすぐにだ。兄達にこう言ってきた。
「兄さん、総統閣下は既に」
「着替えを終えられたよ」
 こう兄達に言ってきたのである。
「後はオーストリアさんの着替えが終われば」
「皆の前に出られるわよ」
「おいおい、オーストリアはまだ着替えてないのかよ」
 プロイセンは妹達の言葉に呆れた顔で返した。
「御前等はもう着替えたのにか」
「あの人はあんたとは違うの」
 また一人少女が来た。今度はハンガリーだ。やはりドクツの軍服を着ている。三人共ズボンである。そのズボンが中性的な妖しい魅力さえ醸し出している。
 そのハンガリーがだ。プロイセンにくってかかってきたのである。
「貴族なんだから」
「おい、貴族は着替えるのが遅いのかよ」
「そうよ。だからあんたとは違うの」
 そのだ。プロイセンとはだというのだ。
「がさつでお行儀の悪いあんたとはね」
「こいつ本当に口が悪いな」
 プロイセンは辟易した顔でだ。こう呟いた。
「ったくよ、これからはずっとこいつと一緒かよ」
「それはこっちの台詞よ」
 ハンガリーも負けじと言い返す。
「何であんたと一緒なのよ」
「あのな、俺だって御前とはな」
「一緒にいたくないっていうのね」
「そうだよ。まあこれもドクツの生存圏の為だな」
 まさにだ。その為にだった。
 プロイセンはこのことを考えてだ。矛を収めた。
 
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