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ヘタリア大帝国

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68部分:TURN7 捕虜の処遇と処罰その二


TURN7 捕虜の処遇と処罰その二

「それで前の戦いの敵の指揮官リンファ提督だが」
「あの方ですか」
「生きているらしいな」
「はい、乗艦は大破しましたが」
 それでもだとだ。日本は東郷に話す。
「ご自身は御無事でした」
「そうだな。それだとな」
「どうされますか、あの方は」
「少し話がしたい」
 こう日本に言うのだった。
「祖国さんもついて来てくれるか」
「私もですか」
「ああ。祖国さんもいると俺が誤解されなくて済む」
 秋山をちらりと見てだ。微笑みもする東郷だった。
「だからだ。お願いできるか」
「誤解ではないと思いますが」
 秋山も東郷にすぐに言い返す。
「長官の場合は」
「やれやれ。信用がないな」
「信用していないのではなく確信しているのです」
「確信だったのか」
「そうです。長官はこと女性についてはです」
 秋山は東郷を咎める目で見ている。そのうえでの言葉だった。
「あまりにも非常識ですから」
「俺は非常識だったのか」
「ですがら女性についてはです」
 秋山はさらに言う。
「そもそもこれまでの交際相手は何人ですか」
「一度限りの相手も含めてか」
「はい、何人おられましたか」
「千人はいるな」 
 実に素っ気無く答える東郷だった。
「だがその恋人達が色々と働きかけてだ」
「それによって軍事に関する建造費や開発費がですね」
「二割はましになっているのだが」
「それはあくまでその結果です。過程が問題です」
「軍人は結果が全てじゃなかったのか?」
「女性問題は軍事とはまた別です」
 秋山は尚も言う。
「女性問題は軍事とは関係がありますか?」
「ははは、これは手厳しいな」
「当然です。全く、祖国様からも何か言って下さい」
「えっ、私がですか?」
「そうです。祖国様は長官にどう思われますか」
「まあ。無理強いや不倫でなければ」
「既に長官は結婚しておられますが」
 秋山はこのことを指摘する。
「それでもですか」
「ですが奥方は亡くなられていますね」
「それはその通りですが」
「ではいいのでは」
「全く。祖国様は優し過ぎます」
 とはいってもだった。秋山は日本にはこれ以上言わなかった。だが東郷にはまた言うのだった。
「とにかくです。女性とはいえ捕虜ですから」
「条約に反する様なことはするな、というんだな」
「間違っても手を出されたりしない様にお願いします」
「ははは、祖国さんがいる傍でそういうことはしないさ」
「どうでしょうか。何はともあれです」
「ああ、ちょっと行って来る」
「中帝国の情報を聞き出して下さい」
 そんな話をしてだった。東郷は日本と共にリンファが入れられている捕虜用の部屋に向かった。そこはまさに来賓席の如き場所だった。
 
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