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ヘタリア大帝国

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64部分:TURN6 北京星域会戦その十


TURN6 北京星域会戦その十

「そういうことですね」
「そうです。その為我々は迅速に樋口提督の艦隊を叩かねばなりませんでした」
「しかしですね」
「彼の逃走がそれを迅速にさせてくれました」
「我々にとっては喜ばしい計算外のことですね」
「その通りです。では」
「はい、それでは」
 二人はモニター越しに頷き合いだ。そのうえでだった。
 彼等も戦いに入る。そしてだった。
 中帝国軍をさらに攻める。その攻撃でだ。
 一気に敵軍を突破した。それを見てだ。
「よし、次はだ」
「反転ですね」
「田中に伝えてくれ。もう樋口を追うのはいい」
 東郷は秋山に話す。
「反転してそしてだ」
「敵艦隊の後方を攻める」
「そうする。いいな」
「畏まりました」
 こう命じてだ。そのうえでだった。
 すぐに反転攻撃命令が出される。しかしだ。 
 その命令を受けた田中はだ。思いきり抗議したのだった。
「おいおい、裏切り者を放置かよ!」
「そうだ。それは後でいい」
 東郷が直接その田中にだ。モニターから話す。
「問題は戦局だ」
「あの助平よりもってんだな」
「そうだ。わかったな」
「ちっ、わかったぜ」
 嫌々ながらも頷く田中だった。
「俺だってそれ位はわかるさ」
「ならいい。それではだ」
「全軍取り舵!そのまま回るぞ!」
 反転とはいうが田中の指示はこれだった。彼の艦隊だけでなく日本帝国軍全体を見てだ。彼が先陣のまま敵の後方を衝く為にこの指示にしたのだ。
「いいな!」
「わかりやした!」
「そうしやす!」
「逃げた奴は今は追うな!」
 田中はこの指示も出した。
「敵の後ろを衝け!いいな!」
「了解!」
「それなら!」
 部下達も応えてだ。敬礼をしたうえでだ。
 すぐにだ。取り舵から方角を変えてだ。そのまま突破され混乱が続く中帝国軍を襲う。こうして日本帝国軍は再び中帝国軍を攻めるのだった。
 中帝国軍は突破されたうえで後方から攻撃を受けてだ。それによりだ。
 まさに総崩れとなった。それを見てだ。
 リンファはだ。苦い顔でこう部下達に言った。
「まさかと思ったけれど」
「敗北ですね。このままでは」
「我が軍は」
「敗北は決定的だわ」
 リンファもこのことは認めるしかなかった。
「だからここは」
「撤退ですか」
「止むを得ませんか」
「ええ、全軍撤退よ」
 苦々しい顔で言うリンファだった。
「それで万歳爺は」
「はい、既にランファ様が南京にお連れしました」
「そうされました」
「そう。ならいいわ」
 国家元首の身の安全が確保されたと聞いてだ。まずは安心したリンファだった。
 そしてそのうえでだ。今度はモニターを開きそのうえで中国に対して言った。
「まことに申し訳ありませんが」
「撤退あるな」
「全軍南京まで撤退しましょう」
「わかったある」
 中国はリンファの言葉にすぐに頷いた。
「ここまで敗れては仕方ないある」
「すいません、本当に」
「いや、リンファのせいではないある」
 中国はこう言って沈痛な顔になっているリンファを慰めた。
 
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