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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1892話

 結局タルタロスの17階を適当に見て回った結果、カラスとトーテムポールの他に、下の階層で出てきた囁くティアラの亜種か上位種といった奴と戦い、宝箱からは7000円と腕輪が1つ見つかった。
 この腕輪の入っていた宝箱は、以前にも見つけた事のあるレアな宝箱だった事を考えれば、恐らくこの腕輪も希少な品なのだろう。
 具体的にどのような効果を持つのかは、桐条グループの解析待ちになるが。
 ちなみにその腕輪を付けてから自分のステータスを確認したが、どの数値も特に変わった様子がなかったところを見ると、能力値がアップする物ではないのだろう。
 もっとも、俺のステータスに対応していないが、能力値が上がるというアクセサリの類がある以上、それも絶対ではないのだが。
 ともあれ、レアなアイテムであるのは多分間違いないので、今日の収穫はそれなりにあったと思ってもいいだろう。
 ……にしても、7000円か。
 高校生にとってはそれなりに大金だと思うんだが、本当にこれは誰がどうやって宝箱の中に入れてるんだろうな。
 そんな疑問を抱きつつも、タルタロスを出た俺達はそのまま俺の部屋に影のゲートで転移する。
 もしかしたら荒垣が抵抗するかも? と思わないでもなかったのだが、もう諦めたのか、そのまま大人しくついてきた。

「上がってくれ。狭いところだが、この中が一番安心だろ」

 基本的に外に出ているシャドウというのは、建物の中に入ってきたりはしない。
 勿論基本的にという条件である以上、例外はあるのだが。
 その最たる例が、満月に出てくるイレギュラーシャドウだろう。
 先月出たシャドウは桐条達の住んでいる寮に入ってきた――もっとも屋上だったらしい――し、今月のシャドウはモノレールを乗っ取るなどという真似をしている。
 そう考えれば、完全に安全だという訳にはいかないが、それでも外で話すよりはマシだろう。
 ましてや、冬程ではないにしろ夜はまだ冷える。
 影時間なので風が吹いたりといったことはしていないが、それでも空気が冷たいのは間違いないのだ。
 そんな訳で、結局俺のアパートで話をする事になった訳だ。
 ……まぁ、どこかの部屋って事なら、それこそゆかりの部屋だったり、荒垣の部屋だったりしてもいいんだが……ゆかりの部屋に男2人が押しかけるのは色々と不味そうだし、荒垣の部屋はどこにあるのか分からないし、荒垣も教える様子はない。

「取りあえず、話す前に少し身体でも暖めるか。これでも飲んでくれ」

 空間倉庫の中から温かい缶紅茶を取り出し、ゆかりと荒垣に渡す。
 勿論俺の分もあるので、プルタブを開けて口に運ぶ。
 少し……数分の間、部屋の中は沈黙に包まれる。
 普段であれば近くで騒いでいる声とかも聞こえてくるんだが、生憎と影時間の今はそんな事はない。
 うるさくないって事で考えれば、全く問題なく、寧ろありがたいくらいなんだが……今に限っては、微妙に場が持たないな。
 ともあれ、このまま沈黙していては何も始まらない。
 そう判断し、口を開く。

「さて、荒垣。お前が言っていた、ペルソナの暴走についてだが……何もなければ、そんな言葉は出ないよな? 俺はペルソナが暴走するようなものだとは思ってもいなかった。だが、お前はその前例を知っていたからこそ、暴走という言葉を口にしたんじゃないのか?」
「それは……」

 荒垣が俺の言葉に黙り込む。
 だが、俺はそんな荒垣の態度に構わず、言葉を続ける。

「ペルソナの暴走。それはお前にも経験があるからこそ、そう口にしたんじゃないか? そして、お前が戦闘をしない理由も……その辺に関係があると思ったんだが、どうだ?」
「それは……」

 荒垣が数秒前と全く同じ言葉を口にする。
 それでいながら、普段は強面の顔には現在は苦悩と呼ぶに相応しい表情が張り付いていた。
 この様子を見る限り、俺の予想は間違っていなかったらしい。

「話せよ。こう見えても、俺達はお前のパーティメンバーだろ? そのくらいは構わないんじゃないか?」
「……それを聞いてどうする?」

 ようやく口を開いたと思ったのだが、それで出てきたのは暴走についての情報ではなく、そんな言葉だった。

「どうするも何も、折角なんだ。ペルソナを暴走させないようにするさ」
「ふざけんな! 暴走させないようにとか、軽く言うんじゃねえよ。そんな事がそう簡単に出来るとでも?」
「どうだろうな。正直、その辺りは実際に話を聞いてみなければ分からないだろうな。ただ……何か出来るかもしれないのにそれをしないとは、どうかと思うんだけどな」
「興味本位じゃねえのか? まぁ、それならそれで構わねえがな」
「好奇心から言ってるってのは、間違いのない事実だ。けど、もしかしたら本当にもしかしたりするかもしれないだろ? それに、俺はこう見えて魔法使いだ。お前が知らない事も多く知ってるし、お前が見た事もないようなマジックアイテムも持っている」

 もし何らかの不具合ってのなら、それこそイクシールを使えばどうにかなる可能性は皆無って訳じゃないのだ。
 ……勿論、それで絶対に大丈夫という訳でもないんだが。
 そもそも、イクシールでシャドウが暴走する原因をどうにか出来るとは限った訳じゃない。
 だが、それ以外にも色々と解決出来る案を示すのは不可能じゃない。
 ただ、こういう時に自分のステータスはともかく、他人のステータスを見る事が出来なくなったってのは痛いよな。
 他人のステータスを見る事が出来るのなら、もしかしたら何らかの情報を知る事が出来たかもしれないに。
 まぁ、このペルソナ世界では、俺のステータスとは規格が違ってたりして、能力値がアップするアクセサリの類を装備しても、それを把握出来ない事も多い。
 だとすれば、荒垣が何か……そう、例えば何か特殊な呪いの類に掛かっていても、俺には把握する事が出来ない。
 まぁ……これまでのペルソナ使いを見ていて、色々と考えるところがあったのも間違いない。
 だとすれば、もしかしたら……と、そういう風に思う事もあるのだ。

「で、どうすればいいんだ?」
「そう言われてもな。……正直なところ、話だけを聞いてすぐに答えを出せる筈もないだろう? だが、今の状況を考えれば、荒垣のようなペルソナ使いを遊ばせておくのも勿体ない」
「いや、俺はペルソナを使って戦う気なんか……」

 ねえぞ、と。
 そう言おうとした荒垣の言葉を遮るように、俺は口を開く。

「幸い、まだ影時間の余裕はそれなりにある。どこかで荒垣のペルソナを直接見せて貰うか。そうすれば、もしかしたら荒垣のペルソナが暴走する理由が分かるかもしれないだろ」

 荒垣本人は、まだ自分のペルソナが暴走したとは一言も言ってはいない。
 だが、今の荒垣の様子を見れば、それは聞くまでもなく明らかだろう。
 暴走すれば、具体的にどのくらい危険なのかというのはちょっと気になるが……それでも、俺は自分がその暴走したペルソナでどうにかなるとは思っていない。
 これは自信過剰や慢心といった事ではなく、純粋に自分の実力を基準にして考えての事だ。
 ……まぁ、実は荒垣のペルソナが死神を楽に倒せるだけの能力を持っているというのであれば、色々と危険かもしれないが……恐らく、そんな事はないだろうし。

「……本気か?」

 寧ろ、正気か? と聞きたそうな様子で、俺に視線を向けてくる荒垣。
 俺の力を十分に知っているゆかりも、今は少しだけ心配そうにこっちに視線を向けていた。

「ああ、本気だ。そして、これは俺の純粋な予想からの言葉だが、お前のペルソナが幾ら強くてそれが暴走しても、俺を傷つけるような事は出来ない筈だ」

 実際、ダークブレインやらネオ・グランゾンやら、クィーンバジュラやらと戦って生き残ってきたのだから、それこそ学生の1人が宿すペルソナ程度にどうにかされるとは思っていない。
 ……まぁ、ダークブレインとかと戦った時は、ニーズヘッグに乗っての戦いだったので、生身での戦いとなれば……ネギま世界か。
 ネギとかラカンとか、フェイトとか……その他諸々は、普通に考えて荒垣のペルソナよりも絶対に強いと思う。

「……分かった。ただ、万が一を考えれば、見せるのはアルマーだけにしたい。岳羽はここに残るか、帰れ。それで構わねえか?」
「そんな、私だって……」
「それが駄目だっつーんなら、俺もペルソナを見せたりはしねえ。諦めろ」

 荒垣の言葉が不満なのか、ゆかりは見るからに不服そうだといった様子でこっちに視線を向けてくる。
 まぁ、ゆかりの気持ちも分からないではないが……残念ながら、俺が何かを言っても荒垣の態度は変わらないだろうし、何より俺が傷1つつかないからといって、ゆかりもそうだとは限らない。
 一応現在では最強のペルソナ使いという事になっているゆかりだが、結局のところ、それはまだ50歩100歩に近いのだから。

「ゆかり、頼む」
「……分かったわよ。けど、アクセルが怪我をしたら許さないからね」
「だが、俺のペルソナは……」
「いえ、今の言葉は荒垣さんに言ったんじゃなくて、アクセルに言ったんです。荒垣先輩は、いっそ思い切りペルソナを暴走させて、アクセルを攻撃して下さい」

 いや、怪我をするなと言ったり、ペルソナで俺を攻撃しろと言ったり……一体、どっちなんだよ。
 そんな疑問を抱くが、こうしてパーティとして活動しているのに、いざという時に自分だけ一緒に行動させて貰えないというのは、ゆかりにとってもあまり面白くはないのだろう。

「分かった。取りあえずこっちでは出来る限りの事をしよう」

 そう告げる荒垣だったが、果たして出来る限りの事ってのは何に対しての出来る限りの事なんだろうな?
 もしかして、本気で俺をペルソナで攻撃する……なんて事はないと思うんだが。……ないよな?
 まぁ、そうなったらそうなったで、こっちも相応の対処をすればいいか。

「じゃあ、そろそろ行くか。まずはゆかりを部屋に送っていく。影時間が終わったら携帯で連絡するから、もし連絡がなかったら桐条にこの件を知らせてくれ。ああ、その場合はついでに16階の封印の件もな」

 桐条グループとは色々とあった……いや、過去形じゃなくて現在進行形であると表現した方がいいのかもしれないゆかりだが、同じ桐条でも桐条美鶴の方とはそれなりに仲がいい。
 勿論、親友とかそういう感じではないのだが……それでも会えば気軽に話せる程度の関係にはなっている。
 この辺り、桐条と適度な距離を取っているからこそなのだろう。
 恐らくだが、もし真田のように同じ寮に住んでいれば、距離が近すぎて桐条との関係はここまで良好なものにはなっていなかっただろう。
 そう考えると、やっぱりゆかりをこっちに引っ張ってきたのは俺のファインプレイだろう。

「分かったわ。けど、出来るだけ怪我をしないようにしなさいよ?」
「さっきと言ってる事がまるっきり違ってるんだが?」
「うるさいわね。いいじゃない、それくらいは」

 不満そうな表情を浮かべているゆかりだったが、いつまでもここでこうしていられる訳にもいかないので、とにかく準備を整え――もっとも準備らしい準備はないので、心の準備だけだが――ると、俺の近くに集まって影に沈んでいく。
 そうして次に影から姿を現せば、既にそこはゆかりの部屋だった。

「……じゃ、気をつけてね」
「ああ。まぁ、心配するな。特に問題はないだろうしな」
「アルマーもこう言ってるし、まぁ、大丈夫だろ」
「この馬鹿を、よろしくお願いします」

 ペコリと頭を下げるゆかり。
 それだと、まるでゆかりが俺の母親みたいな感じじゃないか?
 いやまぁ、今の俺の外見は15歳で、実際17歳のゆかりにしてみれば年下のように見えているのかもしれないが。
 それでも、面白いか面白くないかで言えば、あまり面白くはない。

「ほら、荒垣。行くぞ」
「あ? ああ。……ま、心配するな」
「はい。……あ、これ召喚器です。ペルソナを使うならあった方がいいですよね」
「悪いな。借りておくよ」

 何気にゆかりと荒垣って結構仲がいいんだよな。
 勿論俺達のパーティは3人と少人数だから、パーティメンバーでそれなりに話をしたりはする。
 荒垣もゆかりも、何だかんだと面倒見がいい性格をしている事もあり、気が合うのだろう。
 ……何だか今の考えだと、俺が2人に迷惑を掛けているような感じになってしまったが。
 ともあれ、俺は荒垣を連れて影のゲートに身体を沈める。
 次に影から出てきた時、俺達の姿は公園にあった。
 どこにでもあるような、そんな公園。
 日中は子供が遊んでたりするんだろうが、今は棺桶の類もない。
 つまり、ここには誰もいないという事になる。

「……さて、じゃあ影時間もいつまで続いてるのか分からないんだ。早速だけど始めるか」

 その言葉に、荒垣は頷き……精神を集中しながら、叫ぶ。

「ペルソナ!」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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