ヘタリア大帝国
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38部分:TURN4 長官の娘その五
TURN4 長官の娘その五
「男の料理は正直かなり不安なんだぜ」
「お父さんのお料理凄く美味しいよ」
しかしここでだ。真希がこう韓国に言った。
「一度食べたら忘れられない位だよ」
「そうなんだぜ?」
「韓国殿ははじめてここに来られたからな」
今度は宇垣が韓国に話す。
「このことも知らないか」
「というか旦那戦いだけじゃなかったんだぜ」
「そうだ。この男は意外と器用なのだ」
それでだとだ。宇垣は話す。
「美味い。このことはわしも保障する」
「ううん、じゃあ頂くんだぜ」
「それではな。共に馳走になろう」
こうしてだった。二人は東郷の家の中に招かれた。その家の中は清潔で整理整頓も行き届いている。その家のリビングの中を見回してだ。
韓国は意外といった顔でだ。東郷に言った。
「家で誰か雇ってるんだぜ?」
「御手伝いロボットは置いてるがな」
「そのロボットが掃除してるんだぜ?」
「毎日な。俺も掃除はしてるがな」
「ううん、この辺りは軍人らしいんだぜ」
整理整頓をしていてしかも清潔にしているところはそうだというのだ。
「じゃあ洗濯もなんだぜ?」
「毎日しっかりとやらせてもらってるよ」
「それもなんだぜ」
「そうさ。それじゃあ魚のムニエルでいいな」
「辛く頼むんだぜ」
韓国はムニエルも辛口志向だった。
「それじゃあ御馳走になるんだぜ」
「あと肉じゃがも温めるか」
「御主の得意料理だな」
宇垣は肉じゃがと聞いて言った。
「それを食べさせてくれるのか」
「外相も肉じゃがお好きですね」
「あれは身体にいい」
宇垣は東郷にこう返す。
「それにだ」
「それに、ですね」
「美味い。特に御主の肉じゃがはだ」
こう東郷自身に言うのだった。
「是非共頂こう」
「はい、じゃあ今から作ります」
「宇垣さん、一緒に食べよう」
真希は子供らしい無邪気な笑顔で宇垣に言う。
「お父さんのお料理ね。一緒にね」
「そうだな。子供はいいものだ」
顔は厳しいままだがだ。宇垣の今の言葉は優しいものだった。
「この子供達の笑顔を守らなくてはな」
「外相子供好きだったんだぜ?」
「大好きだが」
「それも意外なんだぜ」
「ではわしが何を好きだったら意外ではなかったのだ」
「いや、そこまで考えてなかったんだぜ」
韓国は宇垣にこう返す。
「けれど外相が子供好きっていうのは本当に意外なんだぜ」
「ははは、実はそうなんだよ」
東郷はここでは韓国に笑って話した。
「宇垣さんはこれでも子供好きで幼稚園や孤児院に寄付もしてるんだよ」
「何っ、そこまでいい人だったんだぜ!?」
「そう、だから人望もあったりする」
「人望はもう知っていたんだぜ」
韓国もだ。それはだった。だがそれでもだ。
宇垣の子供好きは本当に意外でだ。こう言うばかりだったのだ。
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