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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百三十一話 梅酒その八

「そういう話はしてなかったね」
「若しあったら今時よ」
「遊んでないね」
 肝心のものがなくなるからだ。
「今もね」
「そうよね」
「というか凄いね」
 ベトナムの女の人はだ。
「そこまでするんだ、だから戦争になっても」
「強いのよ」
「男の人だけじゃなくて」
「お家のトイレから小さな女の子がバズーカ撃つとかね」
「そうしたこともあったんだ」
「二十世紀にはね」
 あのベトナムの長い戦争の時代だ。
「あったのよ」
「それも凄いわね」 
 ラブポーンさんは横で話を聞いて言った。
「おトイレからバズーカ撃ったの」
「十歳位でね」
「それで敵を攻撃したのね」
「戦車だったらしいわ」 
 その攻撃対象はだ。
「フランスかアメリカか中国か知らないけれど」
「その三国三タテでも凄いのね」
「もう戦争とかベトナムの危機には真っ先になのよ」
「女の人が立ち上がるの」
「凄い国ね」 
 ラブポーンさんが聞いてもだ。
「タイじゃ想像も出来ないわ」
「あら、そうなの」
「こっちはクーデター起こしてもね」
 その軍がだ。
「誰も死なないのが普通だから」
「ああ、そういえばタイではそうよね」
「そうだね」
 ダオさんだけでなく僕も頷いた、タイはやたらクーデターが起こる国だけれどそれで誰か死ぬどころか銃声が起こらないことすらざらだ。
「タイのクーデターってね」
「大抵無血なのよね」
「市民の人達がクーデター起こした兵隊さん達と仲良く写メとか」
「そういうのもあるし」
「だってクーデター起こしてもね」
 そのラブポーンさんの言葉だ、物騒な話をしている筈なのに梅酒をごくごくと気持ちよく飲んで柿の種を楽しく食べている。
「王室は絶対だし暫くしたら政権変わるね」
「民政に移管よね」
「それで終わりだから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「特になのね」
「そうよ、ただの政権交代の手段だから」
 それに過ぎないというのだ。
「もうね」
「別に物騒じゃないのね」
「そうなの」
 これがとだ、ラブポーンさんの口調はリラックスしたままだった。
「タイのクーデターはね」
「だから一発の銃声もなかったりして」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「あっさり民政に戻るから」
「何でもなく」
「そう、陛下はご健在だしね」
「王様ね」
「国王陛下は絶対の方だから」 
 ラブポーンさん自身お部屋のタイ国王の写真を飾っている、何でもタイ人なら敬愛して当然の方だというのだ。
「王室はクーデターでもね」
「揺るがないのね」
「そうよ、そして私達もね」
 タイ人もというのだ。
「王室をお護りするし」
「そうなのね」
「そう、けれどクーデターはね」
 本当にこれはだ。
「何でもないのよ」
「タイでは」
「そういうものだね」
「そうよ、まあ起こらないに越したことはないけれど」
 クーデターはクーデターだ、やはり物騒だというのだ。 
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