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ヘタリア大帝国

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27部分:TURN3 新生連合艦隊その五


TURN3 新生連合艦隊その五

 それでだ。戸惑いながらまだ言おうとする。しかしだった。
 当の東郷はだ。落ち着いた顔でこう言うのだった。
「よし、ではそれでいこう」
「長官、いいのですか?」
「今は艦艇も不足気味だからな」
 それでだ。いいというのだ。
「人員は八十億、つまりだ」
「韓国と台湾からも募兵するからですね」
「それは足りる」
 将兵についてはそうだった。八十億で十個艦隊、それではだった。
「一隻で精々千人かその辺りだ」
「はい、海軍は百万で陸軍も同程度です」
「軍人の数自体はそんなにいらない」
 この時代ではそうなっていた。惑星、星域間の戦闘の時代になってからはだ。
「だから正直将兵の数はな」
「さして問題ではないと長官は見ておられたのですか」
「ああ。軍人だけ多くても仕方がない」
 ひいてはこうも言う東郷だった。
「問題は艦艇だったからな」
「そしてその艦艇がですか」
「それでこと足りるならいいことだ」
「魚や動物でもですか」
「構わない。では艦艇の問題はこれで解決された」
 東郷は微笑み素っ気無く述べた。
「しかも何匹ずつもいるのなら。強力な艦隊が幾つもできるな」
「割り切っておられるといいますかその」
「使えるのなら何でも使うさ」
 東郷の言葉はここでも素っ気無い。
「何しろ俺達は生き残らないといけないからな」
「それ故にですね」
「そういうことだ。それじゃあな」
「わかりました。では水族館や動物園から出して来て」
「乗り込もう」
「艦艇化は私達に任せてくれ」
 柴神が人間達に話す。
「それで幾らでも艦艇にしたり元に戻したりできる」
「ではそうさせてもらいますので」
「そういうことでお願いします」
 秋山はまだ釈然としないがそれでもだ。柴神と日本の言葉に頷いた。しかしだった。東郷は艦艇が確保できてもだ。まだこんなことを言うのだった。
「しかし通常の艦艇の質の向上、技術革新はしておかないとな」
「そのことですね」
「そうだ。それはどうするかだな」
 東郷はこのこともだ。秋山に話した。
「一体どうするのか」
「それなら平賀博士に会われてはどうでしょうか」
 すぐにだ。東郷に日本が述べる。
「科学長官ですから」
「ああ、平賀博士か」
「はい。あの方が技術を担当しておられますから」
「わかった。では今度は科学技術庁に行こう」
 東郷はすぐに決断を下した。
「すぐにな」
「わかりました。では今度はですね」
「戦いは長くかも知れない。それに常に備えはしておくべきだ」
 東郷は中帝国との戦いだけを見てはいなかった。それから先も見ていた。
「技術革新は常にしておかないとな」
「はい、では私も同行させてもらいます」
 秋山も応えてだ。今度はだ。
 東郷は科学技術庁に赴いた。秋山に柴神、それに日本が同行する。そして科学技術庁に入ると。
 そこは科学に化学、機械に生物が複雑に混ざっていてそのうえで白衣の者達がせわしなく動き回っていた。まるで建物自体がだ。研究所だった。
 その中でだ。東郷は白衣の美女に尋ねた。
「ああ、一つ聞きたいんだがな」
「あっ、海軍長官ですか」
「そうだ。平賀長官は何処におられる?」
 このことをだ。東郷は美女に単刀直入に尋ねた。
「自分の部屋か」
「はい、そうです」
 その通りだとだ。白衣の美女は東郷に答えた。
 
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