ヘタリア大帝国
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22部分:TURN2 連合艦隊司令長官その十
TURN2 連合艦隊司令長官その十
「それを探すだけだ」
「そうですか。では一体何を」
「柴神様に聞いてみるか」
ここでだ。東郷はこの神の名前を出した。
「あの方にな」
「柴神様ですか」
「それか祖国さんだな」
日本の名前も出した。
「あの人にもな」
「あの、祖国様は人でしょうか」
「人格として出て来てるから人でもあるだろう?」
「ですが国ですが」
「その辺り何か微妙だな」
「そうですね。しかしです」
「国の方がいいか」
東郷もこのことには首を少し捻っていた。今一つわからないといった感じでだ。
「祖国さん達の場合は」
「呼び方としてはやはり」
「まあとにかくだ。祖国さんにもだ」
「お話を伺いますか」
「人間の知恵なんてたかが知れている」
東郷は達観した言葉で述べた。
「俺達よりずっと知っている神様や国がおられるのならな」
「その方々のお知恵を拝借しますか」
「そうしよう。それで柴神様は何処だ?」
「確か今は総理府におられますが」
「総理府にですか?」
「今回の御前会議には出張でおられませんでしたが今首相代理を務めておられますので」「それで総理府におられるのか」
日本帝国の役職は代用が効果的に使われている。それでなのだった。
「成程な。それじゃあな」
「これから総理府に行かれますか」
「そうしよう。それで祖国さんはだ」
「国家の方々は何時でも何処でも来られますので」
「特に心配することはないな」
会うことについてはだ。全くだった。
「わかった。それじゃあな」
「はい、それでは」
こう話をしてだった。そのうえでだ。
二人は総理府に向かうことにした。しかしその前にだ。秋山が東郷に言った。
「そうです、艦隊もです」
「そのこともあったな」
「艦艇の補充も大事ですが」
「提督もどうするかだな」
「そうです。今提督は閣下と祖国様だけです」
まさにだ。彼と祖国だけだった。
「国家の方々もおられますが」
「まあ韓国さんと台湾さんは基本陸軍だがな」
「それでも提督にはなって頂けます」
「しかし人間の提督がな」
「それが問題です」
「問題山積みだな。しかしな」
「それでもですね」
秋山はわかった。東郷が次に言うことは。
「このことについてもですね」
「解決案はある。悲観するよりもな」
「まずは解決案を見つけることですか」
「嘆くよりも動くことだ」
具体的にはだ。それだというのだ。これが東郷の考えだった。
「悲観しても何にもならないからな」
「ただ。長官はです」
「楽観的過ぎるか?」
「はい、もう少し事態を深刻に受け止めて頂きたいことが多々あります」
「ははは、そうするとどうなるかわかるか?」
「どうなるというのですか?」
「禿げるぞ」
笑いながらだ。東郷は秋山のその額、長髪に隠れているが実はかなり危険そうなその額を見てだ。そのうえで言ったのだった。
「御前は特に危ないな。親戚にそういう人はいないか?」
「禿げていません!」
そしてだ。ムキになって反論する秋山だった。
「私の額はです。そもそもです」
「生まれつきか?」
「そうです。遺伝です」
「わかった。それはだ」
「それはといいますと」
「大変だな」
何故かだ。こう言う東郷だった。そしてだ。
このことについてだ。秋山は首を傾げさせて東郷に問い返した。
「何故大変なのですか?」
「だから今遺伝だと言ったな」
「はい、ですから御聞きしているのですが」
「遺伝で禿げるとなると。育毛剤も中々効かないぞ」
「ですから違います!」
「遺伝と言ったじゃないか今」
「生まれた頃からこの額です!」
そうだというのだ。秋山はかなりムキになって主張する。
「全く。何を言うのかと思えば」
「ははは、怒るとさらに悪いぞ」
「誰が怒らせているのですか。とにかくです」
話にラチが明かないと見てだ。秋山は話を強引に変えてきた。その話は。
「艦隊と提督のことですが」
「ああ、それだな」
「そのことについてまず考えていきましょう」
「そうだな。それじゃあな」
こうしてだった。ようやく海軍の話になるのだった。そして東郷はかつてない艦隊を築き上げることになるのだった。誰もが想像しなかった様な。
TURN2 完
2012・2・10
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