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おぢばにおかえり

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第四十二話 妹達の誤解その十二

「何といっても」
「先輩もそう思われますね」
「そうだよね、それで僕としてはね」
 私を見たままでした、何かずっと見られています。そのうえで私に言ってきました。
「先輩もそう思いません?」
「何を?」
「ですから可愛くないと駄目ですよね」
「それで何で私の方見るのよ」
「本当にアイドルか声優さんになるつもりは」
「何度も言ってるけれど私は教会継がないといけないの」
 このことをこの子に言うのは何度目でしょうか、その場所で言うことになるとは思っていませんでしたけれど。
「だからそういうことは出来ないから」
「それは残念ですね」
「というかいつもそう言ってるけれど」
「駄目ですか?」
「言っても仕方ないじゃない」
 私の場合将来のことは決まっているからです、ですからアイドルや声優さんと言われてもどうしようもないです。
「それは」
「じゃあ一人だけのアイドルとか」
「一人だけ?」
「それでどうですか?」
「あっ、そういうことね」
「成程ね」
 ここで妹達が阿波野君の言葉に笑ってお顔を見合わせました。
「いいんじゃない?それも」
「もう将来のこと決まったっていうかね」
「将来って何よ。とにかく私はアイドルとか声優さんには興味がないから」
 それ自体がありません。
「そういう風にもなれないわよ」
「だから一人だけのね」
「アイドルか声優さんになったら?」
「言ってる意味がわからないわよ」
 何か阿波野君だけでなく妹達の言葉もわからなくなってきました。 
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