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ヘタリア大帝国

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145部分:TURN14 マジノ線攻略その七


TURN14 マジノ線攻略その七

「ドクツ軍はここで止まるからな」
「俺もそう思うさ」
 イギリスもだ。このことは確信していた。
「確かにドクツ軍は破竹の進撃を続けてるけれどな」
「ここで終わりだぜ」
「そうなるからな。後な」
「ああ、アルデンヌだな」
「あそこには兵は置いてないんだな」
「置く必要ないからな」
 軽く笑ってだ。フランスはイギリスにこう答えた。
「あそこからは敵は来ないからな」
「だな。あそこは無理だな」
「あの暗礁宙域は越えられるものじゃねえ」
 マジノ線での勝利と共にだ。フランスはこのことも確信していた。
 それでだ。こう言ったのである。
「だからここに軍を集結させてるんだよ」
「だな。じゃあな」
「ああ、ドクツの奴等を待とうぜ」
「そうするか」
 こうした話をしてだ。彼等はドクツ軍を待ち受けていた。彼等は勝利を確信していた。
 しかしそのアルデンヌではだ。マンシュタインがだ。
 艦隊を率いて暗礁宙域を突破しながらだ。こう言ったのである。
「どうだ、艦隊の動きは」
「はい、狭い道ですから」
「進むのに苦労しております」
 そうなっているとだ。部下達が答える。
「しかしそれでもです」
「中々進めません」
「そうか。しかしだ」
 だがそれでもだとだ。マンシュタインは言うのだった。
「進めてはいるな」
「まさかとは思いましたが」
「実際にこう進めるとは」
「夢にも思えませんでした」
「まことに」
「そうだな。誰もがそう思う」
 マンシュタインは腕を組みその謹厳な顔で述べた。
「しかしだ。そう思っていてもだ」
「実際にはですか」
「不可能とは限らないのですな」
「そうだ。まずは調べてみることだ」
 マンシュタインは言った。
「そしてそのうえでだ」
「実行できるならですか」
「それを実行に移す」
「そうするべきなのですな」
「その通りだ。そしてそれが今なのだ」
 アルデンヌを軍で進む、それだというのだ。
「このアルデンヌを抜けてマジノ線の後ろに回る」
「そして、ですな」
「そのうえでマジノ線を攻める」
「そうされるのですな」
「そうだ。これが第一段階だ」
 アルデンヌの突破、それがだというのだ。
「そしてそのうえでだ」
「そのうえでとは」
「今度は一体」
「何をされるのですか」
「その時になればわかる」
 今ではないというのだ。それは。
 だがそれでもだ。マンシュタインは強い声で言い切った。
「しかし我等は勝つ」
「あのマジノ線を突破できる」
「そうなるのですか」
「間違いなく」
「そうだ。安心するのだ」
 ドクツ軍の将兵達はまだ自分達がマジノ線を突破出来るかどうかだ。確信している者は少なかった。だがそれでもだとだ。マンシュタインは言ったのである。
「我等は勝てる」
「オフランスにですね」
「あの憎むべき」
「我等にはあの方がおられる」
 そのだ。『あの方』とは。
 
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