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ヘタリア大帝国

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133部分:TURN13 オフランスへその六


TURN13 オフランスへその六

 その後部座席においてだ。こうグレシアに言ったのである。
「今度はか」
「そうよ。やっぱり日本の服でね」
「グレシアはそんなに日本が好きなのか?」
「アイドルの衣装ではピカ一よ」
 楽しげに笑ってだ。グレシアはレーティアに返す。
「もうね。最高よ」
「それでか。今度は」
「そう、黒い学校の制服よ」
「アイドルグループの衣装か」
「四十八人いたかしら」
 グレシアは右手の人差し指を己の唇に当てて述べた。
「いえ、他にもグループがあってね」
「随分大所帯のグループだな」
「そうね。けれどね」
「その衣装はか」
「歌もいいのよ」
 どちらもだ。いいというのだ。
「それで。今回ね」
「参考にしたのか」
「アンスコもね」
 アイドルならばだ。スカートの下も大事だった。当然レーティアもそれを着用してステージやイメージPVの撮影に挑んでいる。アイドル故に。
「そうしたわ」
「あの黒いか」
「ブルマみたいなのね」
「あまり半ズボンに見えないな」
「そうでしょ。本当にブルマでしょ」
「日本にはまだブルマがあるのか?」
 かなりシンケンにだ。レーティアはグレシアに問うた。
「あんな前時代の羞恥な服が」
「もうないみたいよ」
「そうか。流石にそうなのだな」
「まあそれでも。そのグループのアンスコはね」
「ああした感じなのか」
「ブルマに見えるけれどブルマじゃないのよ」
 そこが違うというだ。
「ここ、大事だから」
「全く。日本はおかしな国だ」
「そうね。文化的にね」
「あんな変わった国もないだろう」
 やや首を捻ってだ。レーティアは日本についてこうも言った。
「欧州とアジアでは色々違うにしてもだ」
「そうね。けれどね」
「けれどか」
「あの国のことはレーティアがどう思っているかだけれど」
「あの国は間違いなくガメリカと戦争に入る」
 そうなるとだ。レーティアは冷徹な感じで言い切った。
「そしてだ」
「それで、よね」
「もって一年か二年だ」
 レーティアはこうも言った。
「それだけもてばいい方だ」
「それが日本の国力の限界ね」
「ガメリカには勝てない」
 また言うのだった。
「だが。それでもだ」
「その一年か二年もってもらう為に?」
「テコ入れが必要か」
 こうも言うのだった。
「少しでももってもらう為にな」
「そうね。それはね」
「考えておこう」
 そのテコ入れ案もだというのだ。
「ただそれはだ」
「オフランスとの戦いの後ね」
「オフランスとの戦いこそがだ」
 どうかとだ。レーティアは意を決した顔で述べた。
「我が国にとっての第一の正念場だからな」
「全力を挙げて向かわないとね」
「あの国とエイリスだけは許せない」
 個人的な感情もだ。レーティアは口にした。
「だからこそだ」
「ええ。そして私達にはね」
「切り札がある」
 それもだとだ。言うレーティアだった。
 
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