八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十九話 夫婦善哉その七
「食べ終わるね」
「うん、そうネ」
「三人共あるな」
ジューンさんと水蓮さんも答えてくれた。
「じゃあ食べ終わったラ」
「後は、あるな」
「神戸に帰ろうね」
八条荘までだ。
「そしてね」
「ゆっくり休むのネ」
「そうするあるな」
「そうしようね、いやあかなり食べたね」
思い返すとだ、本当に。
「これまでね」
「全部炭水化物でネ」
「それでだったあるな」
「うん、そういえば大阪の名物ってね」
そうした食べものはだ、善哉まで食べて思い返すと。
「炭水化物系多いね」
「というか他にもあるよネ」
「ちゃんとあるな」
「うん、あるよ」
流石にない筈がない、大阪も伊達に食い倒れの街とは言われていない。
「牡蠣も蟹も河豚もね」
「海の幸も有名ネ」
「そうあるな」
「あと鱧もね」
この魚もだ。
「有名だよ」
「ああ、あの細長くてきつい顔ノ」
「あのお魚もあるな」
「京都でも食べるけれどね」
昔は明石から京都まで死なせずに運べる魚が鱧だけだったかららしい、それで京都では鱧が食べられる様になったとのことだ。
「大阪でもだからね」
「それで河豚もなノ」
「あのお魚もあるか」
「そう、づぼら屋ね」
道頓堀にあるあのお店だ。
「おそこね、それで蟹はね」
「蟹道楽」
「あのお店あるな」
「そうだよ、あそこだよ」
まさにあのお店だ。
「看板知ってるよね」
「やけにでかくて動ク」
「一回見たら忘れられないある」
「あそこでもかなり有名だから」
もう相当にだ、あの道頓堀で食い倒れの人形とづぼら屋の河豚とエイリアンと一緒に場所の象徴にさえなっている。
「歌もあるしね」
「ああ、CMでも流れてル」
「あれあるな」
「あれからもね」
大阪ではだ。
「蟹は名物なんだってわかるね」
「うん、よくネ」
「はっきりわかるあるよ」
「それで蟹食べたくなるネ」
「本当にそうあるな」
「うん、ただね」
それでもとだ、ここで僕は二人に少し苦笑いになって話した。
「夏にお鍋はあまりないね」
「蟹鍋ネ」
「日本のあのお鍋あるな」
「それも美味しいと思うけれど」
それでもだ、冬みたいにはだ。
「よくは食べないね」
「どうしてもネ」
「日本ではそうあるな」
「蟹鍋美味しいけれどね」
ただし殻が面倒だ、そのせいで蟹鍋を食べるとなると皆どうしても静かになってしまう。これは蟹料理ならどれでもだ。
「冬のものだね」
「けれど夏のお鍋もよくなイ?」
「そう思うある」
二人はここで僕にこう言ってきた。
「善哉も美味しいあるし」
「そちらもネ」
「うん、美味しいことは美味しいよ」
すき焼きもそうだしだ、こちらのお鍋もだ。
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