転生とらぶる
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ペルソナ3
1873話
はがくれでの間食を終えると、俺達はその場で解散となる。
いつもであれば、皆で一緒に遊んだりもするのだが、今日は巌戸台分寮に向かう用事がある以上、そうやって時間を潰す訳にもいかない。
そうして、俺は有里や友近と別れてから家に帰り、着替えを済ませてから再び学校に戻る。
ちなみにはがくれで荒垣にメールを送ったが、やっぱりパスとの事だった。
そんな訳で、午後5時すぎ……俺の姿は再び月光館学園にあった。
どこで待ち合わせをするのか迷ったが、結局一番分かりやすい校門前での待ち合わせとなる。
授業が終わった直後であれば、下校する生徒が大量にいるので校門前で待ち合わせといった事になればそれなりに目立つのだが……今の時間になれば、部活に入っていない者が学校に残っているということはない。
部活に入っている生徒も、この時間であればまだ部活中だろう。
そのような訳で、俺は特に誰かに見咎められたりもせず、校門前で待ち合わせ相手を待っていた。
「ごめん、ちょっと遅くなっちゃった?」
そう言いながらやって来たのは、当然のようにゆかりだ。
髪が少し濡れているのは、部活を途中で抜けた後でシャワーを浴びてきたからだろう。
その辺りは予想の範囲内だったし、時間もそこまでオーバーしている訳ではないので、首を横に振る。
「いや、気にするな。……今来たところだ、とか言えばいいのか?」
「あのねぇ、何でそんな台詞が出てくるのよ」
呆れた様子でゆかりが俺の方に視線を向けてくる。
頬が薄らと赤いのは、シャワーから出たばかりだからか、それとも俺にからかわれたからか。
ともあれ、帰る準備を済ませたゆかりと共に、俺はビルの裏に行く。
「一旦寮に戻るって事でいいのか?」
「ええ、何があるか分からないし、準備は万端にしておきたいわ」
それなら別に、俺がわざわざ待ってる必要もなかったんじゃないか? と思わないでもないが、今からゆかりが自力で寮まで帰って、身支度をし、その後巌戸台分寮まで向かうのは、時間的に厳しい。
そう考えれば、やっぱり俺が影のゲートで送っていくという選択肢は間違っていないのだろう。
そんな訳で、学校から少し離れた場所にある建物の裏で影のゲートを使って女子寮の近くに転移する。
直接ゆかりの部屋に転移してもよかったのだが、そうすると色々と不味そうだ。
女子寮だけに、人の出入りは管理人がきちんとチェックしてるだろうし。
ましてや、今は夕方……丁度大勢が帰ってくる時間だけに、よりチェックは厳しくなっているだろう。
「じゃあ、すぐに準備してくるから待っててね」
「ああ。俺は近くでちょっとうろついてるから、準備が出来たら携帯で呼んでくれ」
そう短く言葉を交わし、俺はその場から離れる。
……普通に考えて、女子寮の周りをうろつく男ってのは、色々な意味で怪しいと思うんだが、俺の場合は影のゲートがあるので、女子寮からかなり距離を取っていても問題はない。
そんな訳で、俺は建物の陰から影のゲートを使って、少し離れた場所にあるスーパーに向かう。
何か適当に食べる物を探していると、ふと数日前に見たTVを思い出す。
それは、このペルソナ世界ではここ最近冷凍食品の技術が飛躍的に上がっており、どの冷凍食品も非常に美味くなっているらしい。
そんな訳で、適当にチャーハンやハンバーグ、お好み焼き、たこ焼き、ピザ……といった代物を買っていく。
袋に売り上げNo.1とか書いてると、やっぱり気になるよな。
勿論そんな売り文句を付けておきながら、実際には不味かったら許せないが。
ああ、そう言えば犬にやるドッグフードにも新しいのが出てたような……
少し高級なドッグフードを購入し、俺は店を出ると、タイミング良くゆかりから電話が掛かってくる。
レジ袋に入っている代物を空間倉庫の中に収納し、影のゲートを使って女子寮の近くへ。
「待たせたか?」
「いいえ、今来たところよ」
『あははは』
先程の焼き直しの会話――ただし役割は逆転――をして、お互いに笑みを浮かべる。
ゆかりは春らしい……と言えばいいのか? ピンクの服装をしている。
結構派手なように見えるが、それが不思議とゆかりに似合っている。
人としての華があるというのは、こういう感じなんだろう。
人によっては、ピンクをメインにした服装をしていればそれこそ下品と言われてもおかしくはないのだから。
「じゃあ、行きましょうか」
ゆかりの言葉に頷き、そのまま建物の陰に移動すると影のゲートを使って転移する。
そうして姿を現したのは、当然のように巌戸台分寮。
いつもは夜に来る事が多かったから、こうして夕方に来るのはちょっと珍しいな。
どこか明るい寮の姿に違和感があるような……
まぁ、それはここに住んでいる者にしてみれば、特に問題はないのだろう。
そんな違和感を受けつつ、今までに何度もしたように扉をノックする。
すると、リビングに誰かがいたのだろう。すぐにこちらに向かってくる気配がする。
「ああ、来たか。時間的にも丁度いい。入ってくれ」
扉を開けて姿を現したのは、真田だった。
丁度いいという言葉に少し疑問を抱くが、それは中に入れば解決するだろうと、そのままゆかりと共に寮の中に入る。
すると……
「おいおいおいおい、何でアクセルとゆかりッチまでいるんだよ!?」
そんな声が周囲に響く。
その声の持ち主が誰なのかというのは、見てすぐに分かった。
何故なら、その人物と俺は学校で毎日のように会っているのだから。
帽子と髭が特徴的なその男の名前は……
「順平? 何でお前がこの寮にいるんだ?」
「本当に順平なの? もしかして偽物とか」
「俺ッチが偽物の訳ねえだろ! ほら、しっかりと見てくれよ! なぁ!」
順平が、俺とゆかりの言葉に慌てたようにそう告げる。
その言葉で順平が本物……誰かの変装とかそういうのでない事はすぐに分かったが、それでも何故順平がここにいるのかは分からない。
いや、分からないって事はないな。ここに……この寮にいるって事は、それは順平がペルソナ使いとして覚醒……そこまでいかなくても、最低でも影時間に適応している事を意味している。
……なるほど。そう言えば今日の学校で順平はやたらとテンションが高かったが、それが原因なのか。
また、一緒にはがくれに行かなかった理由も、シャドウに関係している事であれば納得出来ないでもない。
「その言葉遣いから考えて、順平で間違いないな。……で、順平がこの寮にいるって事は……」
紅茶を飲んでいる桐条に視線を向ける。
その視線に、桐条は紅茶の入ったカップを置き、頷く。
「そうだ。……昨日タルタロスから早く戻ってきただろう? それで明彦が少し物足りと言って街を見回りしていたのだが……その時、シャドウに襲われている伊織を助けたのだ」
「……どこかで聞いた覚えのシチュエーションだな」
ゆかりの方を見ながらそう告げると、ゆかりは小さく肩をすくめる。
「影時間に適性を持ち、影時間の中でシャドウに襲われるというのは、そう珍しい話ではないのだろう。シャドウは影時間に適性のある者を狙っている節があるしな。勿論影時間に適性を持っている人物というのは、それ程多い訳ではない。そうである以上、あくまでもそのような傾向がある、としか言えないがな」
そう告げる桐条の言葉に、納得するものがある。
ゆかりも、実際に自分が襲われた経験があるだけに、その言葉に異論はないのだろう。
「って、もしかして……桐条先輩。アクセルやゆかりッチ達も、お仲間って事ですか?」
「そうだ。もっとも、アルマーと岳羽、そしてここにはいないがもう一人の三人は、私達と協力関係を結んではいるが、結局のところ別の勢力だ」
「……別の勢力?」
本当か? といった様子で俺に視線を向けてくる順平に、俺は頷きを返す。
「そうだ。そもそも、俺達は最初桐条達の事を全く知らない状況でタルタロスに挑んでいたからな」
「タルタルソース? なんだそれ?」
タルタロスについてはまだ説明を受けていなかったのか、順平は不思議そうな表情をこちらに向けてくる。
視線を向けると、桐条は分かったと小さく頷いてから口を開く。
「タルタロス。それは影時間のみに姿を現す塔だ。影時間について、何らかの重要な秘密があると思われる。……あの妙なレポートの件もあったしな」
レポート? ああ、16階にあったレポートか。
あのレポートについても色々と調べていたみたいだったが、何か色々と分かったのだろうが。
まぁ、その辺りの事情については後で聞かせて貰うとしよう。
「へぇ、そんな場所があったんですか。……で、アクセルとゆかりッチ、それにもう1人はそれに挑んでいるんだよな? 桐条先輩達と同じ目的なら、協力した方がいいんじゃねえの?」
帽子の位置が気になるのか、調整しながら尋ねてくるが……それに否を唱えたのは、俺ではなく桐条だった。
「残念だが、アルマー達と私達とでは実力差が大きいのだ」
「え? でも……桐条先輩達の方は、何年も前から影時間に活動してるんですよね?」
「それは間違っていないのだが、私達はどうしても人数が足りないという判断で、タルタロスにはあまり挑まず、街中でのパトロールを重視していたのだ。……伊織、君のような人物を見つける為にな」
その言葉で順平は真田に助けられた事でも思い出したのか、小さく息を呑む。
……まぁ、普通ならいきなり影時間を体験すれば、混乱するのも当然だよな。
ついさっきまで身近にいた人達が、いきなり棺桶になるんだから。
とてもではないが、何か特別な体験をしてきた訳でもない一般人が、そんな体験をして冷静でいられるとは思わない。
ましてや、言っちゃ悪いが順平は元々混乱しやすいような性格をしているし。
「な、なるほど」
「言っておくが、現時点で最強のペルソナ使いは岳羽だぞ」
真田の言葉に、再び順平の視線がこちらに向けられる。
「あれ? アクセルじゃないんすか?」
「ああ、これも言ってなかったか」
桐条が視線で俺に許可を求めてくるので、頷きを返す。
元々ペルソナ使いとして影時間に関わるのであれば、俺がどれだけ特殊な存在なのかというのを知るのも、そう遠い話ではない。
であれば、ここでしっかりとその辺りの情報を教えておいた方が、後々戸惑う事もないだろうし。
「アルマーはその、色々と特殊でな。私達が使うペルソナとは、また違う別の力を使う」
「え? アクセルって、ペルソナ使いじゃないんですか?」
そう言った順平の目には、自分では気が付かなかったのだろうが、微かな優越感とでも呼ぶべきものがあった。
勿論順平に俺を下に見るというつもりはないのだろうが……いわゆる、英雄願望とか承認欲求とかが強いタイプなんだろうな。
今まで結構行動を共にしてきたけど、あまりそういう光景は見なかったんだが……
人は見かけによらないってのは、まさにその通りだな。
「そうだ。アルマーはペルソナ使いではない。だが……同時に、この中で最強の存在でもある」
「……最強?」
「そうなるな」
確認の意味を込めて視線を向けてくる順平に、頷きを返す。
まぁ、今の俺の容姿は15歳のものだ。
とてもではないが、最強と言われても理解出来るようなものではないだろう。
一度実際に戦っている姿を見れば、話は別だろうが。
「アクセルが……」
信じられないといった様子でこっちを見てくる順平に、ふと興が乗って空間倉庫の中から俺の武器のゲイ・ボルグを取り出して見せる。
「なぁっ! そ、その槍はどこから出したんだよ!」
「空間倉庫という、俺の能力だ。桐条も言っていたように、俺はペルソナは使えないけど、それ以外に色々と特殊な能力が使えるからな。これもその中の1つだ」
「へぇ……本当に強そうなんだな」
言葉だけではあまり信じ切れていない様子の順平だったが、ゲイ・ボルグを目にすればそんな事も言えなくなる。
実際問題、ゲイ・ボルグは宝具だけあって、誰であろうとも一目でそれが圧倒的な力を持つというのを理解出来る。
順平も、口では何でもないように強がっているが、ゲイ・ボルグの姿を目にした瞬間から、微かにだが身体が震えているのが分かった。
戦闘に対して素人であっても、やっぱりゲイ・ボルグはその辺の槍と大きく違うってのは分かるんだな。
勿論、本当に戦闘を理解している者ほどではないのだろうが……
「そ、その槍が凄いのは分かったけどよ。もしかしてアクセルが強いのって、その槍の性能なんじゃないのか?」
それでも、まさか順平の口からそんな言葉が出るとは、思わなかった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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