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ヘタリア大帝国

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107部分:TURN11 エイリス女王その一


TURN11 エイリス女王その一

                TURN11  エイリス女王
「女王陛下万歳!」
「女王陛下万歳!」
 世界で最強と言われるエイリス帝国の霧の都ロンドン。その赤い煉瓦の町でだ。
 臣民達が歓呼の声で見事なブロンドの髪に青緑の宝石の様な瞳を持つ楚々とした美少女を迎えていた。
 緑と白の丈の長いドレスを着ており薔薇の香りを漂わせている。
 顔立ちは気品がありバランスよく整っている。その後ろにだ。
 青く長い髪をした優しい顔立ちの青年、薄茶色の髪の眼鏡の青年、そして見事な白い髭を持つ端整な初老の男、その三人の緑の軍服、騎士を思わせるエイリス軍の丈の長い軍服の彼等がいる。それぞれだ。
 ジョン=ロレンス、ヴィクトリー=ネルソン、クルード=モンゴメリーという。エイリスの誇る騎士提督達だ。女王セーラ=ブリテンの懐刀と言ってもいい。
 その彼等を後ろに控えるこの少女こそがだった。その女王セーラ=ブリテンである。
 セーラは国民達にその麗しい姿を見せて手を振って応えていた。そのうえでだ。
 後ろにいる彼等に。こう問うたのだった。
「話は聞きました」
「はい、ポッポーランドは敗れました」
 ロレンスがだ。セーラに答える。
「そしてそのうえで、です」
「東欧全域がですね」
「ドクツの手に落ちました」
「ポッポーランドがこうも簡単に敗れるとは思いませんでした」
 今度はモンゴメリーが言う。
「そしてです」
「はい、ギリシアもですね」
「ギリシアは戦わずして降伏しました」
 そうなったとだ。モンゴメリーはセーラに説明した。
「僅かの間に東欧は全てドクツが併合してしまいました」
「そのドクツに対してです」 
 セーラはその曇った顔で話した。
「我が国はオフランス王国と共に宣戦を布告します」
「わかりました」
 ネルソンがそのセーラの言葉に応えた。
「では軍もまた」
「お願いします。それでなのですが」
 セーラは三人の方を見た。そのうえでだ。
 最初はだ。モンゴメリーにこう言ったのだった。
「モンゴメリー、貴方はです」
「はい」
「北アフリカに向かって下さい」
「イタリンへの備えですね」
「はい、我が国はドクツの同盟国でもあるイタリンにも宣戦を布告します」
 だからだというのだ。
「ではいいですね」
「わかりました。では艦隊を率い」
「お願いします」
「女王陛下の為に」
 エイリスの敬礼でだ。モンゴメリーはセーラに応えた。
「私達は失態を犯してしまいました」
 そのセーラがだ。曇った顔でこう言った。
「先の敗戦でドクツに自治を許したことはです」
「そのことがですね」
「はい、失態でした」
 まさにそうだとだ。セーラは曇った顔でネルソンに話した。
「せめてもの情けだと思ったのですが」
「しかし今度はですね」
「彼等の暴虐を許してはなりません」
 セーラはその手に剣を持った。実際にはそうではないが心でそうしていたのだ。
 そしてだ。また言うセーラだった。
「北欧とオフランスに軍を派遣しましょう」
「その北欧ですが」
 ロレンスが北欧について話してきた。
「近頃王室が騒がしいそうです」
「ノルウェーのですね」
「はい、あの家がです」
「王女だったでしょうか」
 セーラは少し考える顔になって述べた。
「アルビルダ姫でしたね」
「あまり品のいい言葉ではありませんが」
 こう前置きしてからだ。ロレンスはセーラに話した。
「お転婆だとか」
「マリーの様にでしょうか」
「いえ、マリー様よりもです」
「遥かに酷いのですか」
「その様です」
 そうだとだ。ロレンスはそのアルビルダについてセーラに話した。
 
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