転生とらぶる
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ペルソナ3
1865話
はがくれで、桐条と共に楽しい一時をすごしてから、数時間と経たない内に再び桐条から電話が入る。
何だ? もしかして、はがくれに関して何か思うところでもあったのか?
そんな風に思いながら、電話に出ると……
『アルマー! 有里が目を覚ましたぞ!』
電話に出た瞬間、そんな声が聞こえてきた。
それは間違いなく桐条の声で、決して冗談といった様子ではない。
まぁ、そろそろ目覚める兆候があるって話だったのを思えば、そこまでおかしくはないんだろうが。
ただ……有里が目覚めたとなると、毎日のように見舞いに行っているファン達が暴走しないかどうか、ちょっと心配だな。
それこそ、有里が目覚めたという事で、妙な祭りでも起こしそうな気がする。
そこまでするのか? と思わない事もないのだが……絶対にないとは言い切れないのが、有里のファン達なのだ。
「そうか。それは良かったな。……それで、有里はこれから桐条のパーティと行動を共にするのか?」
『それは……どうだろうな。有里もペルソナを召喚出来るようになったとはいえ。実際にペルソナを召喚したのは、まだ1度だけだ。あの時は偶然という可能性も捨てきれない以上、その辺はまだ詳しくは分からん。勿論1度ペルソナを召喚した以上、私達と行動を共にして欲しいのだが』
そう言う桐条の言葉には、少し悩んでいるように思えた。
元々はペルソナ使いとして覚醒し、自分達と一緒に行動する事を期待して有里を呼び出したのだ。
当然、桐条達にとって有里はかなりの戦力になると期待しているのだろうが。
「そうか、それで俺はどうすればいい? もう有里に会いに行ってもいいのか? それとも、まずはそっちで色々と話をするのか?」
『一応意識が戻ったとはいえ、今日1日は様子を見るつもりだ。明日寮に戻ってきてから、ペルソナやシャドウ、影時間といった件について話そうと思っている』
「そうか。なら、今日会いに行くのは止めておいた方がよさそうだな」
『すまない』
「気にするな。有里が目を覚ましたのを知らせてくれただけでも、こっちは助かってるしな」
有里の一件については、それこそ本来なら俺達に知らせるようなことをしなくてもよかったのだ。
だがそれを言ってきたのは、有里が俺の友人であると、そう理解しているからこそだろう。
ラーメン屋の中でも、有里が心配だといった風に話したので、それを覚えていてのこの電話なのは間違いない。
俺達と桐条達は、現状協力関係ではあっても、別に同じパーティという訳ではないのだから。
それこそ、有里は向こうにとっての切り札たり得るのだ。
「それで、お前達はこれからどうするんだ?」
『取りあえず有里はまだ疲れているだろうから、今日は病院で休んで貰って、明日寮に戻す予定だ』
「今日が金曜だから、有里が学校に来るのは月曜か?」
『特に何も問題がないようなら、そうなる予定だ』
ふむ、そうなると明日と明後日に有里の見舞いに行った奴は無駄足になるな。
まぁ、退院したら退院したで、入院しているよりは喜ぶと思うけど。
月光館学園、完全週休2日制じゃないんだよな。
だから、土曜も普通に授業がある。
明日にでも学校に出てくれば、喜ぶ奴も大勢いるんだろうが……まぁ、そこまで俺が気にする必要もないか。
「分かった。それで、俺達の事は?」
『……難しいところだな。出来るだけ詳しい話を教えてやりたいが……アルマー達の情報をどこまで教えてもいいものやら』
まぁ、ここで下手に俺達の情報を口にすれば、俺達との関係が悪くなる可能性もある。
であれば、桐条がその辺りを警戒するのも当然だろう。
「そうだな。じゃあ、俺が直接説明するか。それは構わないか?」
『いや、それは寧ろ助かるが……構わないのか?』
「ああ。どのみち影時間に活動していれば、嫌でも会う事になるんだ。なら、下手に俺達の事を隠しておいて、タルタロスで戦っている時に遭遇するなんて真似は出来るだけ避けたい」
下手にシャドウと戦っている時に遭遇すれば、どんな事故が起きるか分からないし。
もっとも、俺達がいる階まで桐条達が実力で来るまでどのくらい掛かるかは、不明だが。
一応桐条達も俺達と一緒に14階までターミナルで移動した事もあって、行こうと思えば俺達が主に活動している15階までやってくる事も不可能ではない。
だが、当然タルタロスというのは上に行けば行く程に強力なシャドウが出てくる訳で……実力不足の状況でいきなり15階を攻略しても、それは意味がないどころか、無駄死にするだけだ。
桐条や……特に強さに対して強い拘りを持っている真田は当然それを理解している為、自力でタルタロスを進んで力を付けている最中な訳だ。
そんな訳で、有里がペルソナ使いとして覚醒しても、戦闘中に俺達と遭遇することがあるかと言われれば……まぁ、16階の封印が解かれなければ、可能性はあるといったところか。
そんな訳で、俺達と有里が顔を合わせておくというのも大事だとは思うが……
もしこれで有里が俺達と一緒に行動したいと言い出したら、どうすればいいんだろうな?
考えるまでもなく、有里にとって俺やゆかりはクラスメイトで、数日程度ではあっても一緒に行動していた。……見舞いの品も持っていったしな。
それに比べると、桐条と真田は……ああ、でも真田は一応有里を学校まで案内したとか言ってたな。
ともあれ、最初の日だけだったらしいが。
そんな訳で、有里にとって俺達と桐条達のどちらが親しいのかと言われれば、問答無用でそれは俺達なのだ。
であれば、有里が俺達と一緒に行動をしたいと言っても、特に驚く事はないと思う。
……まぁ、こっちはゆかりを育てるので精一杯だし、有里には桐条達と一緒に活動して貰うとしよう。
『分かった。では、明日の午後……いや、どうせなら夕食を寮で取らないか? 理事長が有里の退院祝いに寿司を取ると言っていた。良ければ、アルマー達の分も頼むが?』
「……そうだな、じゃあ頼む」
寿司を食べられるのは嬉しいが、それが理事長、幾月の奢りだというのは、正直あまり面白くはない。
だが、寿司に何か罪がある訳ではないだろうし、文句を引っ込める。
『ふふっ、今日のラーメンも美味かったが、寿司もそう捨てた物ではないぞ?』
「あー……まぁ、そうだな」
この口調から考えると、桐条はトロ肉しょうゆラーメンを余程気に入ったらしい。
もしくはチャーハンと餃子もか?
ただ、餃子はニラとかニンニクとかがしっかりと入った、本格的な焼き餃子だ。
女にとっては、口臭とかが気になると思うが……桐条は特に気にした様子もなく、2個食べた。
『ふふっ、また今度一緒に行ってくれるか?』
「まぁ、俺は構わないけど、別の店もいいんじゃないか? そうだな、桐条があまり食い慣れていないのだと……ファーストフードとかどうだ?」
『……』
そんな俺の言葉に返ってきたのは、沈黙だった。
やっぱり桐条グループのお嬢様に、ファーストフード……ハンバーガーとかは不味かったか?
桐条なら、ハンバーガーはハンバーガーでも、それこそ高級ハンバーガー……1つ千円オーバーや二千円オーバーのハンバーガーとかを食った事があっても、不思議ではない。
そんな桐条に勧めるには、普通のファーストフード店のハンバーガーはちょっと問題があったのかもしれない。
だが、ファーストフード店という括りは一緒であっても、店によって色々と特色はある。
中には千円……とまではいかないが、1つ500円オーバーのハンバーガーとかを売っているファーストフード店も普通に存在している。
そういうファーストフード店なら、美食になれた桐条の舌もある程度満足させられるのではないか……そう思っていただが、不味かったか?
『エクセレント!』
「は?」
そんな俺の疑問の中で出てきたのは、まさかのエクセレント。
はがくれでも聞いたが、これは素晴らしいとか、そういう意味なのだろう。
『ラーメンは今日のはがくれ以前にも食べた事があったが、ハンバーガーの類は直接食べた事がないのだ。なので、一度食べてみたいと思っていたのだが……本当に私を連れて行ってくれるのか?』
「あー……まぁ、そっちが良ければな。俺の方はいつでも構わないぞ。ちなみに他にはお好み焼きとか、たこ焼きとか、そういうのもあるけどどうする?」
『エクセレント!』
はい、2エクセレントいただきました。
そう言いたくなる程に清々しい言い分。
いやまぁ、こっちとしては桐条と一緒に食べに行けば、美味そうに食ってくれるので、それが嬉しいから誘ったんだが……予想外に食いつきが良かったな。
「なら、今度都合がつく時間を教えてくれ。ハンバーガーでも、お好み焼きでも、たこ焼きでも、なんでも一緒に食いに行くから。……ああ、けどもんじゃ焼きは俺も作ったり食ったりした事がないから、お勧めの店は知らないぞ」
いっそお好み焼きは俺の部屋で作って食うのもいいか……ああ、でもそうなるとホットプレートとか、ひっくり返すコテとか、そういうのを揃える必要があるな。
桐条のお好み焼きを食う為だけにそこまで用意するのは、面倒な気がする。
ただ、あればあったで色々と便利なんだよな。
焼肉とか、ホットケーキとか。
まぁ、取りあえず次に食いに行くのはハンバーガーで決まりのようなので、今はホットプレートについて考える必要はないだろう。
『アルマーから聞く料理は、知ってはいるが食べたことのない料理が多いな。……時間に余裕が出来たら、なるべく早く連絡しよう』
「ああ、そうしてくれ。さっきも言ったけど、俺の方は大抵開いてるから問題ない」
実際、部活に入ってる訳でもなければバイトをしている訳でもない。
そんな俺は、当然のように放課後に何も用事はなかった。
敢えて用事となると……順平や友近と一緒に遊びに行くくらいか?
もっとも、それだって別にいつもって訳じゃないんだが。
『ふふっ、楽しみにしているよ。……では、この辺で失礼しよう』
その言葉に俺も軽く挨拶をし、電話を切る。
そうして次に電話を掛けたのは、ゆかり。
『はい、もしもし? どうしたの、アクセル?』
「ああ、ゆかりか。さっき桐条から連絡があって、有里が目を覚ましたそうだ」
『え? 本当?』
そう尋ねてくるゆかりは、桐条の名前に若干息を詰まらせたが、最初程に強い拒否感は出ていない。
まぁ、それも直に何度か桐条と接した事が影響しているのだろうが。
勿論これが、桐条個人ではなく桐条グループとなれば話も色々と違ってくる。
その事を安堵すべきか、残念に思うか。
ともあれ、有里が目を覚ましたという話を聞いたゆかりの声は、幾らか明るい。
ゆかり本人は特に有里と親しい訳ではない。
だが、ゆかりと俺は親しい間柄で、有里はそんな俺の友人という立場である以上、ゆかりと有里もそれなりに会話をしたりはする。
……まぁ、有里は基本的に怠惰というか、面倒臭がりな奴なので、そこまで話が弾むといった事はないのだが。
それでも入院して意識不明だったクラスメイトの目が覚めたというのは、ゆかりにとって嬉しい出来事だったのだろう。
「ああ。ただ、学校に出てくるのは来週の月曜から……って事になるらしい」
『ふーん。……そっか。じゃあ、また来週からクラスの方が色々と騒がしくなりそうね』
「それは否定しない」
転入してきて早々に入院した有里は、その性格からもあって薄幸の王子様的な存在と見ている者も少なくない。
まさか、影時間にシャドウと戦った影響で意識不明になって入院してました……なんて真実を説明する訳にはいかない以上、これからの有里のキャラは薄幸の王子様で通す事になりそうだ。
まぁ、実際にそれを有里が許容するかどうかというのは、また話が別なのだが。
『有里君、何であそこまで人気が出たのかしら? 勿論中性的な顔立ちだし、人気が出るのは分かってたんだけど、こんなに人気が出るとは思わなかったわ』
「そうだな。……やっぱり転入してきて早々入院したというのが大きいんじゃないか?」
『そうなのかしらね? とにかく、また来週から色々と事態が動きそうね。……16階の件もそこに関係してくると思う?』
「確証はないけどな」
有里がこの世界の原作の主人公であるのなら、ペルソナ使いとして覚醒した以上、原作が始まっていると考えてもいい。
であれば、やはりこの入院が終わってからこそが本番……
そう考えるのは、決して俺の気のせいという訳ではないだろう。
……この世界の原作がどんな感じなのか分かっていれば、ここまでやきもきする必要もなかったんだろうけどな。
そう思いながら、俺はゆかりとの会話を続けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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