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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1863話

 タルタロスで死神と戦った日から数日、4月17日の放課後、俺は順平や友近と共にとある教室の整理をさせられていた。

「おい、友近。お前のせいでこんな面倒な事になったんだからな。今日のはがくれは、お前の奢りだからな」
「うげっ、マジかよ。今月ちょっと厳しいんだけどな。……ラーメンの追加トッピングなしでいいよな?」
「えー。俺はチャーシュー麺を希望する!」

 友近の言葉に、順平が即座に反対の声を上げる。
 その激しい動きに、いつも被っている順平の帽子が落ちそうになるが、本人はそれを気にしている様子はない。
 ……まぁ、それも当然だろう。こうして教室の整理をする事になったのは、友近が教師の前で隠し持っていたエロ本を床に落とすという真似をした為なのだから。
 幸いなのはそこまでエグいエロ本ではなかった事だったが……それとも、エロ本はエロ本だ。
 当然それを見つけた教師がそのままという訳もいかず、エロ本は没収された上、友近と一緒にいた俺達までもがこうして罰を受ける事になったのだ。
 何もしてない――少なくても今回の件に関しては――順平にしてみれば、今回の一件は完全に巻き込まれたのだから、こうして抗議の声を上げるのは当然だろう。
 そして友近もそれが分かっているからこそ、チャーシュー麺という普通のラーメンよりも割高なメニューを受け入れざるを得なかった。

「ま、整理も終わったし、そろそろ行こうぜ。……ああ、ちなみに俺はラーメンでいいけど、チャーシューと煮卵トッピングで」
「うげ! それだと結局チャーシュー麺と殆ど変わらねえじゃん」

 そして当然のように、友近は俺の言葉を拒否は出来ない。
 うん、学校帰りにラーメン屋でラーメンを食うってのは、高校生活らしいよな。
 そんな風に考えながら、教室の整理を終えて教室に向かったのだが……

「アルマー! 良かった、まだ学校に残っていたのか」

 不意に背後から聞こえてきた、聞き覚えのある声に振り向く。
 すると予想通り、そこには桐条の姿があった。

「き、桐条先輩!?」

 桐条の姿を見て、真っ先に言葉を発したのは、当然のように俺……ではなく、友近だった。
 まぁ、分からないではない。
 友近の年上好きというのは、いわば大人っぽさを求めての性癖だ。
 そうである以上、桐条の外見は同学年の者達と比べても圧倒的に大人っぽい。
 その辺は年齢云々だけではなく、精神的な面も大きく影響しているのだろう。
 そんな訳で、桐条は友近にとってかなり好みの女な訳だ。

「君は、アルマーの友人か。悪いがアルマーに少し用事があってな。借りていってもいいか?」
「え? あ……はい……」

 だが、友近が興味があるからといって、桐条が友近に興味があるとは限らない。
 実際、今もあっさりと斬り捨てられたのだから。
 ここで友人思いであれば、友近を桐条に紹介したり、橋渡ししたりといった事をするんだろうが……友近と桐条では、どう考えても無理がある。
 そもそも、今の桐条にとって第一なのは影時間をどうにかする事であり、恋愛に興味を持ったりといった事はまずしないだろう。
 それに友近も、別に桐条個人を好きだという訳ではなく、あくまでも好みに合致してるといったところだろうし。
 ……まぁ、友近が好みだと言っていた叶と桐条のどちらが脈があるかと言えば……いや、やっぱり叶の方がまだ脈があるか?
 ともあれ、友近が本気で桐条を好きならともかく、そうでなければここで下手に橋渡しとかはしない方がいいのは間違いない。

「俺に用事か? 何かあったか?」
「……ああ。だが、ここで話すのはちょっと問題がある。どこか他に人のいない場所に来てくれないか?」

 桐条本人は何か意図した訳ではなく、純粋に俺と話す内容を無関係の相手に聞かれたくなかったという事なのだろう。
 だが、お嬢様だけあってか、桐条は意外と男の純情を理解出来ていないと言うべきか、小さい頃から影時間の抹消について専念してきたせいか恋愛に関しての知識は全くないと言うべきか。
 勿論桐条グループの1人娘として、財産目当てに自分に言い寄ってくる相手の見分け方とか、そういうのは分かっているのだろうが……まぁ、その辺りは俺が心配する必要もないか。
 真田と一緒に暮らしているのだから、多少なりともそっち方面の知識を持っていてもいいと思うんだが。
 ああ、でも真田だしな。
 性欲とかも恐らく運動とかで完全に解消してるんだろう。

「あー……うん。分かった。まぁ、この後ちょっと用事があったんだけど、どうしてもって程じゃなかったしな。……運が良かったな、友近。順平も、またな」

 そう言い、俺は順平と友近をその場に残して桐条に近づいていく。
 そんな俺を見送る順平はただ唖然と見送っているだけで、友近の方は……俺にラーメンを奢らなくてもよくなった事は嬉しそうにしながらも、俺が自分の好みの桐条と一緒に放課後をすごす事を羨ましそうな視線で見るという複雑そうな表情を浮かべていた。

「すまないな、君達。では、アルマーは借りていくぞ。……さぁ、行こうか」

 そう言い、桐条はそのまま去っていく。
 黙っていても俺がついてくると、そう理解しているのだろう。
 事実、桐条が何を思ってこんな風にわざわざ俺を迎えに来たのかは、俺も気になるところだ。
 何かあったら、それこそメールででも連絡をすればいいのから。
 それが出来ないという事は、そうするに足る何らかの理由があるという事になる訳で……有里が目覚めたか?
 ふと、思いついたのはそれだった。
 実際、有里がそろそろ目覚める傾向があるという話は、桐条から聞いている。
 であれば、それが今日になってもおかしいとは思わない。
 そんな風に考えながら、俺は無言で進む桐条の後を追い、やがて生徒会室からそれ程離れていない場所にある部屋に入る。
 俺達が今日片付けた部屋程ではないが、それなりに散らかっている部屋だ。
 桐条もそう思ったのか、部屋の中に入って微かに眉を顰めていた。
 そんな桐条の様子を眺めながら、口を開く。

「それで? メールとか電話じゃなく、直接こうして俺を呼んだって事は何か大きい事があったんだろ? 有里が目を覚ましたか?」
「いや、そちらではない。彼はまだ意識を失ったままだ」

 どうやら、俺の考えは違ったらしい。
 なら、何だ?

「アルマー、以前お前から解析して欲しいと言って預かった物の中に、鏡があったのを覚えているか?」
「鏡? 鏡……ああ、あったな。あの鏡がどうかしたのか?」

 そう言えばそんなマジックアイテムがあったなというのが、俺の正直な感想だ。
 何しろ、今まで桐条財閥に渡したマジックアイテムの数は相当な数になっている。
 それこそ、数えるのが馬鹿らしくなるくらいには。
 普通であれば、それだけのマジックアイテムを預ければ、そのまま向こうが所有権を主張してきたりしかねないのだが、幸いな事に桐条グループの面々は俺の能力を知っている。
 少なくても、影のゲートを使って、影のある場所であればどこにもでも出入り出来るというのを知っているのだ。
 そんな俺を敵にするような真似をすれば、それこそ命がどれだけあっても足りないというくらいは理解出来るだろう。

「その鏡だが……調査した結果、効果が判明した。正直なところ、かなり凄い性能だ。それこそ、シャドウとの戦いでは切り札になるかもしれないと思うくらいには」

 桐条の興奮した表情というのは、普通に考えてかなりレアなんじゃないだろうか。
 そんな風に思いつつ、桐条がこう言うのであれば確かにそれはかなりの性能を持つ物なのだろうというのは想像出来た。

「具体的には、どんな効果があるんだ? 勿体ぶらないで教えて欲しいな」
「そうだな、あまり引き延ばしてもどうかと思うし、率直に言おう。あの鏡は、敵が使ってきた魔法を跳ね返す能力がある。……ただ、分析結果から考えれば、1度。成功しても失敗しても、1度使えば壊れてしまう消耗品だ」
「……へぇ」

 桐条の言葉に、何故ここまで興奮していたのかを理解する。
 実際、もし桐条が言っている内容が事実であれば、それはこれからの戦いで大きな力になるのは間違いない。
 特に、死神が使ってくる魔法はどれも強力な魔法で、マハムドオンとかいう闇を使っただろう魔法攻撃はどんな効果を持つのかすら分からない。
 だが、あの鏡が魔法を反射出来るのであれば、それは大きな力となるのは間違いない。ただし……

「それで、その鏡は具体的にどれくらいの威力の魔法を反射出来ると考えてるんだ? もしかして一番弱い魔法しか反射出来ないとか、そういう事はないだろうな?」

 そう尋ねると、一瞬前の興奮した様子から桐条は申し訳なさそうな顔になる。

「残念だが、その辺りはまた分析しきれていない。実際に使ってみればその辺もはっきりとするのかもしれないが、残念ながらあの鏡は1枚しかない以上、そんな真似をする訳にもいかないだろう」
「あー……まぁ、そうだな」

 まだタルタロスから1枚しか見つかっていない以上、あの鏡はかなり希少な品だというのは、容易に想像出来る。
 であれば、それを実際に使って実験をするのが難しいというのは、俺にも想像は出来た。
 ……そうなると、分析だけであの鏡の能力をある程度とはいえ解析したのだから、桐条財閥の実力はやはりかなり高いと言うべきなのだろう。
 ともあれ、そうなると色々と難しいな。
 あの死神とまた遭遇する事に備えて、出来ればその鏡を大量に持っておきたい。
 幸いと言うべきか、俺には空間倉庫があるのでどれだけ持っても行動が鈍ったりといった事はない。

「その鏡の量産は……」

 最後まで言わせず、桐条は首を横に振る。

「残念ながらどのような素材で出来ているのか……そして何より、どのようにして魔法を反射するという効果をあの鏡に付与したのか、それが分からない。ああ、勿論素材の方は全てが完全に分からないという訳ではなく、大部分は判明しているが……未知の素材もまた、多い。それと、一応名前が必要だろうということで、あの鏡はマジックミラーという名前を付けたのだが……構わないか?」
「ああ、名称はよっぽど変な物じゃなければ、構わない」

 マジックミラーの名前が、オッチョンプリゲラノクミクスとか、そういうのになっていれば、俺も許可はしなかっただろうが。
 マジックミラーというのは、その能力を的確に表しているのもあって、分かりやすい名前だと思う。

「そうか、そう言って貰えると、こちらとしても助かる。……それで、マジックミラーだが、どうする? 出来ればもう少し研究したいと要望が出ているのだが……」

 桐条からの提案に、少し悩む。
 出来れば、マジックミラーはこっちで確保しておきたい。
 そもそも、タルタロスに挑戦している以上、いつ死神が出てきてもおかしくはない。
 そうなった時、魔法を反射する能力のあるマジックミラーは、致命的な一撃を与える要因になる可能性が高い。
 まぁ、最大の問題として、マジックミラーが具体的にどのくらいの魔法を反射出来るのか不明だというのがあるのだが。
 もし反射出来るのが一定以下の威力の魔法でしかないとなれば、死神との戦いでは使えない。
 ……なるほど。そうなると、やっぱりマジックミラーが具体的にどこまでの性能なのかをしっかり調べて貰った方がいいという事か。

「分かった。なら、マジックミラーはそっちに任せる。……ただ、言うまでもないが、管理は厳重にな。誰かに持ち逃げされたとか、そういう事になったら、ちょっと洒落にならないし」
「うむ、それは分かっている。研究所の方でも、アルマーが持ってきたマジックアイテムの類は厳重に管理しているので、心配はいらない」
「そうか。なら、任せる。……けど、そうだな。そっちに預けるんだから、出来ればマジックミラーを量産出来るようにして貰えれば、こっちとしては文句ないんだけどな」
「それは……ど、努力はしよう」

 そう告げた桐条だったが、やはり難しいのだろう。
 桐条にしては、珍しく頬を引き攣らせている。

「まぁ、そこまで気にするな。あくまでも、出来ればいいってだけだからな。それより、今回はマジックミラーの性能を明らかにしてくれて助かった。……まぁ、おかげではがくれにラーメンを食べに行けなくなったが」
「はがくれ? その店の名前は聞いた事があるな。……申し訳ない事をした」

 そう言い、頭を下げてくる桐条。
 いや、そこまでしてもらう必要がある訳じゃないんだが……
 そう思っていたが、ふと桐条がお嬢様なのを思い出す。
 もしかして、桐条はラーメン屋でラーメンを食った事がない……いや、それ以前にラーメンそのものすら食った事がないんじゃないか? と。
 ふむ、そうだな。なら……

「じゃあ一緒にラーメンを食いにいかないか?」

 そう、尋ねるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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