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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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ルイ君はトモ君を呼ぶ

「………」

目の前に広がるのは、楽しそうにキャッキャッと言いながら水着を選んでいる、女子共。
そして

「おかあさぁん。あの人ー」

「ほらっ。目合わせちゃいけませんっ!!」

自分の部屋に居たはずなのに、気がつけばショッピングモール三階エリアに立っているという不思議現象を体験した、最籐 終くん。
……普通驚くだろ! こんな不思議現象体験してしまったらっ! 驚き過ぎて叫んでしまうだろっ!
でもそれが原因で今、俺は他のお客から白い目で見られ、ひそひそと陰口を叩かれています…。クソがッ。

「あっくん、あっくーん!」

少し離れたところにいたアホ子が手を振り、満面の笑みでこっちに向かって来る。
なに、お前離れたところにいるんだよっ。数秒前まで隣にいたのに、瞬間移動かっ!

「何言ってるの、あっくん?」

「うっせっ!!」

ボケてアホにツッコミ入れられるのが一番腹が立つ。

「で、なんのようだ。アホ子?」

「うん! ハイッ」

と、目の前にアホ子の手のひらが差し出された。

「イタッ!?」

なにがしたいのか全く分からなかったが、ムカついたのでとりあえず叩き落としておいた。
叩き落とされた手を撫でながら、「もぉ~あっくんちがうよ~」とか言っているが知らん。
アホの考えなんか分かるか!っつか分かりたくもないわっ!!

「ハイタッチだよ! ハイタッチ!」

「あ? なんでお前とハイタッチなんてしないといけないんだよ」

「だって、今回から中編? シリーズ物? は交代制でやることになったからだよっ☆」

このアホは何を言っている。…すまんが、誰か通訳を頼む。
ウィ~と言いながら、アホがなんとかよしお、一発芸人風のキモイ動きし始めた。ウゼー。
殴って、さっさと俺の部屋エデンに帰りてぇー。

「ほらほら~、早くハイタッチしないと永遠にワタチのよしおダンスを見つづける事になるよ~」

ウィ~とキモイ動きをするアホ。

「そうだな。アホ子はウゼーし、家には帰りてーし」

「おっ♪ やっと、やる気になった?」

「おう。ちょっと……そこを動くなよ……」

「ん? あっくん、ハイタッチだから助走はいらないよ?」

目一杯、アホ子から離れて……そのまま…

「逃げる!!」

「あっくーーーん!!?」

「フハハッ。アホめっ! 逃げ切れば俺の勝ちだっ!!」

※それはどうかな~?

何ッ!? 何者かが脳内に直接語り掛けて来ただとっ!!?

「あ……あれ…空間が歪んでいるような…」

目の前がユラユラと歪み。足元がフワフワと浮いて動きづらい。
意識がもうろうとして、なんだか急に眠気が……

――バタンッ。


***
『ルイ君はトモ君を呼ぶ』千代紙(ちよがみ) ちよ子side


「よしゃあああぁぁぁ来たぞおおぉぉぉ!!!」

「「水着ショップッ☆」」

ふふんっ。今日もイラちゃんとワタチは絶好調だね! 息ピッタリだよ!

そういえばー、ワタチが主役やるのってりっちゃんが初とーじょうしたとき(十二話)以来なんだって♪

はっっ!! まさかヒロインの座、あっくんのお嫁さんの座を奪われる危機到来っ!!!

「………」

んなわけないかっ☆
みんな可愛いけどワタチには敵わないもんねっ♪ ワタチが世界一、いや宇宙一、可愛いからっ!!

「あー!! この水着可愛い!!」

白い生地にオレンジの水玉模様のビキニ♪ 布生地が少なくて肌の露出部分が多いから、健康男子のあっくんもきっと喜んでくれるよ!

「あっくーーーん」

「俺は……今まで何を……していたんだ……うっ、頭が痛い」

お店の入口のとこで、頭抱えて何してるんだろ??
ま、いいや! あっくんっていつも何かと葛藤してるもんね。ワタチへの熱い想いとか///

「この水着どう?」

「知るか」

くぅ~~/// 一言でバッサリ切られた///

「こうゆう品のある方がいいですよねっ!」

ワタチとあっくんの間に割り込んできたのは、同じく白いビキニ。フリルで胸の真ん中には白い大きなリボンが可愛い、清楚なお嬢様って感じの水着を持ったりっちゃん。
しかもカップデカッ!! ワタチが持ってる水着の何十倍のデカさだよっソレ!!?

「知るかよ」

「え……えぇ~」

あ。りっちゃんもあっさり、ばっさり、切られてる。
あのデカップでもあっくんを満足させてあげることが出来ないのかっ!!! 
くそうっ、どんな水着だったらあっくんを満足させて「それいいな///」って言わせて、照れ顔が見れるんだああぁぁぁ!!

「フッ。僕様の出番かな」

「ナルシー!?」

おおっナルシー参戦っ!? 頑張れナルシー、君ならできるよ!!

「僕様とお揃いの水着にしても良い権利を…「しねーよ。キモイ」

「頑張った。ナルシーは頑張ったよ!!」

「……うぅ」

傷ついて帰って来た戦士、ナルシーの背中を撫でてあげる。
あっくんめ! 本当に悪魔のような男だな! そんなところがまた好きなんだけどねっ///

「はぁぁぁぁぁぁあああ」

「深いため息? どったのあっくん、お腹でも痛いのー」

「違う、俺は行かねーぞ」

「トイレにー」

「海にだ、アホ!!」

「「「えぇぇぇええ!!?」」

「またまた~」

あっくんってば、普段から言い慣れてないから冗談言うのが下手だな~もう。

「さ、最藤君がいないのなら、わ、私は何の為にっ!!」

「この不良が風紀乱さないか見張ってろよ!」

「ふぁ~?」

「ってなに一人でたこ焼き食ってんだ、飯!」

「あ。メッシーそんなところにいたんだー♪」

お店を出てすぐにある休憩用の椅子に座って、たぶん一階にある食料品店で買ってきたっぽいたこ焼きをはふはふしながら食べてるメッシ-はっけーん♪
美味しそうだな~……あのたこ焼き。じゅるり。

「………あげませんよ」

「いらねーよ!!」

「えぇぇ!! くれないのっ!?」

「食べたかったのかよっ!!」

ガックシだよ…。

「そんな…たこ焼きが食べられないなんて……」

「そんな…最藤君がいない旅行なんて……」

※二人の乙女のテンションが一気に削られました。


「しゅうくん……本当に行かないの」

「ああ」

彗ちゃんがあっくんに話しかけてる。彗ちゃん。こうなったら君だけが頼りだよっ。
あっくんを落として! 崖からっ!!

「みんなしゅうくんと仲良くなりたくて…」

「いや……アンタはいいんだけどさ(ちょっと怖いけど)
 あいつらは変じゃん」

「「ええッ!!」」

「はふっ」

指さす方向にいるのは、りっちゃん、ナルシー、メッシーの三人。
メッシ-はたこ焼きに夢中でこっちの話なんて全然聞いてないみたいー♪

「うん、確かにずっごく変だね」

「「ウソッ!!?」」

「でも……そんなこと言ったらしゅうくんも十分変だよ?」

「なぁぁあああああ!!?」

うんうん。言ったれ、彗ちゃん。

「だって偏屈で頑固でお友達を作ろうとしないし…」

「変な連中ばかり寄って来るからだっ」

「類は友を呼ぶ、だよ……しゅうくん」

「アホ子が傍に居るせいだろう!!」

「ちよこちゃんが傍にいるのもしゅうくんが変なせいだよ?」

「(ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!)」

あっくんのライフゲージがヤバイ! 真っ赤だ。ワタチがフォローしてあげなきゃっ♪

「まあ、あっくんってちょっと変なところがあるよねー」

あれ? これってフォローになってるのかな?? まっいっか♪

「(こいつは……)だが、その理屈だとアンタも変ってことになるぞ!!」

「……自分は常識人だ。変じゃないって思っている人なんているの?」

「ヴッ!!」

「みんなのこと嫌いなの? わたしとも友達やめちゃうの?
 そしたらちよこちゃん以外友達0人になっちゃうよ」

「グザッァァァ」

「嫌われちゃったらもうわたしにはどうすることもできないよ。
 しゅうくんは一生ちよこちゃんと二人っきり、仲良く暮らすことに……「ま、待て」

おや……あっくんの様子が……。

「わ、分かった! 海……行かせてもらいます」

「「「「わぁ♪」」」」

あっくんが仲間になったっ♪

「翡翠君、さすがだね」

「やるじゃないですか翡翠さんっ! 見直しましたっ」

「彗ちゃんえらーい♪」

「えへへ」

彗ちゃんの頭をなでなで~♪ なでなでして初めて気づいたけど、彗ちゃんの髪の毛って触り心地がいいね!
抱きしめたくなる、愛されボディのしおちゃんとはまだ別の魅力はっけーん♪
シャンプーの香りもいい匂い~♪ どこのお店のか今度聞いてみよう~とっ。

「翡翠君が捨て身で切り開いてくれた旅行だ。最高のものにしようではないかっ!」

「だねっ! それじゃあ……」

「「「「みんなお揃いの水着で!!」」」」

「それは断る」

 
 

 
後書き
次回『天誅』主役はまさかのアノ人です! ……誰だ? 
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