八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十六話 神戸の残暑その六
「そうなるわね」
「結局はだね」
「ええ、ただティーセットはね」
「日本のものだね」
「イギリス風でもね」
「それで千歳さんと一緒に楽しむんだね」
「赤ワインでね、そうするわ」
僕に笑って話してくれた、そしてだった。
僕達は食事休憩の後は午後の部活をそれぞれ行った、そして汗をかいてからシャワーを浴びて爽やかに帰った、そのうえでだった。
後はもう自由に過ごすと思っていた、けれど夕食の後にだ。僕は部屋に帰ろうとしたところで千歳さんに声をかけられた。
「あの、いいですか?」
「いいって?」
「今からお時間ありますか?」
「うん、特に何もないけれど」
「じゃあちょっと飲みませんか?」
「お酒を?」
「はい」
僕ににこりとして言ってきた。
「そうしませんか?」
「飲むってビールかな」
「いえ、赤ワインです」
「赤ワインなんだ」
「ティーセットと一緒に」
「あの、ひょっとして」
ここまで聞いてだ、僕はふとと思って千歳さんに問い返した。
「美沙さんと三人で?」
「はい、実は夕方美沙さんとお話をしまして」
「ティーセットでワインを飲もうってだね」
「そうしたお話になりましちゃ」
「実はお昼に僕美沙さんと話したんだ」
このことをだ、僕は千歳さんに話した。
「美沙さんが千歳さんと二人でティーセットでね」
「紅茶じゃなくてワインを飲もうと」
「そうしたお話をしてたんだ」
「そうでしたか」
「それで実際になんだね」
「はい、今からとなりましたが」
「それで何で僕もかな」
「美沙さんが言ってきました」
その彼女からというのだ。
「義和さんも呼ぼうって」
「それで三人でなんだ」
「どうでしょうか」
ここまで話してだ、千歳さんは僕の目をじっと見詰めてそのうえで聞いてきた。
「これから」
「僕でよかったら」
実は赤ワインを飲みたくなっていた、美沙さんとお昼にお話をしてから。
「是非」
「それでは」
「ワインを飲んで」
そしてとだ、僕も言った。
「ティーセットだね」
「クッキーやシュークリーム、ケーキもです」
「そのセットなんだ」
「はい、エクレアもと考えましたが」
「ああ、エクレアも」
「今日食堂にはないとのことなので」
「シュークリームになったんだ」
実はシュークリームは好きだ、エクレアも嫌いじゃないのでそれがなかったのはいささか残念に思ったのは内緒だ。
「そちらに」
「ケーキと。あとチョコレート菓子もあります」
「ティーセット以外に」
「そちらもありますので」
「三段のセット以外にも」
「そうです、そちらもワインに合いますよね」
チョコレート菓子もだ、言われてみれば確かに。
「では」
「それじゃあだね」
「それもありますので」
「では」
「はい、三人で飲みましょう」
「それで何処で飲むのかな」
僕は千歳さんに場所のことも聞いた。
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