レーヴァティン
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第二十四話 都その二
「こちらの世界では違うな」
「そうした考えはどうも」
「そうだな」
「陰陽道、陰陽師はいるでござるが」
それでもとだ、正は英雄に話した。
「しかし」
「それでもだな」
「そうした考えはないでござる、ただ島の外は」
「まさに異界か」
「そうした考えはあるでござる」
都にはないがというのだ。
「どうも」
「むしろ船だな」
英雄はこの島とその外の違いについてこう述べた。
「この島は」
「一枚下は、でござるか」
正は英雄の言葉から白波五人男のこの言葉を思い出した、五人男の一人南郷力丸が呉服屋で言う音伊庭だ。
「まさに」
「そうではないのか」
「この島は浮島でござるからな」
「空に浮いているな」
「だからでござるか」
「そう思った」
この島は船だと、というのだ。
「そうな」
「東の島は、そして」
「西の島もな」
「船でござるか」
「その外は空、落ちれば死ぬ」
遠い空その下に落ちてというのだ。
「そうなるからな」
「そう言われればそうでござるな」
「この島は船だな」
「とてつもなく大きい」
正は英雄の言葉に頷き言った。
「そうでござるな」
「その下は空だ」
「落ちればそのまま死ぬ」
「そうなってしまうからな」
「成程、船でござるか」
「とてつもなく大きなな、船の中では生きられるが」
しかしというのだ。
「外はそうではないな」
「そして実はでござる」
「実は?」
「二つの島を行き来する鳥はあるでござる」
東西の二つの島をというのだ。
「そうした鳥は。しかし」
「他の場所から来る、行く鳥はか」
「いないでござる」
「そうなのか」
「つまり今この世界は二つの島だけでござる」
「浮島もないか」
「そうでござる」
そうなっているというのだ。
「間違いなく、でござる」
「そうなっているでござる」
「全ての世界が眠っているか」
「おそらくは海の中に」
「魔神によってそうされているでござる」
「成程な、では魔神を倒せばな」
「大陸も縞も浮島もでござる」
眠っている全ての地がというのだ。
「そうなっているでござる」
「そうか、ではな」
「魔を倒すでござるな」
「必ずな、全ての世界を目覚めさせる」
英雄は正に確かな言葉で答えた。
「その為にこの世界に来たのだからな」
「それならだな、ではな」
「これからでござるな」
「まずは十二人揃えてだ」
そしてというのだ。
「島を統一してだ」
「そうして魔神を倒す」
「そうする、その為にだ」
「都にでござるな」
「行こう」
「そして二人目三人目の仲間を加える」
「そうする、それで都だが」
英雄はこれから行くその場所のこともだ、正に問うた。
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