| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

俺のペットはアホガール

作者:猫丸
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

その十六「二学期初日の風景-参」

ミーンミーンと長い夏のお休みが終わってしまったことを悲しむように夏の蝉が鳴いています。

「そこ! 髪がボサボサですよ、寝ぐせは朝家で直して来なさい!」

「はいっ、すみませんっ生徒会長!!」

今日は久々の登校日です。休み明けという事でみんなお休み気分が抜けず、眠そうな顔をしている人ばかり、そんな人たちを注意し服装を正してあげるのが、自分たち生徒会の仕事なんです。

「分かればいいのです。さ、お手洗いに行って直して来なさい」


「はーい」


「返事は伸ばさない!」


「はひ!」

寝ぐせで髪の毛が遊んでいる男子生徒を叱っているのは、生徒会長の高浜(たかはま) 律子(りつこ)先輩。生真面目で風紀を乱す人は絶対に許さない、生徒会長の鏡…みたいな人と、でも言っておこうかな。
…会長はこの変な学校の2番目の被害者だと思う。1番はもちろん、しーさん。しーさんは自分が守ってあげなきゃ!

「そこの貴方!」

「?」

会長が突然、大きな声を出したです。どうしたんですかね、なにか問題でも? …と見てみると

「なんだ、あれ…」

ポーズを決めて、どや顔で立っている変な男子とその後ろに

「おいっ、風が足りないぞ。
 もっと扇げ! 優雅様の登場場面だ!」

ばっさばさ~。とうちわを扇ぐ男子生徒その1

「ほら、その輝く粉をもっと撒け! 光も当てろ、大事な登場効果だぞ!」

キラキラキラ~☆ と鏡を持っている男子生徒その2

「…ああ、転職したい。転職希望…」

めんどくさそうにキラキラの粉を撒く男子生徒その3

「なに…あの人達」

整った顔もさることながら、とにかく無駄に派手で色々で人目を引く男子生徒のご登場…です。
この学校は呪われてもいるのかな。個性が強すぎる変人たちに。
あの無駄に派手な人は全然校門前から、動いてくれません。「僕様をどうぞ見てくれ!」なんて言ってます。キモいです、変人、変態、には即刻お帰り願いましょう。

「…あの邪魔なんでさっさとそこ、どいてくれせんか?」

と言ってひと睨み。派手な人は「あ…はい」と言って一目散に校舎の方へと逃げて行きました。ああー良かった、絡まれなくて。
あんな変な人に絡まれたら、自分のライフがレッドゾーンになってしまうところでした。


「……ふふ。ふふふふ」

「……うわ」

自分の持ち場に戻って来ると、重たいストレートヘアに分厚い丸メガネ(アラレちゃんメガネ) よく言えば文学少女? の翡翠(ひすい)) (すい)先輩が滝のようによだれを流している。

「…あ。みきちゃん」

お話が始まって中盤くらいまで進んだのに、そういえばまだ自分、自己紹介してなかったですね。
えっと、初めまして……でいいのかな。朱雀(すざく) 美希(みき)と申します! 先生からは期待の救世主と呼ばれています。

うん。では、お話に戻りましょう。

「それよりもー聞いてくださいよ! さっき変な人が居てですね!」

と彗先輩に先程あったことを報告……したのだけど

「…ふふ。ふふふ」

あ。これ絶対、聞いてないパターンだ。

「翡翠さん、朱雀さん! サボってないでちゃんと仕事をしてください! 
 この時間帯にくる生徒はだいたい…問題児ばかりなんですから、厳しく取り締まらないと」

あ、やばっ。会長に見つかった! しかも彗先輩なんかまだ「ふふふ」って不気味な笑み浮かべたままだし、なんとか誤魔化さないとっ。
と、いうことで彗先輩は暑さにやられ体調不良を起こしていることにしました。可笑しいのは元からですが……まあ、会長を騙すことに成功したのでよしとしましょう、うん。

時刻は8時40分。遅刻確定組が来る時間ですね。会長も「奴が…来る」なんて何処かの悪役が言いそうなセリフを言ってます。
…まさか本当に「奴が来る」とは思ってなかったですけど…。

詳しくは十三話の【顔が怖い生徒と幸せ笑顔の生徒の場合 おまけ】をご覧ください。
……別に説明するのが、面倒になって省いた訳ではありませんよ? ……ありませんからね?


なんやかんやで、開かれることになった海苔巻きパーティー。
パーティーに誘うために彗先輩が休みに行った保健室に行くことされた、自分。…じゃんけんで負けました。
パーじゃなくて、チョキを出してたら勝てたのに!! 自分の馬鹿! 阿呆!
とゆうようなことを、心の中でやっていたら着きました、保健室。「彗先輩ー」と引き戸を開けると

「…………」

パンツ一丁の変態の死体がありました。

「キャーーーアアア!!」
「うぅ」
「って、まだ生きてます?」

変態だと思っていた死体はまだ生きていました。あれ? 違う? 死体だと思っていた変態はまだ生きてました、止めを刺そう! …あれ?

「だ、大丈夫ですか!?」

と変態に駆け寄ると

「あ…この人」

あの無駄に派手な変な人でした。…パンツ一丁でなにしがしたかったの、この変態さんは。

「…うう、頭が痛い。…誰かに殴られたような…」

頭を抱えてうんうん、唸ってる。

「………」

知らない変態だし。ここまま知らんぷりして、逃げ出したいなーと思いますが、パンツ一丁の変態を置き去りにするのは、自分の良心が痛みます。
仕方ないので、海苔巻きパーティーはキャンセルして、今日はこの変態さんの傍に居てあげることにしました。
ええ…はい、完全なる同情です。それ以外に、なんの意味、感情があると言うのですか?



―あ。彗先輩に海苔巻きパーティーのこと伝えるの忘れてた…。すみません、彗先輩。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧