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レーヴァティン

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第二十三話 堺の街その十三

「皇室の存在を忘れるな」
「常にでござるな」
「そう言われているしだ」
「実際にでござるな」
「その通りだと思っている」
 まさにというのだ。
「俺もな」
「よき教えでござるな」
 正は英雄の祖父のその教えを素晴らしいと評価した、そのうえでこうしたことを言ったのだった。
「拙者こうした輩を知っているでござる」
「輩か」
「そうでござる、皇室の存在に反対しているでござるが」
 しかしというのだ。
「ある共産主義国家の世襲はいいと言うでござる」
「そうした奴はいるな」
「実際にでござるな」
「馬鹿者だ」
 英雄は一言でだ、そうした輩を言葉で切り捨てた。
「共産主義は世襲を否定している」
「そうでござる」
「共和制がいいというのならいい、それも一つの考えだ」
「しかし共和国といいながらしかも共産主義でだ」
「世襲ならな」
「これ程矛盾するものはないでござるな」
「まさに矛盾の極みだ」 
 英湯はまた一言で切り捨てた。
「何故か皇室を否定する輩には多い」
「あの国の世襲はいいと」
「どちらが益でどちらが害か」
「そして正邪はどちらにあるか」
「言うまでもない」
 最早というのだ。
「全くな」
「その通りでござるな」
「そうした馬鹿者は最早救い様がない」
「英雄殿もそうお思いか」
「実際にそうした輩と会ってだ」
 英雄も出会ったというのだ、そうしたこの上ない愚物と。
「革新した」
「そうした輩はどうにもならないと」
「救い様がないがそもそも救う価値すらない」
 最早そうだというのだ。
「また言うことも同じだ」
「皇室反対、あの国の世襲はいいと言い」
「他のことも反対だ、しかし皇室は連中がどれだけ否定してもな」
 世襲制の共産主義国家を肯定しつつだ。
「皇室は間違いなく日本の中心におられてだ」
「おられてこそ日本ですな」
「神々になられれていても皇室がおられないならな」
「この島は日本ではない」
「非常に似ているがな」
 もっと言えば戦国時代の日本を思わせる感じだ。
「しかしだ」
「日本ではない」
「ならばそうした世界として観て考えてだ」
「やっていくでござるか」
「そうする、そしてまずはだ」
「都でござるな」
「そこに行くとしよう」
 こう言ってだった、英雄は正と共にまずは都に向かうのだった。道中のことも思いながら。


第二十三話   完


                    2017・6・24 
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