オズのジュリア=ジャム
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第十二幕その十一
「どうするの?」
「ええと、そう言われますと」
「もう少しお邪魔させてもらうつもりですけれど」
「特に考えていません」
「これといって」
「別にです」
五人は特に考えていなかったので実際にこう答えました。
「本当にです」
「これといって何もなんです」
「何をしようかっていいますと」
「バチカン本当にです」
考えていないというのです、その五人の言葉を聞いてでした。ジュリアはにこりと笑って五人にこう言いました。
「それじゃあ王宮の中を歩いてみましょう」
「王宮のですか」
「この中を」
「ええ、かかしさん達もまだおられるしね」
今はドロシー達と楽しくお喋りをしています。
「だからよかったらの人達もお誘いして」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「皆で王宮の中を歩いていきましょう」
こう提案するのでした。
「隅から隅までね」
「この王宮物凄く広いですからね」
神宝はジュリアの提案を聞いて言いました。
「地下もあって」
「そうだよね、塔もあってね」
ジョージも言います。
「お部屋も多くてね」
「よくいてもね」
それでもとです、カルロスも考えるお顔で言うのでした。
「隅から隅まで見て回ったことはないね」
「お庭もかなりの広さだし」
ナターシャはお庭のお話をしました。
「あそこも回るのならもうかなりね」
「こんな広い宮殿はお外の世界にはないんじゃないかしら」
恵梨香が思う限りはです。
「ベルサイユ宮殿とかより広いんじゃないかしら」
「その宮殿を回っていきましょう」
また言ったジュリアでした。
「隅から隅までね」
「わかりました」
「それじゃあこれからですね」
「この王宮を隅から隅までですえん」
「見て回るんですね」
「それも皆で」
「そうしましょう、私はここにずっとお勤めしているから知っているけれど」
まさに隅から隅まで、です。
「貴方達は違うわよね」
「はい、実は」
「おおよそ位しか知らないです」
「とにかく広いので」
「それで」
「だったら余計によ、よくここに来ているのだし」
このこともあってというのです。
「見て回りましょう」
「わかりました」
「じゃあ今からお願いします」
「かかしさんと木樵さんもお誘いして」
「ジャックさんも」
「そうしましょうね、これも冒険よ」
王宮の中を見回ることもというのです。
「では楽しんでいきましょう」
「そうしましょう」
こうお話してでした、そのうえで。
皆で今度は王宮の中を見回るのでした、隅から隅まで歩いて回るとそれこそもうたっぷり時間がかかるその中を楽しんで。
オズのジュリア=ジャム 完
2017・3・11
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