オズのジュリア=ジャム
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第十二幕その九
「凄く楽しかったです」
「皆といいサッカーの試合が出来て」
「それでなんだね」
「楽しかったんだね」
「皆でサッカーが出来ていい試合だったら」
それならというのです。
「これ以上いいことはないです」
「カルロスの最高の夢だね」
「そういうことだね」
「そうした状況が」
「はい、あんないい夢はなかったです」
実際にというのです。
「また見たいですね」
「うん、わかったよ」
「カルロスの夢のこともね」
「そのこともね」
三人は笑顔で夢のことをお話するカルロスに笑顔で応えました、そしてそのうえで今度は誰かといいますと。
恵梨香でした、恵梨香の夢はといいますと。
「皆でお花見をしていました」
「お花見?」
「それをしていたんだ」
「そうだったんだ」
「はい」
そうだったというのです。
「色々なお花が咲き誇る場所で」
「恵梨香はお花が好きだからだね」
「だからだね」
「お花を見ていたんだね」
「そうだったんだね」
「桜も梅も菊もありまして」
そしてというのです。
「菖蒲も菫も百合も薔薇も皐月もありまして」
「いいねえ」
「それはまた奇麗だね」
「色々なお花があって」
「色も色々で」
ただ色々なお花が咲き誇っていただけではなく、というのです。
「赤や紅、ピンクに白に青、紫、黄色にと」
「何か見ていて楽しそうだね」
「特にお花が好きな恵梨香にとってはね」
「最高の夢だったんだね」
「そうでした」
実際にというのです。
「最高の夢でした」
「それはよかったね」
「恵梨香も満足出来たんだね」
「その夢で」
「そうでした、本当によかったです」
こうかかし達にお話しました、にこりとして。
そして最後は神宝でしたが。
「レストランにいました」
「中華料理のかな」
「神宝のお国の中国の」
「それのかな」
「そうでした、とても広くて大きくて席も一杯あるお店で」
中華料理の、というのです。
「皆で色々な中華料理をどんどん食べていました」
「神宝らしくだね」
「食べることが大好きだから」
「それでだね」
「そうでした、どんどん食べてお茶を飲んで」
神宝はお茶も大好きです、そのお茶をというのです。
「とても素敵な時間でした」
「しかも皆で」
「皆と一緒に食べてだね」
「楽しかったんだね」
「そうでした、そのお料理もとても美味しくて」
どんどん出て来るそれもというのです。
「飽きずに食べられました」
「いいね、そうした夢も」
「明るく楽しくて」
「いい感じだったんだね」
「そうでした、本当に」
神宝もにこりとしてお話しました、そうした夢のお話もしてでした、皆でエメラルドの都に戻ってでした。オズマ達から帰ってきたのを歓迎してもらいましたが。
ここで、です。ふとでした。五人はこんなことを言いました。
「楽しい夢を見られたけれど」
「あの真珠を見てね」
「けれど人魚の人達は見ないっていうし」
「あの真珠を観ても」
「それはどうしてかしら」
五人はこのことについて思ったのです。
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