| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十一話 神戸でもその十三

「大きいですね」
「神殿はね、けれどね」
 私は阿波野君にこのことは断りました。
「お家は普通よ」
「ああ、ここですね」
 神殿の隣のそのお家を見ました。
「いいお家ですね」
「そう?」
「広いですよ」
「そうかしら」
「はい、実際に」
 阿波野君はお家を見つつ私に言いました。
「そう思います」
「私は特にね」
 私自身としてはです。
「広いと思わないけれど」
「ここに何人で住んでるんですか?」
「今は五人よ」
 家族の数をしっかりと答えました。
「基本七人だけれど」
「けれど今は五人ですか」
「そうなの、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが別の教会の会長さんになってそちらに入ったから」
 そちらの教会の方は妹のどちらかがお婿さんを迎えて跡を継ぐことになりそうです、そんなお話も進んでいます。
「だからね」
「五人家族ですか」
「今は住み込みの人もいないし」
 教会によってそうした人がいたりします。
「だからね」
「五人ですか」
「しかも私高校では寮だから」
 このこともです、私は阿波野君にお話しました。
「四人よ」
「ああ、そうなりますね」
「そう考えたら広いかしら」
「家族が少ない分ですか」
「そうかも知れないわね、まあとにかくね」
 私は阿波野君にあらためて言いました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧