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レーヴァティン

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第二十二話 東の島その三

「あんたが今までいた西の島と同じでな」
「殺し合いばかりか」
「魔物だって出るしな」
 英雄が西の島で久志と共に多く倒してきた彼等もというのだ。
「多いぜ、鬼とか鵺とか河童とかな」
「そうした妖怪が多いか」
「それに巨人だって出るしな」
 西の大陸を騒がしていた彼等もというのだ。
「連中はいつもいきなり出て来てきいきなり暴れるんだよ」
「こちらと同じか」
「だろうな、本当にな」
「いきなりか」
「出て来て大暴れして町も村も無茶苦茶にするんだよ」
 その巨体を使ってというのは言うまでもない。
「本当に迷惑な奴等だよ」
「そうだろうな」
 久志もその話を聞いて納得して頷いた。
「そんな連中は出ないに限る」
「それが出るからな」
 不意にというのだ。
「迷惑なんだよ」
「西の島と同じだな、強い奴等だ」
「強いっていうとあんた」
「戦ったこともある」
「おいおい、そうなのか」
「そして倒してきた」
「そうか、あんたあの連中倒したことがあるんだな」
 船乗りは英雄のその話に驚いて言った。
「凄いな」
「また出て来たら倒す」
「頼むぜ、連中には皆困ってるんだ」
 その巨人達にはというのだ。
「だからな」
「倒せたらか」
「ああ、頼むぜ」
 是非にという口調で表情もそうなっている。
「連中が出て来たらな」
「そうする」
 英雄は一言で答えた。
「その時はな」
「頼りにしてるぜ、とにかくな」
「巨人はとてつもない災厄だな」
「だからな」
 そう言うしかない存在だからだとだ、船乗りも英雄に話した。
「その時は宜しく頼むぜ」
「それも俺のやるべきことだな」
「そうなるな、あと堺に着いたらな」
 その時のことをだ、船乗りは話してきた。
「色々見て回るといいぜ」
「その堺の中をか」
「ああ、色々あるからな」
 そうした街だからだというのだ。
「店だって多いしな」
「色々なものを商っている店か」
「そうした店が多いからな」 
 だからだというのだ。
「行ってみたらいいさ」
「そうすればいいか」
「ああ、美味いものも多いしな」
「そうか」
「近くにいい川もあってな」
「魚も美味いか」
「そうなんだよ」
 そちらの話もするのだった。
「だから刺身でも鍋でも天婦羅でもな」
「それに酒は米の酒だな」
「そうさ」
 当然という口調だった。
「勿論な」
「やはりな」
「西だと葡萄とか麦とかだろ」
「ワインにビールだな」
「そういうのばかりだろ」
「そうだ」
 英雄は船乗りにはっきりと答えた。 
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