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批判

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第三章

「そういうものだったりするのね」
「そこは気をつけてね」
「わかったわ」
 真央は母の言葉に頷き学校の鞄を置いてから塾に行った。そうしてそちらでも勉強に励んだ。
 勉強に励んでいるせいか真央は成績優秀で進学校から公立大学の法学部に進んだ、そしてだった。
 その公立大学の地元の県庁に就職したがだ、その県庁にだ。
 地元のマスコミが批判を続けていた、それを見て真央が勤務している経理課の課長奈良橋幸雄は苦い顔をしていた。
「この新聞は何でもかんでもだね」
「私達を批判していますね」
 真央は奈良橋に応えた、すっかり成長し膝までのタイトスカートが実によく似合う様になっている。そのうえでやや白髪のオールバックに眼鏡をかけた中年男性である彼に応えたのだ。
「本当に」
「うん、しかしね」
「私達はですね」
「そんなに悪いかい?」
 自分達を振り返っての言葉だ。
「仕事はしっかりやって」
「浪費を抑えれ」
「そう、そして県民の人達への応対もね」
「丁寧にしていますね」
「県民の人達から評判はいい筈だよ」
 このことは事実だろうというのだ。
「クレームはあってもね」
「非常に少なくて」
「そのクレームへの対応もしっかりしていて」
「悪いことはないですね」
「越権行為とかもしてないし」
「はい、そうしたことも」
「だからね」
 そうしたことを全てしっかりとしていてというのだ。
「ここまで批判されることは」
「ない筈ですね」
「何か悪の権化みたいに書かれてるけれど」 
 その新聞ではだ、県内で発行されている新聞だ。
「けれどね」
「それはですね」
「どうなのかな」
「私もです」
 真央も奈良橋に考える顔で答えた。
「あの新聞が言うまではです」
「県庁は悪くないね」
「はい」
 そうだとだ、奈良橋に答えた。
「そう思います」
「そうだね」
「はい、元々あの新聞はです」
 その新聞の傾向も話した。
「そうした新聞です」
「反権力というかね」
「そう言えば聞こえはいいですが」
 しかしというのだ。
「その実はです」
「違うね」
「県内の過激派や教職員組合、労働組合とつながりが深く」
「うちの県の組合は」 
 奈良橋は真央に話した。
「どうもね」
「はい、極左も極左で」
「自衛隊の基地にもいつも抗議をして」
 県内に航空自衛隊の重要な教育施設があるのだ。
「しかも平日のお昼からね」
「そういった組合はです」
 教職員組合の教師達も普通の組合の者達も誰もが自分達の仕事を置いてよくそうしたことをしているのだ。
「実際過激派も入っていて」
「公安もマークしているしね」
「はい、ですから」
 そうした要素が重なっていてというのだ。 
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