オズのジュリア=ジャム
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第十幕その九
「海もこうしてね」
「不思議なものがあるんですね」
「そして奇麗なものが」
「それがあるんですね」
「そうなの、そしてあの宮殿にね」
その見事な宮殿にというのです。
「人魚の女王さんがいるのよ」
「じゃあ今からですね」
「あの宮殿に行って」
「そうしてですね」
「そう、お会いしましょう」
こうお話してでした、そのうえで。
皆で宮殿に入りました、宮殿の中も珊瑚や貝殻、真珠で飾られていてとてもみらびやかです。そしてです。
その宮殿の中に入るとです、若くて奇麗なプラチナブロンドの長い髪の毛を持っている人魚の人が来てジュリア達に声をかけてきました。
「ようこそ、海の女王の宮殿に」
「ええ、お話は聞いているかしら」
「はい、門番の人達から」
人魚の美人さんはジュリアに笑顔で答えました。
「既に」
「そう、それじゃあ」
「今から女王陛下のところに案内します」
「宜しくね」
「ではどうぞ」
こう言ってくれてでした、そのうえで。
美人さんはその内装もみらびやかな宮殿の中を進んでいきます。宮殿の中の珊瑚や貝殻もとても奇麗なものばかりで。
五人共観ながらうっとりとしていました、そして。
女王の間に案内してもらいました、すると虹色に輝く大きな貝殻の上にです。エメラルドグリーンの豊かな髪と海の色の瞳を持った艶やかなまでに奇麗なお顔の人魚の人がいました。その左右には見事な男女の人達が並んでいます。
そしてその奇麗な人がです、こう言ってきました。
「既に来られたことのある方もはじめての方もようこそ」
「お久し振りです」
ジュリアはその人に恭しく一礼をして他の皆も続きました。
「この度はお邪魔した」
「堅苦しい挨拶は抜きで」
その人はジュリア達に優しい笑顔で言ってきました。
「そうしたことはせずにすぐに仲良くが人魚ですから」
「だから」
「砕けていきましょう」
「それでは」
「普段の口調でお願いします」
こうジュリアに言ってです、貝殻の上に座っている人魚の人はあらためて名乗りました。
「私がこの国の女王です」
「貴女がですね」
「人魚の国の女王様ですね」
「はい」
女王は五人ににこりと笑って答えました。
「そうです、そして貴方達がですね」
「はい、外の世界からお邪魔してです」
「よく冒険をさせてもらっています」
「オズの国の皆さんに案内してもらって」
「そうしています」
「そうですね、ではですね」
女王は五人にあらためて言ってきました。
「この国に来てくれたのは」
「実はです」
神宝が五人を代表して女王に言いました。
「この国にだけあるとても奇麗な真珠を見せて頂きたくて」
「だからですか」
「ここまで来ました」
「エメラルドの都からですね」
「そうです」
神宝は出発してきた場所についても答えました。
「歩いて泳いできました」
「よく遠い場所から来られました、それではです」
「それでは?」
「後でお見せしますが」
それでもというのです。
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