オズのジュリア=ジャム
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第十幕その七
その人達にです、ジュリアは声をかけたのです。
「あの、お邪魔していいかしら」
「あっ、ジュリアさんじゃないか」
「かかしさん達もいるね」
その人魚の男の人達、門番の人達はジュリアにすぐに応えました。
「暫く振りだね」
「元気そうだね」
「ええ、この通りね。それでね」
ジュリアは人魚の門番の人達にさらにお話しました。
「実は今日は女王さんにお願いしたくて来たの」
「我が女王様に」
「そうなんだね」
「そう、この子達にもね」
神宝達を指し示してさらにお話しました。
「あの真珠を見せてあげたくて」
「女王様がお持ちの真珠を」
「あの特別に奇麗な真珠をだね」
「そう、それでお邪魔したいけれど」
「その子達はオズの名誉市民の子達かな」
「最近噂になっている」
門番の人達は五人も見て言いました。
「外の世界から来たという」
「その子達だね」
「オズマ暇ともドロシーともお友達っていう」
「その五人の子達だね」
「そうよ、この子達がね」
まさにというのです。
「オズの国の名誉市民の子達を」
「おお、何時か来てくれるかなって思ってたけれど」
「遂に我が国にも来てくれたか」
「オズの国のあちこちを冒険しているっていうけれど」
「来てくれたんだね」
「そうよ、来てくれたのよ」
まさにというのです。
「それでね」
「今からだね」
「この国にお邪魔したいんだね」
「そして女王様にお会いして」
「それでこの子達にあの真珠を見せてあげたいんだね」
「そうなの、じゃあね」
今からというのです。
「お国に入れてあげるかしら」
「勿論、ジュリアさん達ならフリーパスだけれど」
「その子達もそうだよ」
「最近話題のオズの国の名誉市民だからね」
「是非ね」
入って欲しいというのです、そしてです。
門番の人達は五人を含めた皆を笑顔で人魚の国に入れてくれました、人魚の国の中では老若男女の人魚の人達がです。
泳いで国の中を行き来していて真珠や珊瑚を細工したものや海草にお魚、そして貝類や蛸や烏賊を売っています。海のイルカに乗って移動している人達もいます。
その人達を見てです、神宝は言いました。
「何か人魚の国って」
「不思議かしら」
「はい、何か陸地の生活とです」
「大きな違いはないでしょ」
「ですから」
それでとです、皆と一緒に人魚の国の大通りを泳いで進みながらジュリアに答えるのでした。
「不思議です」
「人魚も国があってね」
「こうしてですね」
「生活してるのよ、お魚や海草の養殖もしてね」
「食べてるんですね」
「そうもしてるのよ、あと海の中だけれどね」
それでもというのです。
「火も使えるのよ」
「魔法で出した火ですか?」
ジョージはすぐにその火が何かを言いました。
「それですか?」
「そうよ、魔法で出した魔法の火を使ってね」
ジュリアも実際にそうだとお話しました。
「お料理をしたりしているのよ」
「だからフライや天麩羅もですね」
カルロスはそうしたお料理のことも言いました。
「食べられるんですね」
「衣もオズの国特製の海水にはふやけない小麦粉や油を使っているから」
それでというのです。
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