転生とらぶる
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ペルソナ3
1828話
大まかに話が決まったが、まだ影時間が終わっていない事もあり、俺とゆかりはまだ寮の中で話をしていた。
ゆかりにとって桐条は色々と思うところがあるらしいのは間違いなかったが、それでもゆかりは桐条から何かを聞き出そうとしているのだろう。
桐条の方もそんなゆかりの思惑は理解しているのだろうが……同じ女という事もあり、ゆかりと積極的に話している。
まぁ、今までペルソナ使いは桐条以外真田と荒垣の2人。
それも荒垣がこの寮を出ていってからは、実質的に真田と2人だったんだ。
何だかんだと、ペルソナ使いに同じ女が出来たというのは嬉しいのだろう。
そして……桐条がゆかりと話しているという事は、当然のように真田の興味は俺に向けられる訳だ。
荒垣とも多少言葉を交わしたが、やはり真田の興味は俺に向いているらしい。
「アルマーだったよな? お前が強いって話だったが、それは本当か?」
「そうだな、相応の力は有していると自負している」
「ふむ、なら……今度俺と手合わせをして貰えないか?」
「……何でそうなる?」
一瞬、俺がまだペルソナに覚醒してない――他の世界の人間だから、恐らくどうやっても覚醒はしない可能性が高いが――にも関わらず、タルタロスの14階にまで到着したのが気にくわないのかとも思ったが……真田の目にあるのは、そういう姑息な感情ではなく、純粋に自分の力を試したいといった好奇心に近い代物だ。
なるほど。そう言えば月光館学園でもファンクラブが出来る程に人気があるって話だったな。
姑息な性格をしているのであれば、そんな風にはならないだろう。……まぁ、それを補ってあまりある何かがあれば、話は別だが。
ともあれ、真田の様子を見る限りでは純粋に俺の力を見たいといった代物だ。
「アキ、言っても無駄だと思うが、一応言っておく。多分お前じゃ勝てねえぞ。アルマーの力はちょっと洒落にならねえ」
「……それを聞けば、ますます自分の力を試したくなってきた。どうだ、アルマー」
「そう言われてもな。そもそもお前の戦いの基本はボクシングだろ? 俺と戦う場合、どういうルールで戦うんだ? 残念ながら、俺はボクシングについてはおおざっぱなルールしか知らないぞ?」
そもそも、手だけで戦うというのは無理がある。
いや、ボクシングは格闘技の中でも最強に近い1つであるのは知ってるが、それはあくまでも一般的な、普通の人間が行う格闘技の中ではというくくりの中でだ。
生憎と俺は人間ではない以上、戦闘を行う時には多くの手段がある。
それこそ、魔法やスライム、PT等々。
……うん、ルールは必要だよな、やっぱり。
「む、そうか。ルールか。何でもありと言いたいところだが……難しそうだな」
「だろうな」
俺の代わりに頷いたのは、荒垣。
ちなみに桐条と交渉をしている時は離れた場所で様子を見守っていたが、今はこっちに近づいてきている。
まぁ、交渉が終わった以上、自分が関わっても構わないと、そう考えての事だろう。
ちなみに現在はこの部屋もそれなりに明るくなっている。
……どうやって影時間に機械とかを動かしているのかは気になるが、恐らくそれは桐条グループの抱える秘密だろう。
教えて欲しいと言われて、はい分かりましたとはならない筈だった。
もっとも、俺達が完全に向こうと合流するとか、そういう破格の条件を出せば向こうも教える可能性は皆無ではないが。
まぁ、本当にどうしても知りたければ、桐条グループの研究所に影のゲートを使って入ればいいだけなんだが。
「アルマーが何でもありで戦えば、それこそアキは何も出来ないまま一方的に負けるだろう」
「なっ!? 幾らシシジでもそれは言いすぎだろう!」
「……そうだな。だと、良かったんだけどな。残念ながら事実だ」
「本気で言ってるのか?」
「ああ。俺はアルマーがタルタロスで戦う光景を何度も見てきた。正直、何をどうすればこんな奴に勝てるのか、全く思いつかねえ」
荒垣が俺の方を見ながらそう言うと、真田も俺の方を先程までとは違う、自分が挑むべき壁といった視線を向けてくる。
まぁ、敵意を持たれるよりはこっちの方がいいか。
「そうだな、なら近接格闘のみの、何でもあり……ってのはどうだ? 俺も魔法とか武器とかそういうのは使わない」
「それでいい、頼む!」
爛々とした目つきのままで短く叫ぶ真田。
力を追い求めるその様子は、どことなくムラタを連想させるものがある。
もっとも、今の真田でムラタに勝つのは絶対に無理だろうが。
何しろ、今のムラタは気を使った身体能力の強化とか使えるしな。
エヴァとの訓練は伊達じゃない。
……何だか、そのうち真田もムラタのようになりそうな気がするのは……うん、多分俺の気のせいだろう。
「真田がそれでいいのなら、それでやろう。いつにする? 幸い……って言い方はどうかと思うが、現在の俺は無職だ。時間的にはいつでも空いてるぞ」
敢えて言うのであれば、様々な大食いを出している店で賞金を稼ぐ、フードファイターか? ……客観的に俺の行動を見た場合、それは決して間違っていない辺りどうかと思う。
「ふむ、アルマーのような強者と戦うのであれば、こちらも多少はコンディションを整えたい。そうだな、明日は終業式で授業は午前中で終わる。そして部活もない。……ボクシング部の部室も空いてるから、明日の午後からでどうだ?」
へぇ……もう春休みに入るのか。
いや、もう3月も下旬なんだし、そう考えればおかしな話ではない、か?
春休みといえば、夏休みに比べるとかなり短いイメージしかないんだが……うん、それは決して間違ってはいない筈だ。
「まぁ、お前がそれでいいのであれば、こっちもそれでいい。なら、明日に模擬戦をしようか。……ああ、そうだ。俺達が具体的にどれくらいの力があるのかを知って貰うには、桐条にも見て貰った方がいいな。……桐条!」
そう呼びかけると、ゆかりと言葉を交わしていた桐条がこちらに視線を向けてくる。
「ふむ、どうした? 何か問題が……という訳でもないようだが」
「ああ。実は明日の午後、俺と真田で模擬戦をやる事になった。どうせなら、お前も見にこないか? 俺が具体的にどれくらいの力を持っているのか、見られるぞ」
「ほう、模擬戦か。……うん? どうした、岳羽?」
桐条の視線が、何故か驚愕の表情を浮かべているゆかりに向けられる。
……うん、まぁ。ゆかりなら何でそういう表情を浮かべているのか、分からないでもない。
そもそもの話、ゆかりはこのペルソナ世界では俺の力を一番近くで見続けてきたのだ。
ましてや、宇宙や火星に連れて行ったりもしたんだから、色々な意味で俺の規格外さは理解しているのだろう。
「真田先輩、その……アクセルと模擬戦をやるなんて、本気ですか?」
言葉とは裏腹に、正気ですか? とでも聞きたい様子のゆかり。
だが、真田はそんなゆかりの表情に気が付いているのかいないのか、特に気にした様子もなく頷きを返す。
「ああ、当然だ。アルマーが強いのであれば、それがどれだけの力を持つのか、自分の力で試してみたいと思うのは当然だろう」
「えー……荒垣さん、止めなくてもいいんですか? その……」
「安心しろ。幾らアルマーでも、アキを殺したりはしない筈だ。……だよな?」
「何でそこで確認を求めてくるのやら。安心しろ、別に殺したりはしないから。ただ、ちょっとした怪我は負うかもしれないが、それくらいは構わないよな? いざとなれば、ゆかりのイオでディアを使えばいいし」
ゆかりのペルソナのイオは、現在回復魔法のディア、パトラ、攻撃魔法のガルの3つの魔法を使える。
傷を治すディアがあれば、真田が怪我をしても回復可能だろう。
もっとも、骨折とか腕が引き千切れるとか、そういう傷まで治せるかどうかは、分からないが。
少なくても、イオが最初から覚えていたスキルだと考えれば、回復魔法の中でも一番効果が小さい奴……と考えた方がいいと思う。
イオがこのまま強化されていけば、そのうちもっと強力な回復魔法を覚える可能性は否定出来ないが。
ただし、ゆかり本人は回復魔法よりも風の攻撃魔法の強化版を覚えたい……といった様子だが。
「分かったわよ。ただ、私の回復魔法もそこまで強力じゃないんだから、あまり怪我をさせないでよ?」
「……何だか、俺が負けることが前提で話が進んでるようで、いまいち面白くないんだが」
不服そうな様子の真田だったが、こればかりはしょうがないだろう。
「アキ、アルマーに勝つというのは、それこそ強力なシャドウと戦うよりも難しい事だ。少なくても、俺が知ってる限りではな」
「シンジ、お前まで……いいだろう、分かった。なら明日、俺の力を思う存分アルマーに見せてやる」
自分の力を信じる……それはいいんだが、な。
それが過信にならなければいいんだが。
勿論、真田だって自分が誰にでも勝てる……そうは思っていないだろう。
もしそう思っているのであれば、それこそタルタロスで4階までしか活動していないという事はない筈だ。
1階がエントランスである以上、実質的には2階、3階、4階と3層分しか活動していない事になる。
己の実力に自信があるのであれば、とっくに5階に向かっている筈だった。
「そうだな。お前の実力を見せてくれ」
結局は真田に向かってそれだけを告げる。
それを聞いた真田は、やがて少し面白くなさそうな表情を浮かべながらも、それ以上は何も言わない。
言葉通り、実力で自分の力を見せてやると……そう考えているのだろう。
「そうだ。アルマー、岳羽。お前達、もしよければこの寮に越してこないか? ああ、勿論私達と別行動を取るのは構わない。だが、それでもお互い一緒の場所に住んでいた方が、情報交換はしやすいだろう?」
俺と真田の会話が終わったのを見て、桐条がそんな風に言ってくる。
「あー……ちょっと前ならそれでも良かったんだが、今は俺もアパートを借りてるしな。そこを拠点に活動しているし、折角そこで家具とか電化製品を買い揃えたのを考えると、ここに引っ越してくるのは遠慮しておくよ。それに協力関係になっても、区別はきちんとする必要があるしな」
実際には、まだ協力関係が結べるとは、正確には決まっていない。
だが、桐条の様子を見る限りでは、間違いなく向こうにとって俺達とのやり取りは得がたいものだろう。
それに、桐条や真田を見る限りなあなあのやり取りになるとは思えないが、一定の距離を取っていた方がお互いに都合がいいのは間違いない。
……とは言っても、それはあくまでも俺の都合であって、桐条達にしてみればやっぱり俺達と近くにいたいと思うのは間違いないんだろうが。
「むぅ。そうか。……だが、この寮は色々と設備も整っている。いつでも歓迎するから、何かあったら是非考えてみて欲しい。何なら、臨時の部屋という事にしても構わないのだから」
「そうだな、今はちょっと無理だが、何かあったらそうさせて貰うよ」
その話はそれで終わり、その後は色々と別の事に話題が移っていく。
ただし、当然と言うべきか向こうにとってはタルタロスについて聞きたがっていたが。
「そうなんだよな。影時間になる度にタルタロスが変化していくというのは、非常に厄介だ。おかげで、毎回上に続く階段やターミナルのある場所が変わるし。ああ、けど小ボスのいる階層は変わらないから、一旦5階まで行けばターミナルも双方向ターミナルがあるし、一気にスキップ出来るぞ」
「何!? それは、本当か!?」
まだ完全に手を組んだ訳でもないのに、タルタロスの情報を与えるのはどうかと思ったが……まぁ、元々4階までは行ってるって話だし。5階にいる小ボスを俺達が倒してしまった以上、5階には普通のシャドウも現れず、完全に安全な区画となっている。
そう考えれば、この情報は特に隠す必要もないだろう。
「ああ。この情報は桐条達と知り合ったサービスだ。今日……はもう影時間もあまり残ってないから無理だろうが、明日の影時間にでも5階に行ってみればいい。そうすれば、双方向ターミナルに登録するのも、難しい話ではないだろうし」
もっとも、特に隠す必要はないだろうけど、向こうが知らない情報なのも間違いないので、しっかりと恩には着せるんだが。
これで向こうが俺達に対して、感謝してくれるようになればそれでいい。
向こうにとっても、こっちにとっても、お互いが得をする。win-winの関係というのはこういう事を言えるんだろう。
……違うか。
ともあれ、俺達はそんな風に話を続け、影時間が終わるまで穏やかな時間をすごすことになる。
意外だったのは、ゆかりと桐条の関係も表向きは和やかだった事だろう。
心の中でどう思っているのかは、俺も分からないが。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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