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オズのジュリア=ジャム

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第十幕その一

                 第十幕  人魚の国
 一行は海につながっている河のところまで来ました、するとその中にです。
 大きなお魚みたいな生きものが見えました、神宝はそのお魚を見てすぐに言いました。
「カワイルカだよ」
「ああ、これがだね」
「ヨウスコウカワイルカなのね」
「そうだよ」
 皆に目を輝かせて答えます。
「まさにね」
「まさか本当にいるなんてね」 
 カルロスもそのイルカを見て言いました。
「ピンク色じゃないからアマゾンカワイルカだってわかるよ」
「そういえば河のイルカって結構多いよね」
 ジョージはこのことを指摘しました。
「アマゾンだけでなくガンジス河やアルゼンチンのラプラタ河にもいるし」
「大きな河にいるのよね」
 ナターシャもこのことは知っています。
「アザラシも大きな湖にいたりするわよ」
「バイカルアザラシ?」
 恵梨香はナターシャに尋ねました。
「確かそのアザラシよね」
「そのアザラシはここにもいるよ」 
 木樵が五人に言って河の向こう岸の方を指差すとです、実際に褐色の毛並みの丸々とした身体のアザラシ達がそこにいました。
「あそこにね」
「あれがバイカルアザラシだよ」
 かかしも言います。
「オズの国にはあのアザラシもいるんだ」
「あのアザラシは外の世界にもいます」
 神宝がかかし達にお話しました。
「ロシアのバイカル湖に」
「そしてオズの国にもいるんだね」
 ジャックも言いました。
「この国にもね」
「象さん達と一緒ですか」
「そう、外の世界にいる生きものもいるんだ」
 オズの国にはとです、ジャックはこう神宝にお話しました。
「オズの国はね」
「つまり色々な生きものがいる国ですね」
「そういうことだよ」
「外の世界にいる生きものがいてもういなくなった生きものもいて」
「オズの国にしかいない生きものもいてね」
「何でもいるってことだね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「オズの国はね」
「成程、そうしたことなんだ」
「不思議の国ならではだね」 
 あらゆる生きもの達がいることはです。
「僕は外の世界はそんなに知らないけれど」
「そうした世界ということで」
「覚えておいてね」
「うん、わかったよ」
 実際にとです、神宝はジャックに答えました。そのうえで河の水面近くを泳いでいるヨウスコウカワイルカからバイカルアザラシを見てです。
 傍の海辺を見ました、するとそこには黒と白の羽毛を持っていて二本足で立って歩いているペンギンみたいな鳥がいました。
 その鳥を見てです、神宝だけでなく五人全員でその鳥を見て言いました。
「ペンギンだね」
「うん、そうだね」
「オズの国にもいるんだね」
「南極にしかいないんじゃなくて」
「オズの国では暖かい場所にもいるのね」
「あれはペンギンじゃないわよ」
 ジュリアが笑顔で、です。五人にここでこう言いました。
「あの鳥はね」
「えっ、違うんですか?」
「ペンギンじゃないんですか?」
「じゃああの鳥何なんですか?」
「ペンギンじゃないとしたら」
「何なんですか?」
「オオウミガラスよ」
 五人ににこりと笑ってこの名前を出しました。
「あの鳥はね」
「オオウミガラスっていいますと」
 神宝はその鳥の名前を聞いてジュリアに言いました。 
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