八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十二話 光の車輪その十一
「畑中さんですが」
「あの人がどうかしたのか」
「やっぱり今日も飲まれてるでしょうね」
「あの人もかなり飲まれているな」
「そうですよね」
「ワインがかなりお好きだ」
「何かです」
この旅行を見ているだけでもだ。
「一日に三本か四本は」
「飲まれているな」
「かなりのご高齢ですが」
本当にだ、もう定年どころじゃないお歳だけれどだ。
「鍛錬もされていて」
「直新陰流のな」
「あれは凄いですよ」
実際に見て僕は無理だと思った。何しろ十一キロの木刀を千回二千回と振るのだ。それも毎日振られているのだ。
「あんなことはあのお歳では」
「出来るものではない」
「井上さんもそう思われますね」
「驚異だ」
まさにという言葉だった。
「あそこまで出来るとなるとな」
「剣豪みたいですね」
「全くだ」
「というかあの人は別でしょ」
ダオさんも話に入って来た、観覧車が降りていく中で。
「リアル剣豪よ」
「ダオさんもそう思うんだ」
「当たり前でしょ、あんな木刀をよ」
「千回も二千回もね」
「毎日ね」
それこそだ。
「振ってるからね」
「そんなことが出来るなんて」
「脅威よ、あと大学の方に」
「八条大学に」
「あそこにも凄い人いるわよね」
「悪魔博士だな」
井上さんがその人だとだ、ダオさんに応えた。
「あの人だったな」
「何か百五十歳って聞くけれど」
「私もそう聞いている」
「あれ本当の話なのかしら」
「わからない。しかし」
「しかし?」
「かなりのご高齢でだ」
僕もあの博士のことは聞いている、様々な学問を習得していて実際に百歳は優に超えているという人だ。
「多くのことを知っているのは間違いない」
「やっぱりそうなのね」
「そしてだ」
そのうえでというのだった。
「仙人とも言われている」
「仙人ねえ」
「何故かわかるな」
「あんまりにも長生きだからよね」
「そうだ、それに知っていることも多いしな」
「やっぱり凄い人ね」
「あの人位になるとだ」
それこそというのだ。
「そうした話も出る」
「そうよね」
「畑中さんも凄いが」
「あの博士も凄いわね」
「学問は万能だ、しかしだ」
「それ以上に」
「その実際の年齢はわからないしだ」
それにとだ、井上さんはダオさんにさらに話した。
「錬金術や魔術も知っているとという」
「それ本当?」
「噂だ」
井上さんはまた言った。
「あくまでな」
「噂ね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
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