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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1818話

 14階にあったターミナルでエントランスに出て、タルタロスから出ようとした俺達だったが……

「明彦、本当に行くのか? 今日は別にタルタロスに挑む必要はないだろう?」
「馬鹿を言うな。たまにはシャドウと戦って、きちんと腕を磨いておく必要がある」

 エントランスに出るや否や、タルタロスの出入り口の方からそんな声が聞こえてくる。
 俺は、その声に多少ではあるが聞き覚えがあった。
 そしてゆかりも聞き覚えがある声なのか、突然の展開に混乱したように俺の方を見てくる。
 荒垣も当然のようにその声に聞き覚えがあった為か、右手で顔を覆っている。
 ……うん、間違いなく真田明彦と桐条美鶴の2人だな。
 いや、勿論あの2人が影時間について関わっており、更にはシャドウを倒せるペルソナを召喚出来るのであれば、タルタロスにやって来るのはおかしな話ではない。
 寧ろ、今まで会わなかったのが不思議なくらいだろう。
 だが……それにしても、何故よりによって今日この時に……
 非常に厄介極まりない状況に、溜息を吐く。
 もっとも、桐条や真田達がタルタロスに来るのを止められる訳もないのだから、その辺りを責める訳にもいかないのだが。

「ちょっ、ちょっとアクセル。どうするのよ」

 ゆかりが俺に視線を向け、荒垣もまたこちらを見てくる。
 そんな2人に対し、俺はあっさりと口を開く。

「こうする」

 そう告げ、影のゲートを生み出し、3人揃って……いや、子猫の炎獣も含めて3人と1匹でその影に沈んでいく。
 すると次の瞬間、俺達の姿は俺の部屋にあった。
 うん、完全に影に沈む前に2人がエントランスに入ってきたような気がするけど、多分見つからなかったよな。

「お……」
「ちょっと、アクセル。いきなりやらないでよね。驚くじゃない」

 いきなり足下の影に沈み、気が付けば俺の部屋だった事に驚いたのか、ゆかりがそう文句を言ってくる。

「そう言ってもな。さっきのは桐条美鶴と真田明彦だろ? あのままだと間違いなく遭遇したぞ? そうしたくないのなら、これしか手段はなかった筈だ」

 まぁ、俺だけなら気配遮断とかあったけど。
 基本的に機械の類が使えない影時間の中で、気配遮断というのはかなり強力……いや、凶悪な性能を持っていると言ってもいい。
 ……そう言えば、機械の類は使えないけど、銃の類は使えるんだよな。
 その辺、どうなっているのか気になる。
 それとも、いわゆる精密機器とか、そういうのが使われていれば使用不可になるんだろうか。
 その辺り、後で少し詳しく調べてみたい気がする。
 ついでだし、ゆかりにも見せておいた方がいいか?
 まぁ、人型機動兵器を見てゆかりが喜ぶとは思わないが、俺がどのような世界から来たのかの補完にはなるだろう。

「それと、明日から何日かはまたタルタロスにいかないで休みにしたいと思う」
「ちょっと、本気? 昨日まで休んでいた原因の私が言うのも何だけど、折角今日タルタロスの攻略を再開したのに、また明日から何日か休むなんて……」
「ああ、本気だ。……そもそも、ゆかりは今の自分の状況が分かっているのか? 精神的、肉体的にも疲れ切っていて、とてもではないが今日だけで疲れが取れるとは思わない」
「それは……」

 ゆかりも現在の自分の状況は理解しているのだろう。俺の言葉に不満そうにしながらそれ以上文句を言うようなことはない。
 実際、あれだけペルソナを使いまくったのだから、その心身に残る疲労はかなりのものだろう。
 例えとして適切かどうかは分からないが、ボクシングの試合だって半年とか数ヶ月とか、それくらいの間隔を置いて行われる。
 それだけ戦いの中で身体に残ったダメージを消すというのは難しいのだ。
 ……まぁ、ゆかりの場合は直接騎士のシャドウによって身体的なダメージを受けたことはないのだから、問題なのは精神的な疲労だけなのだろうが。
 だが、身体的なダメージと違って精神的な疲労は目に見えないだけに、慎重にならざるを得ないのも事実だ。
 ガルを限界まで使う……それも、まだペルソナを使い始めてから1ヶ月も経っていないゆかりが、だ。
 この状況で明日にでもすぐにタルタロスの攻略を始めると言っても、とてもではないがそれを許容は出来ない。
 俺がやりたいのは、ゆかりを精神的、身体的に追い詰めることではなく、ゆかりにペルソナ使いとして経験を積んで貰う事なのだから。
 ゆかりがこの世界の原作でどのような活動をしたのかは、俺には分からない。
 また、既に原作が始まっているのかどうかも分からないが、とにかくゆかりを原作以上に鍛える事が目的の1つなのだ。
 そのゆかりに無理をさせるような真似を、俺が許容出来る筈がない。

「それに……さっきタルタロスに入ってきた2人を見た……いや、その声を聞いただろ? この状況で俺達がタルタロスを攻略すれば、それを向こうに見つけられるかもしれない。桐条グループに俺達の事を知られるのは、出来るだけ避けたいんだろ?」
「それは……」

 まぁ、ぶっちゃけ、俺の影のゲートを使えば、その辺りの心配はしなくてもいいのかもしれないが……ただ、ターミナルを使うにはエントランスの利用は必須だ。
 それだけは、どうしても誤魔化す事は出来ない。
 桐条や真田が具体的にどのくらいの階層を攻略しているのかは分からないが、それでもエントランスに戻ってくる時は、瞬時に転移出来るターミナルを使うだろう。
 エントランスの前で偶然出会う……なんて事になったら、誤魔化しようがない。
 いや、荒垣だけなら誤魔化せるだろうが、そこに俺とゆかりがいれば、どうしようもないだろう。
 まぁ、具体的にどのくらいの確率でそんな風になるのかというのを考えれば、実際にはそこまで心配する事はないだろうけど。
 それでも万が一というのはあるのだから、絶対に安全という訳じゃない。
 その辺りを説明すると、やがてゆかりも渋々とではあるが、納得して頷く。

「じゃあ、もう何日かはそんな感じで。……で、そろそろ帰るんなら、送っていくけどどうする?」
「ああ、頼む。こうも暗いんじゃな。月明かりしかないってのは……影時間の厄介なところだ」

 荒垣がそう呟く。
 そうなんだよな。影時間は機械だったり電気だったりが使えない以上、この部屋は暗い。
 明かりと言えば、荒垣が言ってる通り、精々が窓から入ってきている月明かり程度だ。
 そんな状況で部屋の中にいるのだから、当然暗い。
 俺の炎で明かりを付けてもいいんだが。
 そう言えば、桐条達の方はどうなってるんだろうな。
 向こうは普通に影時間の中でも機械を使ってるって話を荒垣から聞いた事がある。
 ただ、その理由については分からないらしい。
 ……それが、本当に分からないのか、それとも知っているけど俺に教えられないのか。
 そのどちらかは分からないが、ともあれ荒垣がそう言うのであれば信じておいた方がいいだろう。
 影時間の中でも機械を使えるというのは多少気になるが、そこまで困ってる訳じゃないしな。
 向こうは向こうで、魔法……特に転移魔法のような、この世界にはない俺の存在を知れば、心底羨ましく思うだろうけど。
 荒垣がその辺りの情報を向こうに流していないのは、俺にとっても幸運な事だと言えるだろう。

「分かった。場所は?」
「ポートアイランド駅でいい」

 不良の溜まり場に行こうと……いや、戻ろうというのだろう。
 向こうが今の荒垣にとっては戻るべき場所といったところか。
 ……この寒いのに。
 ああ、でも3月になったからか、少しずつではあるが暖かくなってきてるな。
 俺がこのペルソナ世界に来た当初に比べれば、大分すごしやすくなっている筈だ。
 取りあえず、風邪を引かないで……タルタロスの攻略に影響がなければ、荒垣が普段どんな風に暮らしていても俺は問題ない。

「分かった。ゆかりはどうする?」
「え? うーん、そうね。私も特にやる事はないし、寮に戻るわ」

 そう告げるゆかりだったが、実際には何かやる事があっても寮で休みたいというのが正直なところだろう。
 精も根も尽き果てた状態なのだから。

「なら、戻るか。……行くぞ」

 そう告げ、影のゲートを生み出し、そこに身体を沈めていく。
 俺とゆかり、荒垣の姿はそのまま影を通し、次の瞬間にはポートアイランド駅前に姿を現す。
 もっとも、まだ影時間が終わっていないので駅前には幾つもの棺があり、それがより一層の不気味さを表しているが。
 だが、長い間影時間を経験してきた荒垣にとっては、この程度は特に問題ないのだろう。
 周囲の様子を見ても、特にこれといった表情を動かさないまま歩き出す。

「じゃあ、またな」

 そう短く一言だけ告げて。

「荒垣さん、今日はありがとうございました」
「またな」

 ゆかりと俺も短く言葉を交わし、再度影のゲートを展開して、女子寮にあるゆかりの部屋に姿を現す。
 当然のように、ここも暗いままだ。

「ありがと、アクセル」
「ああ。今日はかなり疲れただろうから、ゆっくりと休んでくれ。……と言いたいところなんだが、1つ提案がある」
「提案? 何よ?」
「荒垣がいる時にも言ったが、明日の影時間のタルタルス攻略は休む予定だ。そのついでに、俺の空間倉庫の中に入っている機体……人型機動兵器、まぁ、ロボットだな。そのロボットが影時間に動くかどうか、ちょっと試してみたいと思ってるんだが、よければ付き合わないか?」
「……ロボット……うーん、、まぁ、そうね。ちょっと興味があるわ」
「なら、明日の影時間になったら迎えにくるよ」
「ええ。……けど、私だけ? 荒垣さんはいいの?」
「本来なら呼びたいところなんだけどな。俺が魔法を使うってのはともかく、異世界から来たってのは荒垣に言ってないし」

 そもそも俺が使う、この世界の物と――正確にはペルソナやシャドウとは――違う魔法だという時点で、荒垣は色々と俺に疑問を持っているだろう。
 そもそもの話、この世界にはペルソナやシャドウが使っている系統以外の魔法があるのかどうか、それすらも分からない状況だしな。
 ともあれ、そんな訳で俺が少し特別、もしくは異端の存在だというのは、荒垣も理解しているだろうが……それは、あくまでも魔法系統の違いというだけだ。
 系統や効果そのものは違っても、結局のところ魔法だというのは違いない。
 だが……そこにサラマンダーやミロンガ改、更にはニーズヘッグなんて代物を間近で見れば……どうなる事やら。
 特にニーズヘッグは見るからにラスボスの機体といった感じだし。
 俺の異常さ、異端さ、といったものがこれ以上ない程に注目されるだろう。
 そうなれば、荒垣も桐条辺りに情報を流す可能性は否定出来ない。
 だからこそ、念には念を入れて荒垣にはPTとかは見せない方がいい。
 少なくても今は。
 どうにかしてホワイトスターと連絡が付いたら、機体を見せてもいいんだろうが。

「うーん……そうね。そうした方がいいかも」

 何故か嬉しそうな笑みを浮かべるゆかり。
 何だ? 実はロボットとか大好きなタイプなのか?
 それはそれでいいんだけどな。

「じゃあ、明日は影時間になったらどこか郊外まで影のゲートで転移して、機体の調子を確認する……って事でいいか?」
「ええ、問題ないわ」

 このペルソナ世界で、影時間に適性のある者がどれくらいいるのかは分からない。
 だが、タルタロスが物語の中心となる可能性が高い以上、恐らく影時間に適性のある者はこの辺りに生まれる可能性が高い。
 つまり、郊外まで行けば……もしくは、それこそ東京から離れてどこか山の中にでも移動すれば、影時間ならPTとかを出しても見つかる可能性はかなり少ない訳だ。

「なら、明日影時間になった迎えに来るから」

 そう言葉を交わし、影のゲートで自分の部屋に戻り……そのまま影時間が終わるのを待つのも暇だったので、眠りにつくのだった。





「ワンワン! ワフ!」

 翌日、微妙に曇っていつ雨が降ってもおかしくない時間、俺は暇潰しに神社に来ていた。
 うん、何だか最近よく神社に来てるけど、ここは人があまりいないし、犬がいるしで、暇潰しに丁度いいんだよな。

「ほら、食べ終わったか?」
「ワフ!」

 ドッグフードを食べ終わった犬は、嬉しそうに尻尾を振りながら吠える。
 その犬の頭を撫でながら、ふと何気なく撫でていない方の手を白炎に戻して炎獣を生み出す。
 生み出されたのは、一回り小さい犬。

「グルルルルル」

 今まで嬉しそうに俺に撫でられた犬は、いきなり出てきた炎獣に警戒の声を漏らす。
 だが、炎獣はそんな犬に近づいていき、鼻をくっつける。
 ……炎獣だが、その熱量は人肌程度だ。
 人間が触れても問題ない程度の熱さ……暖かさなので、犬が触れても火傷をするような事はない。
 それで犬も炎獣に敵意はないと判断したのか、そっと近づいていくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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