転生とらぶる
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ペルソナ3
1815話
ゆかりとゾンビのシャドウの戦闘を見ると、そこでは意外な事にゆかりが善戦していた。
……もっとも、ショートボウという武器を持っているゆかりは、相手の間合いの外から攻撃をする事が出来る。
また……
「イオ、ガル!」
矢を射った後、開いた右手で召喚器を手に取り頭部に向け、トリガーを引く。
瞬間、既に見慣れたと言ってもいい牛の頭蓋骨と鎖に縛られた女というペルソナが姿を現し、ゾンビのシャドウに向かって風の刃を放つ。
それを食らったゾンビのシャドウは多少ではあっても間違いなくダメージを受けていた。
このままいけるか?
そう思った瞬間、ゾンビのシャドウが口を開く。
「マハジオ」
その言葉と共に放たれたのは、広範囲の電撃。
幸いに荒垣は戦闘となっている場所から離れていた事もあり、その電撃は届かなかったし、俺はこっちに向かって電撃が飛んで来た瞬間、反射的にゲイ・ボルグを振るっていた。
ゲイ・ボルグには魔力を無効化するような特殊な能力はない。
だが、それでも魔力そのものを強引に破壊する事は出来ない訳ではないのだ。
ましてや、現在ゲイ・ボルグを使っているのは、魔力という点では他に類を見ないだけの能力を持つ俺だ。
当然ジオの広範囲版、マハジオの雷であろうと、この程度の威力の魔法であれば容易に消し飛ばす事が出来た。
だが、そんな風にマハジオに対処出来た俺や荒垣とは違い、ゆかりは……正確にはイオには対処出来なかった。
広範囲に放たれた雷は、イオに命中し……イオがバランスを崩したかのように地面に倒れ込む。
「きゃあっ!」
そしてイオのダメージがフィードバックしたのか、ゆかりもまたイオのように転んでいた。
何だ? あの程度の威力の魔法で……いや、小ボスのダンシングハンドと戦った時も、ジオを食らったイオが転んでいた。
だとすれば、もしかしてイオは雷が弱点なのか?
転んだ衝撃で、既にイオは消えている。
そしてゾンビのシャドウは、ゆかりを標的に定めたのか空中を浮かびながらゆかりに近づいていく。
このまま攻撃させる訳にはいかない。
そう思ってゆかりの方に向かって踏み出そうとし……視界の端で、荒垣もまたゆかりに向かって近づこうとしていたのが見える。
だが、ゆかりは俺達が行動を起こすよりも前に、既に次の行動に移っていた。
背中の矢筒から矢を抜き、素早くショートボウに番え……射る。
極限の集中状態だからこそ出来たのだろう、熟練の手捌き。
射られた矢は真っ直ぐに飛び、ゾンビのシャドウのうち、右側の頭部に突き刺さる。
その衝撃で片方がのけぞると、当然のようにもう片方ものけぞる。
金属の棒のような物で横から貫かれた状況である以上、それは当然の事だった。
どうやら、ここではまだ物理法則が仕事をしていたらしい。
いやまぁ、物理法則仕事しろとか、俺に言われたくはないだろうが。
もし物理法則に意思があったとすれば、絶対に俺に突っ込みを入れるだろう。
そもそも、俺に物理法則は殆ど役に立っていないのだから。
「イオ、ガル!」
そののけぞったゾンビのシャドウに向かい、再びゆかりはガルを使う。
ガルを受けたゾンビのシャドウは、吹き飛んでタルタロスの壁にぶつかる。
「イオ!」
そしてガルを放って消えたイオを再度召喚したゆかりは、今度はガルを使うのではなく……そのまま突っ込ませる。
なるほど、今のガルは最初から敵にダメージを与えるのではなく、吹き飛ばして壁にぶつけるのが狙いだったのか。
そして真っ直ぐに突っ込んでいったイオは、その巨体――牛の頭蓋骨――でゾンビのシャドウにぶつかり、壁との間に挟む。
普通であれば、ゾンビのシャドウはただ吹き飛ばされていただろう。
だが、すぐ後ろに壁がある事により、そのような真似は出来ず……衝撃を逃がす事が出来ないまま、ゾンビのシャドウは体力の限界を超えたのか、そのまま消えていく。
「……ガルを使うより、シャドウで直接攻撃をした方が強いよな」
「ああ」
今の戦闘を見ていた俺の言葉に、いつの間にか近くまで来ていた荒垣が同意する。
「イオの重さを考えれば、突進は相当の攻撃力を持つのは、今までのやり取りを見れば明らかだし」
「……ちょっと、アクセル。今、私の事を重いとか言わなかった?」
俺と荒垣の言葉を聞いていたゆかりが、こちらに鋭い視線を向けてくる。
「いや、別にゆかりの事じゃなくて、ゆかりのペルソナの事だから」
「……ふーん」
俺の言葉でこちらに向けられる視線の鋭さはなくなったが、それでもまた若干不満そうな様子はある。
うん、色々とゆかりにとっては面白くない一言だったのだろう。
もっとも、俺の目から見てゆかりは重い……太っているようには見えない。
だが、女は俺が……いや、男が何を言っても、何故か今の自分に不満を持つという事が多い。
そういう意味では、レモンのように俺の恋人達はその辺をあまり心配していなかった。
……そもそも、毎日のようにエヴァと戦闘訓練をしているんだから、相応に食べないと太るどころか痩せていく一方なのだ。
普通の女にとっては、いくら食べても太らないというのは羨ましい環境だろう。
もっとも、エヴァとの戦闘訓練をするという前提がある以上、普通の女にはどうしようもないだろうが。やっても、即座に挫折する可能性の方が高い。
シャドウミラーに所属している上で得られる理由の1つだな。
意図して太ろうとしない限り、基本的に太るのが難しいというのは。
ただ、それはあくまでも運動量があるからこそであって、その気になれば別にシャドウミラーに所属していなくても出来る事ではある。
「ほら、体重の事についてはそれくらいにして。そろそろ進むぞ」
俺と同じようにゆかりにジト目で見られていた荒垣が、そう言葉を発する。
うん、荒垣もゆかりの視線に耐えられなくなったんだろうな。
ともあれ、荒垣の言葉に俺も異論はなく、その言葉に頷いて口を開く。
「そうだな、じゃあ行くか」
「……まぁ、いいけど」
こうして、俺達は11階を歩き回りながらシャドウを倒していく。
あのゾンビが2匹繋がっているようなシャドウは、それからも何度か出てきたが、それでも1度倒した事で自信を得たのか、ゆかりがそれなりに対応出来ていた。
どうやらイオはジオ……雷系の魔法に弱いらしい。
それがジオだからなのか、それともこの世界以外の……ネギま世界の魔法も含めて雷の魔法に弱いのか、その辺りはよく分からない。
そもそも、このペルソナという能力についても、まだ殆ど分かっていないんだし。
あー……エヴァとかがいればな。喜んでこの世界の魔法について調べてくれるんだろうが。
それともレモンとかマリューのいる技術班か?
魔法はともかく、ペルソナというのは今まで全くなかった能力だ。
一見すれば召喚魔法に似てるように思えるが……それは似ているだけで、実際にはかなり違うというのは、明らかだしな。
そんな能力についてレモン達が知ったら、それこそペルソナについて色々と調べるのは間違いないだろう。
そんな風に考えていると、再び宝箱を見つけ……
「えっと、これをどうしろと?」
ゆかりが、俺の方を見ながらそう言ってくる。
左手にはショートボウ。そして右手にもショートボウ。
ショートボウ二刀流とでも呼ぶべき……いや、二弓流か? そんな状態のゆかりだったが、その表情に浮かんでいるのは戸惑いだ。
「一応持たせてみたけど、どうしようもないよな」
「当然でしょ。そもそも、この状況だとどっちの弓も使えないわよ?」
言うまでもなく、弓というのは矢を番えて使う……つまり、両手を使って使う物だ。
つまり、両手に弓を持っても、意味はない。
これがクロスボウとかそういうのであれば、両手で持っても使えるんだろうが……ただ、その場合は一度矢――この場合はボルト――を使えば、再度装填する必要があるのだが。
「いや、宝箱の中にまたショートボウが入ってたしな。一応、いや念の為?」
「何が念の為なのよ、全く。……とにかく、はいこれ。私が2つ持ってても、意味はないでしょ?」
そう告げ、渡されるショートボウ。
それを空間倉庫の中に収納すると、俺達は再び11階を調べていく。
やがて階段が見つかり、そのまま12階へ。
本来なら今日肩慣らしのつもりだったのだが、15階に行かなければいいだろ。
そうして12階を探していると……
「おう?」
「これは……鏡、よね?」
「ああ」
宝箱から出てきた物を見て、ゆかりと荒垣がそれぞれ感嘆のような声を漏らす。
宝箱から出てきたのは、一枚の鏡。
だが、それがただの鏡ではないというのは、その鏡から魔力を感じるのを考えれば明らかだろう。
とてもではないが、普通に売っている鏡ではない。
「私でも分かる程、何かがあるわ」
「……そうだな」
魔法とかには素人のゆかりや荒垣ですら、その鏡が持つ魔力は何となく雰囲気でといった風にではあっても感じられたのだろう。
特にゆかりはイオがガルを使っているのだから、当然のように魔力についても詳しくなってきている。
いや、勉学的な意味じゃなくて、実用的な意味でだが。
「そうだな、この鏡か何かかなりの希少なマジックアイテムなのは間違いない。……ただ、問題は……」
「あー……うん。最後まで言わなくても分かるわ。つまり、この鏡がどんな効果を持ってるのかが分からないのね」
「正解」
ゆかりの言葉に、そう告げる。
結構な貴重品なのは間違いないと思うんだが、その効果が分からない。
一番手っ取り早いのは、やっぱり直接使ってみる事だろう。
だが……恐らくだが、この鏡は使い捨ての筈だ。
出来れば、魔力を込めれば使用回数が増えるとか、そういうマジックアイテムなら、こっちも助かるんだが。
こうして見る限り、それは期待出来ないだろう。
「やっぱり使ってみるしかないか。……どんな能力だと思う?」
「そうね。鏡……相手の真の姿を映し出すとか?」
「もしくは、鏡に封じ込めるとかはどうだ?」
ゆかりと荒垣、それぞれの意見を聞きながら、どちらの言葉にも頷けるものがある。
だが、結局は実際に使ってみなければ意味はないのだ。
そうなると、俺としても躊躇わざるを得ない。
間違いなく、この鏡は大きな力を持つ。
それこそ、以前入手した宝玉輪と同じ……もしくはそれよりも大きな力。
「とにかく、この鏡は空間倉庫に収納しておくか。他の場所を調べて、また同じ鏡を入手したら、そっちを使ってみればいい」
その言葉に2人とも異論はないのか、大人しく頷きを返してくる。
こうして再び12階の探索を続けていき、幾つかの魔法が込められた宝石を入手しつつ、シャドウを倒していく。
そうして階段を見つけ、13階に上がった。
「ねぇ。そろそろ戻ってもいいんじゃない?」
「そうだな……14階を探索したら、戻るか」
俺の言葉にゆかりと荒垣は特に異論もなかったらしく、そのまま13階を探索していく。
「お」
そんな中で見つけたのは、サバイバルの時に着るような、そんな服。
いわゆる、迷彩服に近いのか?
触ってみると、結構丈夫な生地を使っているのが分かる。
つまり、この服を着ていれば防御力は期待出来るという事だろう。
俺は防御力の心配はいらないので、これを着るのはゆかりか荒垣になるのだが……そうなれば、当然のようにどちらがこの服を着るのかというのは、決まっていた。
「ゆかり、これはお前が着ろ」
「え? 私が!?」
「ああ。俺は防御力について心配いらないし、荒木は基本的にアドバイザーだから後ろで見ているだけだ」
「誰がアドバイザーだ、誰が」
荒垣の不満そうな声が聞こえてくるが、俺はそれをスルーして言葉を続ける。
「とにかく、現在俺達の中で一番戦っているのはゆかりだし、防御力は高くしておいた方がいいだろ」
「それは……まぁ、そうだけど」
現在ゆかりが着ているのは、動きやすい服装だ。
体操服……といったものではないが、それに近い代物。
当然そんな服は防御力の類に期待出来る筈もない。
なら、防御力に期待出来るこの服を装備した方がいいのは明らかだろう。
「お前が本当にタルタロスを攻略するつもりなら、相応の装備は必要になる」
「……分かった」
最終的に頷くと、ゆかりは一旦エントランスに戻るように要請し、影のゲートでエントランスに戻る。
そして見えない場所で隠れて着替え……再度13階に戻る。
その後、何度か戦闘をして動きに特に支障がないのを確認すると、14階に向かう階段を見つけ……その階段を上る。
「え?」
そうして階段を上った俺達を待っていたのは……馬に乗った騎士? のようにも見えない事もない、小ボスのシャドウだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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