| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

デート・ア・ライブ~零斗・ブレイザー~

作者:村雲恭夜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 次ページ > 目次
 

十香デッドエンド
  序章~零斗~

『やあ、久しぶりと言えばいいかな?』
俺の目の前にある端末から声が聞こえる。
「前に会ったのが数年前だからな。記憶が合っていれば、だが」
俺はキーボードを叩きながら声の主に返答する。
「んで、何のようだウッドマン卿。例の少年の経過報告か?それなら俺じゃなくて『フラクシナス』の方だろ…おい、何馬鹿やってんだ阿呆」
未だにキーボードを叩きながらその場にいるもう一人の人物に声をかける。
『どうやら忙しい場面で連絡してしまったかな?』
「いや、俺は良いんだがあいつの方はな…」
爆発音を近くで聞きながら声の主___『エリオット・ボールドウィン・ウッドマン』が苦笑する。
『彼女は接触禁止事項だからね。その力は君と、彼女しか使えないからな。我々の切り札の一つだが、あまり無茶はしないでくれと伝えてくれ』
「あいよ。んで、本題を頼む」
俺が促すと、ウッドマン卿が『うむ』と答える。
『これから君たちはフラクシナスの指揮下の元、天宮市の異動になる』
「珍しい異動だな」
俺はさほど驚きもせずに答える。
『事が起こる前に君たちを異動してほしいと五河司令からの要請でね』
「あー、あの司令が…」
それを聞いて少し考えるが、一度頷いて答える。
「配属異動、了解した。本艦『アルグレスト』はこれより天宮市に異動、五河司令指揮する『フラクシナス』の指揮下に入る」
『よろしく頼む。君達の活躍を期待しているよ』
それを最後に通信が切れ、一息を入れる。
「…ついに、か」
俺は椅子に掛けていた軍服を肩に掛け、自室から出る。
それから暫く歩くと、『アルグレスト』艦橋室に出る。
「あ、司令。お疲れ様です」
司令席の前で指揮していた女性____『南雲秋』が俺の存在に気がつく。
「今の時間帯は鍛錬と作成の時間では?珍しいですね」
「ああ。つい先ほどウッドマン卿から連絡が来てな。本艦『アルグレスト』はこれより『フラクシナス』の指揮下に入る。進路変更して天宮市に変更して航行をしてくれ」
俺の言葉を聴くと南雲は頷いて復唱する。
「了解。進路を天宮市に変更。警戒態勢をしつつ航行をお願いします」
「「「「了解!」」」」
艦橋室にオペレーター達の声が響く。それを聞くと、南雲は俺の方に向き直る。
「いつもすまないな」
「いえ、私も含め『アルグレスト』所属員はあなたに助けられてますから。あなたが出来ない事は我々が変わりにします」
それを聞いて苦笑すると椅子に座って言う。
「あまり真面目になりすぎるのも駄目だぜ?適度にリラックスすることも大切だ」
「それは司令にも言えることですよ。まぁ彼女にも言えるんですが」
南雲が言うと、爆発音が艦内に鳴り響く。『アルグレスト』は揺れるも、艦員は苦笑しながら作業を続けていた。
「…あいつ本当に何してるんだ」
ため息を吐きながら言うとバタバタと音がする。
「零斗ー!出来たー!」
通路から艦橋に飛び込んできた少女の頭を捕まえて、反転させながら俺の膝に乗せる。
「…菜月。お前は毎回爆発しなきゃ作れないのか」
「好きで爆発させてるんじゃないもん!余剰の力が暴発して爆発音がするんだもん!」
頬を膨らませながら膝の上の少女____『神崎菜月』は俺に文句を言う。
「それが無くなれば力の方が上手く使えるんじゃないかよ…」
俺が文句を言い返すと艦橋にアラームが鳴り響く。
「六時の方向!DEMの艦が接近中!」
オペレーターの一人が、声を張り上げて報告する。
「数は」
「一隻です!」
それを聞くと俺は膝から菜月を降ろして立ち上がりながら指示を出す。
「後部ハッチ空けろ。『アルグレスト』はそのまま前進」
「「「「了解!」」」」
オペレーター達は指示を聞くと操作を始める。
俺は通路にはいると走りながら腰から『ゲーマドライバー』と『ガシャットギアデュアルβ』を取り出し、ゲーマドライバーを装着する。
「ったく、運の悪い敵さんだな。哀れに思えるぜ」
俺はため息をつくと、後部ハッチのある扉の前に立つ。
扉が開くと、後部ハッチから見える艦が見えた。
「まぁ、恨むならお前らの上司を恨むんだな」
ギアデュアルβのダイアルを右側に回すと、音声が響く。
『BANG BANG SIMULATIONS!』
『I ready for Battleship!』
音声と共にゲーム画面からシュミレーションゲーマが現れ、周囲を旋回する。
「第五拾戦術、変身」
そして、ギアデュアルβをゲーマドライバーに差込み、レバーを開く。
『デュアルガシャット!』
『デュアルアップ!スクランブルだ!出撃発進!バンバンシュミレーションズ!発進!』
シュミレーションゲーマを装着した俺はすぐにレバーを開閉しなおす。
『キメワザ!』
全身の砲撃ユニット・スクランブルガンユニットからエネルギーが発生し、それを放つ体制に移行する。
「喰らえ、そんで墜ちろ!」
『バンバンクリティカルファイア!』
両腕のキャノンと、全身のユニットから砲撃が放たれ、空を飛翔。
数秒して目の前に浮かんでいた艦は爆発して墜ちていった。
「敵艦轟沈。艦橋、応答どーぞ」
俺が叫ぶと近くのスピーカーから声がする。
『確認しました。流石ですね司令!』
「おう。あ、後部ハッチ閉めろよ。俺は部屋戻る」
俺は変身を解除すると、息を吐きながらハッチの部屋を出る。
これからの自身の不幸さを知りながら。
この日は四月九日。
彼が、いや彼らが新たな精霊に出会う前日だった。 
 

 
後書き
次回、零斗ブレイザー
ゲームとビルド。
零斗「さあ、始めようか」
菜月「私たちの戦争を(デート)!」 
< 前ページ 次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧