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オズのジュリア=ジャム

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第七幕その七

「だからよ」
「それで、ですね」
「草も簡単に抜けるんですね」
「それも根元まで」
「そうなんですね」
「そうよ、確かに草の数は多いわ」
 本当に咲き誇っています。
「けれど一本一本は楽に抜けるから」
「だからですね」
「慎重に抜いていってですね」
「全部抜くんですね」
「そうするんですね」
「そうしていきましょう、それとね」 
 ジュリアは五人にさらにお話しました。
「抜いた草は一つの場所にまとめておきましょう」
「一つの場所にですか」
「まとめておくんですか」
「そうするんですね」
「そうよ、そうしておきましょう」
 こう言うのでした。
「いいわね」
「一つの場所に集めてどうするのかな」
 ジャックがジュリアにその理由を聞きました。
「それで」
「ええ、集めて燃やすの」
「ああ、それで花粉の元をだね」
「絶つの」 
 だからだいうのです。
「そうするつもりなの」
「成程ね」
「こうすれば問題はないわね」
「うん、そうだね」
「じゃあいいわね」
「わかったよ、僕もね」
 見ればジャックも一つ一つ真面目に草を抜いています、十人共熱心に草を抜いていて怠けることはありません。
「集めるね」
「集める場所は少し離れたところで」
 ちょっとそうした場所を見てです、ジュリアは皆にお話しました。
「そこに一つにして」
「そうしてだね」
「全部抜いてからね」
「燃やすんだね」
「そうしましょう」
「じゃあ抜いて」
「ええ、それからよ」 
 こう言ってです、ジュリアは早速抜いた草をその離れた場所に置きました。他の皆もそこに置いていってです。
 するとです、あっという間にでした。抜かれた草達はそこに堆く積まれました。その草達を見ながらです、木樵はこんなことを言いました。
「競争しないかい?」
「競争?」
「競争っていいますと」
「誰が一番沢山抜けるのかをね」
 こう皆に言うのでした。
「競争しないかい?」
「あっ、一本一本ですね」
「抜いていってですね」
「誰が一番沢山抜けるかね」
「競争するんですね」
「そうするんですね」
「そうだよ、勿論根元まで抜いてね」 
 このことは忘れないというのです。
「そうしてだよ」
「一本残らず抜くんですね」
「この草達を」
「そうしたらどうかな、抜いた草のカウントは自分でして」
 そしてというのです。
「誰が一番沢山抜いたか競おうね」
「面白いですね」
「それじゃあそうしましょう」
「今からですね」
「そうして抜いて」
「そしてですね」
「そう、それからね」
 あらためて言う木樵でした。 
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