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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第一話 お母様は、シュザンナ


劇中の暗殺者は、CV真柴摩利 (シーマ・ガラハウ)さんのイメージです。


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第一話 お母様は、シュザンナ

……暗い……それと暖かい?
耳に入るのは、ドイツ語らしい女性の声。
『私の可愛いベービ、今度こそ無事に生まれてきておくれ』
  
んん! 
体が流れるーーーーーーーーーー!?
眩しい此処はどこだ??  

「お生まれになりました、お美しい皇女様です」
誰かが言う声が聞こえる。
薄目を開けて見てみると、レトロな看護服を着た女性が喋っている。

 なるほど、さっきのは母親の胎内ですか。今は産まれた所のようです。

 母らしき人が、「おお、私の可愛いベービ今度こそ守りますからね」
そう言っているのが聞こえます。

 看護婦が、「侯爵夫人、皇女様のお体を清浄して参ります」
 そう言って、私を連れて別室へと移動しました。
 
 その看護婦が、体を拭きながら恐ろしいことを言い始めました。
「フッ・・チョロいもんだね。あんたに恨みはないが、
生まれるところを間違えたのさ。自分の生まれの不幸を呪うがいい」
  
 うわああああ、シャアの台詞じゃあるまいし、目つき変わってるよこの女。
 助けを呼ぼうと大声で泣くが、
 「フッ・・死ぬのが判るのかい。この部屋は完全防音だから、ム・ダ・ダ・ヨ」
 生まれてすぐに死亡フラグですかーーー!! 酷すぎる!!
 
「この針の先端に付いている薬なら楽に死ねるから、安心して死にな」
 針の先端がゆっくりと、右腕に近づいていきます。
「傷が残ると面倒だからね。爪の間に刺してあげるよ」
 
痛い、痛いですよ。爪の間なんて、拷問じゃあるまいし。
死ねるー、火事場の馬鹿力よ出てくれーーーーーーーーーーーーーー!!
右腕を振り回し抵抗したところ、そんな行動を予想していなかった女の手から針が飛び、そのままその女の目に突き刺さりました。
 
「ウギャアアアアアアアアアアーーーーーーーーーー!!!!」
その瞬間、すさまじい悲鳴を上げて、女がのたうち回り始めました。
暫くすると悲鳴も聞こえなくなり、女は動かなくなりました。

 これからどうなるんだろうと思っていると、あまりに帰るのが遅いのを心配したのでしょうか、何人もの女性が入ってきました。扉を開けた瞬間、中の惨状を見て、『皇女様はご無事か!』多くの方が近寄ってきてたのですが、真っ先に髪が乱れたままの母親らしき女性が抱き上げてくれました。
 「おお、あなたもまた失う所であった」
 母親ですね、これは。泣きながら、ぎゅーっと抱きかかえてくれます。
 
耳に聞こえるのは、「宮中警備隊を、呼べ」とか「侯爵夫人と皇女様を別室へ」とか、
「背後関係を探れ」とかが聞こえてきます。
  
 そのまま別室で清浄され、母親に抱かれて病院らしき所から、彼女の家らしき邸宅へ連れて行かれて、邸宅内の赤ちゃん入れるプラ製箱に入れられました。
 
 しかし、いきなり暗殺されそうになるとは。私はいったい誰なんだ?
侯爵夫人とか皇女様とか宮中警備隊とか、現代じゃ聞き慣れない言葉だし。
侯爵夫人が母親らしい。
皇女が私。
で、宮中警備隊があると。どっかの王宮かな?
 
 疲れたんで、少し寝よう。
 
 ん、ガヤガヤする。また暗殺か?

 ホッ、母親が立ち上がったのか、ん?
 「皇帝陛下のお成りでございます」
 誰かがそう言っている。
 皇帝陛下???
 
「シュザンナ、無事か」
「陛下」
「おお、この子が予の子か」

「陛下、そうでございます」
「おお、シュザンナに似て愛い子じゃ」
「陛下、危ういところでございました」

「聞いておる、大事に育てるのじゃ」
「警備も強化させよう、ようがんばった」
「陛下」

「今宵は、親子三人で過ごそうぞ」
『陛下』
 意識が薄れていった・・・・・ZZZZZ

 一ヶ月ほどたって、私の立ち位置が判明しました。

 こんにちは、私はテレーゼ・フォン・ゴールデンバウムと申します。
ゴールデンバウム王朝第36代皇帝フリードリヒ4世 と寵姫シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ侯爵夫人との間に生まれた、第3皇女です。

 大きな声では言えないのですが、実は私、転生者なんです。
 
 ゴールデンバウム王朝と言えば、銀河英雄伝説の世界ですよ。
 
 第36代皇帝フリードリヒ4世と言えば、ラインハルトの簒奪を知りながら、あえてそのままにした、あの皇帝ですよ。
  シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ侯爵夫人と言えば、子供4人ぐらい殺されて、アンネローゼに嫉妬して、フレーゲル男爵にそそのかされて、暗殺狙って失敗して、死んだ人じゃないですか。

 私も暗殺されかかったし、これからも危険がいっぱい。
今年って何年なんだろう。喋れないし字も書けないからどうにもならないよ。

 食っちゃ寝、食っちゃ寝を繰り返すこと2年。
やっと喋れるようなり「ムッター、ファーター」と言うと、シュザンナ母様とフリードリヒ父様が、目を細めて喜んでくれた。

 どうも警備が完璧なのと、女だから、帝位に関係ないからと、敵からは放置され始めたみたいな感じ。
ノイエ・サンスーシだからか、カレンダーとか無いし、年度が判らない。困った。
 つたない言葉で「お母様、私の、お誕生日は、何年なの」って聞いたら。
 
「テレーゼ、難しい言葉を覚えたのですね」
 にこやかに話してくれました。
「あなたのお誕生日は、471年2月3日生まれですよ」

「お母様、ありがとうです」
 女官が来て、「テレーゼ様、お昼寝の時間でございます」
 と来て、ベットへ寝かされました。
 考えようとしたけど、寝てしましました。

 翌日から、これからの人生について考え始めた。

 んー、お父様が487年に亡くなられるから、そのとき16歳か。
ラインハルトがクーデター起こすのが488年だから、17歳。
お母様がフレーゲルにそそのかされるのが、486年で15歳。
お母様が暗殺未遂をしたら、私もとばっちり食うかも知れない。
それで生き残っても、アンネローゼを狙った女の娘じゃ、酷い目に遭いそうな気が。
それで無事でも、リップシュタットの後で、あのランズベルク伯に我が儘小僧と共に誘拐されるかも知れない。
路頭に迷うのはいやだ。

 アンネローゼが後宮に来るのが477年ぐらいだから、あと4年か。
6歳の時に父上に甘えまくって、アンネローゼが来るのを阻止できれば安全だ。
よっし、それで行こう。

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いつか、続きを書きたいです。

パウル様に修正して頂きました。
ありがとうございます。
 
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