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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1808話

 見舞い、か。
 荒垣との電話を終えた後、俺の姿は巌戸台からポロニアンモールにあった。
 何をしにと言えば、当然見舞いの品を買いに、だ。
 恐らくここ暫くタルタロスの攻略をした疲れで体調を崩したのだろうゆかり。
 現在この世界において俺にとっての最大の理解者が動けないというのであれば、見舞いに行くのは当然だった。
 その際における最大の問題は、見舞いの品に何を買えばいいのかという事だろう。
 あやか……いや、千鶴だったか? に聞いた話によれば、花を持っていく場合でも菊の花は駄目で、鉢植えを持っていくのも駄目らしい。
 あれ? それは病院に行く時だったか?
 ともあれ、その辺りの事情は似たようなものだろう。
 見舞いの品として、脂っこい食べ物とかも駄目だろうな。
 体調を崩している状態でカツ丼とか唐揚げとか、天ぷらとか、そういうのを持っていっても、まず食べる事は出来ない筈だ。
 となれば、果物とかか?
 そう判断し、近くにあるスーパーに向かう。
 果物……風邪だとビタミンCがよかったんだったか。
 マリューがビタミンCが多いと言っていたイチゴを2パック、それとやっぱり体調を崩したといえばこれだろうと桃缶……白桃と黄桃のどっちを選べば良かったのか分からなかったので、これも1缶ずつ。あとはスポーツ飲料を買う。
 ああ、ついでに適当に俺が食べる為の弁当とかも買っていくか。
 そうして買い終わると、そのままスーパーを出ていつものように影のゲートを使ってゆかりの部屋に……

「きゃっ、ちょっ、ちょっとアクセル!? いきなりどうしたのよ?」
「えーっと……あれ? 体調を崩したんじゃなかったのか?」

 転移した俺が見たのは、ベッドに寄りかかってTVを見ているゆかりの姿だった。
 てっきり寝ているのかと思ったんだが。
 ゆかりの性格を考えれば、もうタルタロスに行くのが怖くなったからサボるというのは考えにくい。
 だとすれば、何かそれ以外の理由があるのか?
 そんな疑問を抱きつつ、取りあえずイチゴと桃缶とスポーツ飲料の入っている袋――弁当は既に空間倉庫に収納済み――を渡す。

「ほら、見舞いの品。……ただ、見た感じそんなに身体の調子は悪くなさそうだな」
「ありがと。……だけど、私にも色々とあるのよ。その、女なんだから」

 そう言われると、ようやくゆかりがどのような状況なのかを理解出来た。
 あー……なるほど。そう言えばレモン達との夜でも、何人かが俺に抱かれない日があったな。

「そうか。……まぁ、理由は分かった。ともあれ、病気じゃないならいいんだけどな。なら、動けるようになったら連絡をくれ」

 少しだけ照れを覚えながら、再び影に身体を沈めていく。
 連日のタルタロス探索による疲れから体調を崩したのだと思ったのだが、そうでないことに安堵する。
 ……ただ、俺が平気だからといって、毎日タルタロスの攻略に向かうのは止めた方がいいかもしれないな。
 これからは2日に1回、もしくは3日に1回くらいにした方がいいのかも。

「あ、ちょっ! アクセル!」

 影に沈んでいく俺に気が付いたのだろう。ゆかりが慌てたように口を開く。

「その、心配してくれてありがと」
「お前に何かあったら、俺もただじゃすまないからな」
「……それでも、ありがと」

 その言葉が聞こえるのと同時に、俺の身体は完全に影に沈み……次の瞬間には、自分のアパートに戻ってきていた。
 見舞いする時間がなくなったんだから、もう1度神社に行って舞子や犬と遊んでくるかな? とも思ったが、何となくそんな気分ではなかったのでこのまま部屋にいる事にする。
 ベッドに寝転がってTVを点けると、そこでは刑事ドラマが放映されていた。
 特にどうという事もないような、普通のTVドラマ。
 何となくそれを眺めていると、部屋の中が暗くなっている事に気が付く。

「ん? ああ。もうこんな時間か」

 考えてみれば、神社で舞子や犬と遊んでいたのが午後3時くらいだったのだ。
 それからスーパーで買い物をして、ゆかりの見舞いに行ったのを考えれば、もう部屋の中が暗くなっても当然だろう。
 TVでは、何故か追い詰められた犯人が崖の上で刑事に拳銃を突きつけられていた。
 ……こういう類のドラマを見る事は殆どないんだが、何故か刑事物のドラマって犯人が崖に追い詰められるシーンがあるよな。
 勿論、全部が全部そういうのじゃないってのは分かるんだが。
 これは、あくまでもそういう印象があるという事だろう。
 ともあれ、そんな風に考えている間にもTV画面の中では追い詰められた犯人が崖から飛び降り……それに刑事が悲痛そうな表情をしたまま、エンディングとなった。

「バットエンドかよ」

 空間倉庫の中に入っていた、ナデシコ世界で買ったフライドポテト……何故か異様に美味いフライドポテトを口に運びながら、思わず突っ込む。
 まぁ、刑事物なんだから犯人が死んで終わりってのは、そこまで珍しい話ではないのかもしれないけど。
 そんな風に考えながらフライドポテトに集中していると、やがてTVではニュースが始まった。
 携帯で時間を確認すると、既に5時近い。
 大体このくらいの時間からニュースが流れるというのは、どこの世界でもそう変わらないのだろう。
 ……そう言えば、W世界ではどうだった?
 何だかんだと忙しかったので、その辺りの事をよく覚えていない。
 基本的に軍人――正確には傭兵――として生活していたので、その辺りは当然なのか?
 一応傭兵として活動する前にはある程度落ち着いた時間もあった筈だが。
 そんな風に考えつつ、ニュースを見ながらフライドポテトを食い切る。
 一番大きいサイズだったが、それでも美味いのであっさりと食べ終わってしまったのだ。

「タルタロスに行かないと、特に何もやる事がないんだよな。……まぁ、全くない訳じゃないけど」

 桐条と真田。
 荒垣から聞いた、ペルソナ使いの2人がどれだけの実力を持っているのかは、出来るだけ早く確認しておきたい。
 ペルソナを使い始めてから数年が経つという話だが、タルタロスの中で実戦を繰り返してきたゆかりと比べると、どれだけの力があるのか。
 個人的には練習よりも実戦を繰り返してきた方が、戦力として考えられると思うんだが。
 ともあれ、その桐条と真田は影時間の中で色々と活動しているのは間違いない。
 なら、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、タルタロスから出てきたシャドウとの戦闘を見る事が出来る可能性も否定は出来ないだろう。

「ま、可能性は少ないだろうけどな」

 そもそも、シャドウがどれだけの頻度でタルタロスから出ているのかというのも、俺には分からないのだ。
 だが、今まで影時間を経験してきた感じからいうと、そもそもタルタロスから出るシャドウそのものがかなり少ないと思われた。
 だとすれば、そんなシャドウと桐条、真田といったペルソナ使いの戦闘を今日見られるかどうか……と言えば、決してそんな事はないだろう。
 それでも、挑戦しないのであれば可能性は0だが、挑戦すれば、もしかしたら可能性はある……かもしれない。
 また、影時間に動けるのは基本的にペルソナ使いだけ。
 だとすれば、影時間の中で動いている者というのは、ペルソナ使い……正確にはペルソナ使いになる素質を持っている者だけということになるのだろう。
 そういう意味では、戦力を充実させるまたとない機会でもある。
 ……正直なところ、俺とゆかり、荒垣の3人に新しい戦力が必要なのかと言われれば、首を傾げるしかないが。
 ゆかりはシャドウとの戦いで着々とペルソナ使いとしての腕を磨き、荒垣は情報担当。そして死神のような奴が姿を現した時は、切り札の俺が対処する。
 荷物の運搬についても俺の空間倉庫があるし、心配はいらない。
 そう考えれば、特に新しい戦力が必要なのかと言われると、否と答えるだろう。
 それどころか、ある程度使えるようになるまで鍛えるのに時間が掛かるのだから、タルタロスの攻略に余計に時間が掛かる。
 だとすれば、特にこれ以上の戦力は必要じゃないのか?
 勿論、即戦力であれば話は別だが。
 ……そういう意味では、桐条と真田という2人のペルソナ使いは非常に貴重な存在と言えるだろう。
 こっちの仲間に引き込もうとは思わないが。
 いや、情報を持っているという意味では出来れば引き込みたい相手なのは間違いない。
 ただ、ゆかりが桐条に対して思うところがある以上、こっちとしても無理な真似は出来ないのだからしょうがない。
 ゆかりの桐条に思うところがある理由が分かれば、それを解決出来なくもない……と思うんだがな。
 だが、ゆかりがそれを口にしない以上、俺が何を言っても無意味だろう。

「うん? もうこんな時間か」

 色々と考えていると、気が付けば時間は午後7時近い。
 天気予報を見ながら、空間倉庫から取り出した弁当を食う。
 今日ゆかりの見舞いに行く時についでに買った代物だ。
 いわゆる、幕の内弁当の類だが……コンビニで買う弁当より、スーパーで買う弁当の方がどこか健康には良さそうだと思うのは、俺の気のせいか?
 いや、普通に気のせいだろうが。
 だが、病は気からとも言うんだし、決して何の効果もない訳じゃない。
 ……そもそも、混沌精霊の俺が身体に悪いものを食べたからってどうにかなる筈がないし、それ以前に俺の腹に入れば全てが魔力となって吸収されるんだから、身体に悪いものが入っていようとなんだろうと問題はないんだよな。
 弁当を食べながらも時間が経ち……やがて9時、10時、11時となり……影時間に突入する。
 特にやるべき事もないので、もしかしたら桐条や真田を見られるかもしれないと、影に沈んで外に出る。
 そうしてやって来たのは、巌戸台駅の近くにあるビル。
 結構な高さを持つそのビルの屋上で、何か周囲に動くものはないかと見回す。
 普通であれば、人間が動いた程度ではちょっと見分けがつかないだろうが……幸いにと言うべきか、俺の能力であればそのくらいは容易に見分ける事が可能だった。
 そんな訳で、影時間の中で周囲を見回していたのだが、見えるのは棺桶のみだ。
 うーん、やっぱりこうして見る限りでは特に動いているような相手はいないな。
 こうして高い場所から周囲を探せば、すぐに桐条と真田の2人が見つかると思ったのは、俺の間違いだったのか?
 まぁ、考えてみれば向こうが本当に影時間になったからといって、外に出ているとは限らないのだから当然か。
 実際、俺達だって今日はタルタロスに向かっていないんだしな。
 そう考えれば、やはりちょっと考えは間違っていたような気がしないでもない。
 ちなみに、ペルソナ使いの2人はともかくシャドウの姿も特には見えない。
 勿論建物の陰になっている場所とかを移動しているのなら、見つけられなくても不思議はないのだが……そうだな、取りあえず荒垣でも探すか?
 そんな風に思いながら周囲を探しても特に見つける事は出来ない。
 どうやら、荒垣は現在巌戸台にいないらしい。
 ……こっちの戦力になるかもしれない相手を見つけるのなら、それこそポロニアンモールとか、そっちに行った方が良かったような気がする。
 人が集まるのであれば、当然のようにペルソナ使いになる可能性を持った奴が集まってくる可能性も高い。
 そもそも、影時間が起きるのが12時……日付が変わる頃ってのが痛いよな。
 そのくらいの時間なら、寝ていて気が付かない奴も多いだろうし。
 ああ、でもそういう奴の場合は睡眠時間が何気に3時間から4時間多くなっているのか?
 普段は午前7時に起きる奴でも、午前3時とか4時に起きる事になるんだから、普通なら思い切り違和感があってもおかしくはないよな。
 そういう意味では、桐条グループの方がペルソナ使いの候補を見つけやすいのは無理もない、か。

「ま、もうちょっと他の場所も見て回るか」

 そもそも、タルタロスは月光館学園が変化したものなのだから、そこから離れている巌戸台駅で外に出ているシャドウを見つけるのは難しい。
 ……まぁ、俺がこの世界、そうだな。取りあえず能力名からペルソナ世界とでも認識しておくか。そのペルソナ世界にやって来て姿を現したのは巌戸台だ。
 そしてゆかりがシャドウに襲われていたのも巌戸台だったのを思えば、シャドウがタルタロスから巌戸台まで来るのはおかしくはない。
 おかしくはないんだが……臆病のマーヤみたいな移動速度の遅い奴が、一体どうやって影時間の最中に巌戸台までやって来たのかは多少気になる。
 もしかして、実はシャドウってタルタロス以外にも巣があったりするのか?
 もしくは、タルタロスから出る時、好きな場所に出られるとか……
 ターミナルの存在を思えば、その辺りはありそうな気がしてくるんだよな。
 そんな風に考えている間に……やがて、影時間は終わるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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