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プロポーションの秘密

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第四章

 一緒にいた友人達は一緒に登校しつつだ、こう言った。
「もう今の時点でね」
「かなりカロリー使ってるわね」
「既にね」
「朝早く起きて修行して」
「お掃除もして」
「しかも残さずしっかり食べて」
「あまり寝てなくてね」
「ここから普通の学園生活なのよね」
 あらためて言うのだった、学校に向かいながら。
「こりゃ健康的よ」
「好き嫌いなく何でも残さず食べてるしね」
「尚且つ身体も動かしてるから」
 剣道の部活でだ。
「スタイルもよくなるわ」
「あのスタイルにもね」
「しかも陽奈ちゃんのお母さんとお祖母ちゃん見たら」
 もてなしてくれた彼女達をだ。
「綺麗だしね」
「陽奈ちゃんってお母さんとお祖母ちゃんに似てるのね」
「スタイルもいいしね」
「お二人共」
「つまりあれね」 
 ここで一人が言った。
「陽奈ちゃんは遺伝で元々奇麗で」
「スタイルもいい」
「それをお寺の生活で日々磨かれている」
「そういうことなのね」
「いや、謎が解けたわね」
「どうしてスタイルがいいのか」
 それがというのだ。
「今ここでね」
「はっきりわかったわ」
「そりゃスタイルもいい筈よ」
 あのスタイルになるのも当然だというのだ。
「これはね」
「私達にはハード過ぎる生活だけれど」
「それでもね」
「あの生活をしていると」
「そうなるのも当然ね」
「だから普通だから」
 陽奈だけはこう言う、ここでも困った顔で笑って。
「本当にね」
「いや、お寺では普通でも」
「私達にとっては普通じゃないから」
「それも凄くね」
「びっくりする位だったから」
「スタイルがいい理由はわかったけれど」
「そうした理由ってことね」 
 こう話すのだった、そしてだった。 
 友人達は陽奈のスタイルの理由をはっきりとわかった、そのスタイルのよさにはそれなりの理由があるということだ。それは陽奈にとっては普通でも彼女達にとっては全く普通でない、そうしたものだった。


プロポーションの秘密   完


                2017・8・28 
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