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バレリーナ

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第二章

「出来るしかないのよ」
「わかりました」
 有無を言わせない口調なので私達はいつも頷いた、そしてだった。
 私達は日々練習を続けて日曜は特にだった。
 朝から夜までレッスンだった、それでレッスンの後でこう言う娘もいた。
「辛いわね」
「そうよね」
 他の娘でも同意する娘がいた。
「普段もそうだけれど」
「舞台前はね」
「休日なんて朝から晩までで」
 本当にだ。
「辛いわ」
「そうよね」
「舞台まではね」
「先生も普段以上に厳しいし」
「辛いわね」
「本当にね」
「けれど舞台やりたいから」
 ここでだ、皆言った。皆にしてもずっとバレエをやっている。それならもうここで音を上げるのではなくてだ。
「頑張らないとね」
「舞台前はいつもこうだし」
「バレエしてるなら」
「もうこんなので音を上げてもね」
「仕方ないからね」
「そうね」
 ここで私も言った。
「だから皆でやっていきましょう」
「先生も汗かいてるし」
「だからね」
「私達もよね」
「そうしていくべきね」
「先生は確かに厳しいけれど」
 このことは否定出来ない、私が子供の頃から変わらない。むしろ親よりもずっと厳しいと思う位のレベルだ。
「けれどご自身にも厳しくて」
「間違ったこと言わないしね」
「自分も真っ先に汗をかく人で」
「お掃除だって何だって率先してしてくれて」
「私達を絶対に見捨てないしね」
「レッスンは何時でも最後まで付き合ってくれて」
 教えて欲しいと言うと完全に納得出来るまで付き合ってくれる、この辺り授業は下手なうえに聞くと自分でやれとか言うだけだった中三の時の数学教師と大違いだ。
「そうしてくれるから」
「だからね」
「やっていくべきね」
「私達も」
「そう、そうしていきましょう」
 私達は言い合った、そしてだった。
 皆で舞台に出た、舞台の前にも先生は厳しく私達一人一人に注意した。それは当然私に対してもだった。
 何処が悪いのか、何処に注意すべきか細かく言ってくれた。そのうえで私に対して強い声で言ってきた。
「全力を尽くしてきなさい」
「自信を持ってですね」
「胸を張ってね」 
 そうしてとだ、私の背中を言葉で押してくれた、他の皆もそうしてだった。
 舞台の場に送ってくれた、私達はその舞台で踊った。全力を尽くして。
 そのうえでだ、舞台の後でだ。先生は舞台を終えた私達に反省点を一人一人に話してくれてそれからだった。
「いいわね、明日からね」
「はい、明日からですね」
「またレッスンですね」
「次の舞台に向けての」
「そう、やるわよ」
 こう言うのだった、私達に。
「わかったわね」
「わかりました」
「汗が舞台を作るのよ」
 先生がいつも言っている言葉だ。
「だから汗をかきなさい、いいわね」
「わかりました」
 私達は舞台が終わった後の達成感を消して次の舞台に挑むことを決意した、そして次の日から実際にだった。
 次の舞台に向けてのレッスンをはじめた、そうしてだった。
 学校でもだ、皆に言った。 
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