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レーヴァティン

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第十七話 学術都市その十三

「自動的に開くです」
「そうした扉か」
「それを造ったのです」
「金属か?」
「はい、金属です」
 まさにそれだというのだ。
「鉄にそうした魔術を入れたのです」
「やっぱり魔術か」
「いえ、魔術を入れたのですから」
「錬金術でか」
「ですから錬金術になります、メインは」
 順一はこう話した。
「あくまで」
「そうなるか」
「違う系統の術も組み合わせられるのがこの世界でして」
「この家の主はか」
「それが出来るのです」
 そうした錬金術師だというのだ。
「彼は」
「凄い奴だな」
「並の錬金術師ではありません」
「並じゃないってことはな」
 久志は順一のその言葉を受けてその目の光をさらに強くさせた、そのうえで三人で家の中に入りつつ話した。
「賢者の石もか」
「その石のことをご存知ですか」
「有名だからな」
 それでとだ、久志は返した。
「俺でも知ってるさ」
「錬金術の極意ですね」
「何とか伯爵も持ってたな」
「おい、何とじゃわからないだろ」
 智は久志のその言葉い突っ込みを入れた。
「伯爵っていっても色々だしな」
「だからあれだよ」
「だからわからないって言ってるだろ」
「あのアニメにもなったな」
「アニメ?」
「城の名前になったな」
「カリオストロか?」
 智がこの名前を出した。
「それか」
「そうそう、それだよ」
「ああ、何か詐欺師とかで有名な人だ」
「カリオストロ伯爵って詐欺師だったのかよ」
「そうじゃなかったか?」
「確か有名な錬金術師だってな」
「彼については諸説あります」
 順一はこの実際に諸説ある人物についても述べた。
「詐欺師だったとも錬金術師だったとも」
「両方言われてるんだな」
「実際のところはわかりません」
「そうだったんだな」
「はい、そしてもう一人サン=ジェルマン伯爵という人物がいましたが」
「その人はどうだったんだ?」
「この人物も謎に包まれていまして」
 順一は今度はこの人物の話をした、尚サン=ジェルマン伯爵もカリオストロ伯爵も実在人物だ。
「不老不死だったとも言われています」
「本当かよ、それ」
「噂では」
「噂かよ」
「とかく謎に包まれた人で」
 順一はまたこう言った。
「賢者の石を持っていたともです」
「言われててか」
「不老不死でタイムマシンも持っている」
「凄いな、おい」
「あらゆる言語を使うとも言われ知識も底知れず」
 これも一説にはだ、歴史では没年もはっきりしているがこれもかなり信憑性が薄いことかも知れない。
「若しかするとこの島にも」
「関わってるか」
「そうかも知れません」
「何なんだって人だな、それでな」 
 ここまで話してだ、久志は簡素な木造りの家の中を見回した。椅子もテーブルも他の家具も全て質素な造りである、ただかなり頑丈そうである。 
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