レーヴァティン
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第十七話 学術都市その十
「これはどういったレベルでも申し上げていました」
「最初から返答決まってたのかよ」
「はい、政治に完全はなく」
「何処までも勉強しないと駄目か」
「そのつもりでないと治まりません」
それが政治だというのだ。
「市会議員の叔父から言われた言葉です」
「神戸市のか?」
「はい、そうです」
「それでそう言うんだな」
「市政もそうであり」
「この島についても同じか」
「はい、政治はどの場所においてもです」
規模や環境の違いはあれどだ。
「完全はなく何処までも学んで進めていかないとならない」
「厳しい世界だな、いや」
「お気付きになりましたね」
「それ何処でもか」
「はい、どの世界でもです」
このことは変わらないというのだ。
「とどのつまりは」
「常に勉強していないと駄目なんだな」
「そうでないとよくなりません」
「政治の話出たけれど日本の野党みたいなのだとか」
「叔父はあれは最悪だと言っていました」
順一はこれまたはっきりと答えた。
「何も学ばず言いがかりだけを言っていては」
「何も出来ないか」
「あの通りです」
「どうしようもない連中になるんだな」
「ああした無責任かつ無能で何が出来るか」
「出来る筈ないよな」
「この島は唯でさえ戦乱の島です」
尚彼等は今はその戦乱を観ていない、たまたまそうした地域には今の時点では行っていないだけである。
「そこでそうしたことでは」
「統一してもな」
「その統一を保てず」
「魔神とも戦えないか」
「そうなります」
「そういうことだな」
「ですから」
順一は久志にあらためて言った。
「学んでいきましょう」
「政治のこともか」
「是非」
「わかったぜ、まあ読書も嫌いじゃないしな」
「学問もですね」
「これでも大学でそれなりに成績いいんだよ」
順一にこうも言った。
「だからな」
「学ばれますか」
「そうしていくな、しかしな」
順一との話が一段落ついたところでだ、久志はあらためて周りを見た。そのうえで今度はこんなことを言った。
「わかりやすい道だな」
「ああ、十字路ばかりでな」
智が応えた。
「碁盤みたいでな」
「西洋だからチェスのボードか?」
「そっちになるか」
「そんな感じでな」
「わかりやすいな」
「これも城塞都市だからか」
このヨハネスブルグもというのだ。
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