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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十話 明けない夜はないその五

「あります」
「そこに行こうとダオと話していたのだ」
「ちなみにダオと沙耶香同室だから」
 このことはダオさんが話した。
「宜しくね」
「ああ、そういえばそうだったね」
「それでこの旅行中毎日二人で飲んでたの」
「お酒は好きだ」
 井上さんは腕を組んで言った。
「ワインもビールもな」
「あっ、そういえばそうですね」
「うむ、それで飲んでいたが」
「今日はビールですか」
「これから飲みに行こう」
「三人で」
「そうしよう」
 こう話してだ、そしてだった。
 僕達は一緒にだった、三人でビールを飲みに行くことになった。もうすぐ夜の帳が降りようとしている街の中でだ。
 僕は井上さんにだ、こんなことを言われた。
「日本にいるとはな」
「思えないですね」
「うむ、どうもな」
「井上さんもそう思われるんですね」
「不思議な場所だ」
 このハウステンボスはというのだ。
「実にな、しかし日本だな」
「そうですからね」
「それも不思議だ、そういえばだ」
「そういえば?」
「かなり忠実にオランダの街を再現していると思うが」
 それでもとだ、井上さんは周りの建物達を見渡しうっつ話した。
「微かに。ほんの僅かにしてもだ」
「日本がですか」
「あるな、それも土壌がだ」
「下地、ですか」
「それは日本だな」
「そう、ですか」
 僕は井上さんの言葉を聞いて足元を見た、そこもオランダの街を再現した石畳だ。それの廊下であることは間違いない。
「下地は」
「そもそも地面はですね」
「日本だな」
「はい、そうですね」
「建物、運河や石畳までオランダでもだ」
 そこまで再現してもだ。
「海もそうだが」
「地面はですね」
「日本のものだな」
「それは変わらないですね」
「その通りだな」
「はい」
 僕も答えた。 
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