八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十話 明けない夜はないその三
「そちらにです」
「ビールですか」
「それとソーセージと」
「そちらも捨て難いですよね」
「そうですよね」
「オランダでもよくある組み合わせです」
ハウステンボスが再現しているその国でもというのだ。
「ビール、そしてソーセージは」
「ドイツ語圏だから」
「はい、ドイツと同じくです」
ビールとソーセージといえばやはりドイツだ、実際にドイツ人はビールをかなり飲むらしい。何でもリッターのジョッキがあるとのことだ。
「ビールとソーセージもです」
「ポピュラーで」
「よく飲まれて食べられています」
「それでと思いました」
「そうでしたか」
「ですがワインもいいですね」
ここではそればかり飲んでいる気もするけれどだ、僕は。
「ちょっと考えます」
「それでは」
「そうします、あと畑中さんビールは」
「あまり飲みません」
「やっぱりそうですか」
「日本酒も好きですが」
それでもというのだ。
「やはりです」
「あまりですか」
「ワインがメインです」
「お身体に気をつけてですか」
「痛風や糖尿病に」
「やっぱりそうですか」
痛風はビール、糖尿病は日本酒だ。
「そうした病気に気をつけておられて」
「ビールや日本酒はです」
「あまり飲まれていないんですね」
「そうしています、ただ」
「ただ?」
「最近糖質やプリン体のないビールもありますね」
「あっ、そうですね」
スーパーとかで見る、本当にそうしたビールが出ている。
「そうしたビールも実際に」
「そうしたビールは飲みます」
「そうですか」
「それも美味しく」
「そうですね、じゃあ今日は」
「ビールも」
「ちょっと考えます」
こう畑中さんに答えた。
「どうするか」
「はい、それでは」
「とにかくお酒はですね」
「飲まれますね」
「それは変わらないです」
ワインでもビールでもだ。
「どちらにしても」
「ではお身体に気をつけて」
「飲んできます」
「私もそうしてきますので」
「また夜にですね」
「このお部屋でお会いしましょう」
畑中さんは笑顔で話してくれた、本当に畑中さんの笑顔と助言には助けられる。このことは八条荘にいた頃からだ。
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