夢幻水滸伝
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第十七話 淡路合戦その八
「敵の場所はわかった」
「全部だね」
「海図でおおよそ把握してだ」
「そしてだね」
「目でも確認した」
双眼鏡でというのだ。
「そちらもな」
「それじゃあだね」
「こちらの場所もわかった」
今度は羅針盤を見た。
「敵も己も、そして天候や海の状況もだ」
「そのうえで考えてるね」
「決めた、敵は星が二人共来ている」
このこともわかっているというのだ。
「双眼鏡で二人の姿を船に見た」
「便利な神具だね」
「私は直接戦う神具は持っていない」
玲子の朱槍の様なものはというのだ。
「しかしだ」
「その三つの神具はだね」
「使い方によってはこの通りだ」
「あたしみたいに直接戦うよりもだね」
「力を出してくれる」
「そういうことだね」
「だからだ」
それでというのだ。
「今回もこうして戦う、むしろだ」
「これまでの海賊退治よりもだね」
「やりがいがある」
吉川は不敵な笑みを浮かべて言った。
「かなりな」
「それじゃあだね」
「思う存分戦う、海の戦で私に負けはない」
「相手も強いよ」
「正岡の旦那と織田の高僧だね」
「そこで小坊主とは言わないか」
「実際に小坊主なんて言える相手じゃないだろ」
織田の実力から見ての言葉だ。
「だからだよ」
「そう言ったか」
「そうさ、年齢は下だけれどわかるさ」
織田のことはというのだ。
「法力と学識はあるさ」
「その二つがだな」
「実家じゃ寺の息子さんだったね」
「跡継ぎらしいな」
織田はというのだ。
「聞いたところでは」
「それだけはあるね」
「法力も学識もだな」
「そうさ、そしてな」
「正岡だ」
特に彼だというのだ。
「あの男は武器の神具の短筒も持っているが」
「万国海法の法が問題だね」
「あの神具は兵法も教えてくれる」
「読めばね」
「基本法や商のことに使うが」
「そちらもだからね」
「兵法は兵器の質も凌駕する時がある」
「じゃあだね」
「それを覆す」
正岡の兵法、それをというのだ。
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